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- カテゴリ:一般
- 発売日:2007/11/09
- 出版社: 角川書店
- レーベル: 角川oneテーマ21
- サイズ:18cm/251p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-710115-9
紙の本
戦後日本は戦争をしてきた (角川oneテーマ21)
日本は一度として「平和国家」だったことはない。本当の「戦後」は朝鮮戦争の終結からはじまる−。誰も語らなかった日本の戦争が、いまここに明かされる。知恵と情熱が交錯する白熱の...
戦後日本は戦争をしてきた (角川oneテーマ21)
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商品説明
日本は一度として「平和国家」だったことはない。本当の「戦後」は朝鮮戦争の終結からはじまる−。誰も語らなかった日本の戦争が、いまここに明かされる。知恵と情熱が交錯する白熱の対談。【「TRC MARC」の商品解説】
憲法九条の下、「戦後日本」はずっと平和だった……?護憲派を代表する二人が、あえて「平和国家」神話を問い直す画期的対談!「テロ」「戦争」の時代に日本はどこへ行くべきか。本当の「平和」へ新しい道を示す【商品解説】
著者紹介
姜 尚中
- 略歴
- 〈姜尚中〉1950年熊本県生まれ。東京大学大学院情報学環教授。著書に「愛国の作法」など。
〈小森陽一〉1953年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に「天皇の玉音放送」など。
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紙の本
アメリカに導かれる戦争
2008/01/18 04:10
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブッシュは、「テロとの戦い」を高々と宣言しイラクを攻撃した。しかし、ここで注意すべきは闘う相手、つまり目的語はあくまで「テロ」であった。「テロリスト」ではなかった。
それは、「テロリスト」が相手だと、戦う主体はあくまで警察になってしまうからだそうだ。国の行う戦争として軍隊を堂々と繰り出す名目としては、やはり目的語は「テロ」である必要があった。「テロとの戦い」である必要があった。
実態の見えない何か漠然と怖いもの恐ろしいものの存在を人々の深層心理に巧みに刷り込み、ブッシュは戦争を人々の熱狂のもとに推し進めることに成功した。
朦朧とした不安感が人々を戦争への無邪気な追随に導いた。人々はなんの抵抗感も無く戦争に納得した。ブッシュの高等な心理戦術はアメリカ国内だけでなく、多くの国の人々まで引き付けた。
そして、この戦術は実はブッシュの専売特許ではなかった。アメリカという国は、第二次世界大戦後も世界まれに見る戦争国家であった。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争・・・。
その時々の権力者は、共産主義あるいはテロといった見えないものに対する不安を煽り、戦争の支持をとりつけた。
そして、そのアメリカの催眠術に、国家単位でかかっているのが、悲しきかな我が日本なのである。
世界的規模で巻き起こった第二次世界大戦あとの植民地からの解放戦争の時代、これら「戦争の時代の上がりを、アメリカ経由で全部吸い上げて肥え太ってできたのが、この国の高度経済成長であった」(本書より)。
日本は第二次世界大戦あとも立派に世界戦争に参加してきていた。戦争に寄生してきていた。
それは、日本が主体的に行ったかつての東アジア諸国への侵略に次ぐ、これら諸国への侵略の上塗りであった。
イラク戦争が誤りであったということは、いまや、ブッシュもブレアも認めざるを得ない。「大国の軍事介入によって、ある国家体制を思いどおりに変えることなんか今の世界ではできないという教訓をみんなが持ったわけだ」(本書より)。
いつまでも懲りもせず無節操なアメリカ追随をはかる日本は、これから三重目の世界侵略に向かおうとしているのではないか。
紙の本
私も憲法9条をさらしに巻いてみようかな
2008/01/09 16:06
12人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝鮮戦争がまだ終わっていなかったなんて知らなかった。日本と韓国・北朝鮮の歴史というのかな、それも詳しく書かれていて、「なあるほど!だから、今こうなのね」でありました。日本の経済成長のきっかけは確かに朝鮮戦争だし、ベトナム戦争でも兵器の一部に日本製があったそうだし、決して日本は戦争なんかしていないと、堂々と胸を張れる訳でもないけれど、さりとて、朝鮮戦争そのものも、日中戦争の流れと言われてもなぁ。お二人は日本にも責任ありとの御意見のようです。
「グローバリゼーションの中で国家が、人々が生きていくことを支えるという行為=政治をやらなくなった。姜さんは「国家の退場」とおっしゃっていたけれど、そういう中で最も地底に叩きつけられて、地底にとどまらず穴に落とされているような人たちを、誰がどう救済するのか、すべての問題はこの無責任体制に内在しています」。
今広がりつつある格差。そして、すでに心が貧しくなっている人たちがいます。池田小学校や池袋通り魔殺人事件、6日の新聞にも戸越銀座で刃物で通行人を刺した事件が載っていました。お二人ともそれは弱いものに攻撃を向けたテロだって言うのよね。そう言われてみれば、納得。「違うことをせい!!」とは思うね。だからと言って、強いものに刃を向けよとも思わないけれど・・・それに、毎年3万人の自殺者、死ぬより先に抗議の声をあげるよう!!
確かに、私たち日本人は戦後も、お隣やちょっと向こうの国の戦争のおかげで、豊かさを享受したのかもしれない。でも、そのひずみで、何かを失ってしまってきてもいる。弱いものがより弱いものを叩く。いじめがその代表格かな。他にも、地域の共同体、農業、緑も壊しちゃってきた。何よりも、憲法の拡大解釈と称して、自衛隊、安保条約を許してきた。これって、はっきり言えば嘘つきだよね。“真面目に考えるのが馬鹿らしい”というムードが日本に広がっているのは、これが大きいのかも。ここらで少し、100年先を見越して、日本のあり方を考える時じゃぁないかなぁ。
「日本はアメリカの核の傘から出よ」「『原爆投下はしかたがない』は、核武装論と同じ」も同感です。南北朝鮮は休戦中に過ぎなかったのね。ソ連も中国も実質資本主義になっちゃって、日本にはアメリカとの安保条約があって、ずーっとアメリカの核の脅威にさらされていた。インドなんか、核武装化を米国に協力してもらっているし・・・そりゃ、北朝鮮も核武装したくなるわな。私はやめて欲しいけどね、勿論。「長崎・広島の論理とは、どんな国、どんな民族、どんな人々にも、核による悲惨は二度とくり返さない、ということです」。そう、悲惨さをようく知っているから、そういう結論になるのです。核を持つのは、知らないから。核で核の脅威を抑止なんて、全く馬鹿げている。
お二人は、「憲法9条をさらしにまいて」いるそうです。そして、「二〇〇六年という年を振り返ってみると、ブッシュ大統領自身が「イラク戦争、イラク攻撃は間違っていた」と言いました。さらにアナン国連事務総長も辞め際に、「アメリカとイギリスによるイラク攻撃は国連憲章違反の、やってはならない侵略戦争、国際法違反の犯罪だ」と言いました。
実際、軍事介入では何も変わらなかった。むしろフセイン政権が統治していたときよりもひどい状況、暴力で社会が解体されるような事態にしてしまいました。・・・大国の軍事介入によって、ある国家体制を思いどおりに変えることなんか今の世界ではできない、という教訓をみんながもったわけです。
ですから、同じ二〇〇六年に核実験をした北朝鮮に対しては、国連の安全保障理事会が全会一致で軍事力の行使を伴わない、つまり国連憲章第四一条に基づく決議を採択しました。「兵力の使用を伴わない」(四一条)ということは、日本国憲法九条の精神に基づくものであり、平和的な外交で制裁を加える、という決議を全会一致で挙げているわけです。・・・九条の考え方が国際的な矛盾を解決していく今最も現実性を帯びた一つの重要な論理となっていることが確認できます」
「サダム・フセインや金日成が、自国民を殺したり残虐行為をしている。たしかにそれは歴史の悲劇としてやめさせなければいけない。しかしアメリカが外側でやっていることは、超大国であるがゆえに、選択を誤ると何百万人も死ぬわけですね。今はもうイラクで数十万人死んでいる」
間違えちゃった戦争でだよ。アメリカはどう責任を取るんだよ。まったく!!それでいて北朝鮮の「脅威」を煽っている。蓮池薫氏のお兄さんは「救う会」を辞めたそうな。理由は「救う会」が北朝鮮の体制転換を考えているからだ、と。
「拉致問題を解決するということとレジーム・チェンジを起こすということは違います。体制を転換させれば、生き残っている日本人は全部殺されてしまう。誰が考えてもそうですよ」
「最も現実的な問題の解決とは距離の遠い、北朝鮮を「恐怖」の対象とする、きわめて非現実的な妄想と幻想が、ナショナリズムの中では現実的のように見えてしまう。この構図が一番危険だということですね」。
つくられた「恐怖」にだまされないようにしなくては・・・
「好むと好まざるとにかかわらず、自由のウイルスを北朝鮮にバラまくしかないんです。これによって北朝鮮は資本主義化への道を歩まざるを得なくなる」「南北が統一されれば素晴らしい道が我々の前に開けているのか、と問われれば、そうは思いません。思わないけれども、今の段階では歩まざるを得ないのです」「一つの読みどころは、三代目も世襲なのかどうか、ということです。ここをぜひ、注意して見ておいていただきたい」
首相をはじめ2世3世の世襲議員がごろごろしている日本。本当に民主主義国家? 独裁政権よりもひどいよね。
「大事な一票、2世3世議員には入れないでね!!」