紙の本
「丸かじり」漫才
2009/09/27 09:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
(つっこみ。以下、T) 秋ですね。
(ぼけ。以下、B) いい季節になりました。
T 秋といえば、スポーツの秋、読書の秋。そのほか、君、何を知ってる?
B 泉アキ。
T また、古いね。ヒント、「し」で始まる。
B 色欲の秋。
T なんでやねん。食欲の秋でしょ、まったく。「天高く馬肥ゆる秋」。
B 天丼高く君の奥さん肥ゆる秋。
T うちの奥さん、関係ないやろ。
B でも、君の奥さん、よう太ってはるがな。
T 読書の秋と食欲の秋を満喫できるのが、この東海林さだおさんの『駅弁の丸かじり』。
B 昔、ようやりました。マッチ箱に、こう小指の先くらいの大きさのものいれて。
T ????
B クラスにアホなやついまして、犬のフンで間に合わした。
T なんや、それ。
B 検便の丸かじり。
T そんなん丸かじりしてどうするんや。駅弁や、駅弁。
B 駅のトイレですか。
T あほ。電車のなかで食べるやろ。
B ボクはポッキーしか食べません。
T 勝手に食べてろ。駅弁といえば、幕の内弁当。
B 東京駅の近くは、丸の内。
T 終いに東海林先生におこられるぜ。
B 弁当、べんとーう。
T お、突然、シュチエーション変えましたな。
B ほっかほか弁当。
T ちがう、駅弁や。
B ねえ、あなた、あの駅弁が食べたいわ。
T お、また、シュチエーション変えましたね。どれ、どの駅弁。
B ほら、隣の席の家族が食べてる、あれよ。
T あほ、あれは家からもってきた、ただのおにぎりやないか。
B えーん、怒っちゃ嫌よ。
T あああ、泣かないで。もっとおいしい駅弁食べようね。
B まあ、おいしそう。なーに、これ。
T これか。これこそ山形は米沢名物、「牛肉どまん中」。
B わー、おいしそう。早く食べましょ。
T 次の駅で、お茶でも買って。
B 鹿児島、かごしま~。
T おい、まて。今、おれは米沢名物の「牛肉どまんなか」を食べようとしているのに、なんで鹿児島に着いてしまうんや。
B 空路、飛行機でビューンと。
T もう、君とはやってられんわ。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。
紙の本
こんなに庶民的な視点なのに、他の追随を許さない
2002/07/31 23:16
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投稿者:やすみつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常的な内容、それも地べたを這うような視点からの日常記述が面白い。
ここでしか得られない、そうそう!という共感は貴重だと思うのだが、面白く読んだ後、貧乏くさくなってしまうのが難。(苦笑)
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読みにくい、と思わせといてグイグイ引っ張られる食べ物の隙間、こだわりがピンポイントをついていてだんだんハマっていきそう。文庫本。
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080901(n 080908)
080904(n 080927)
081001(n 081017)
081226(n 090201)
090110(s 090308)
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「上野の森のチキンカツ」というのを
読んで東京都美術館行ってしまいました。
どれもおいしそうで楽しいです。
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解説も納得の一冊だった。
東海林さだお氏は小さなことでもたっぷり書ける作家である。
このシリーズ癒されるわ。
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ほんとに、なんでこんなにも些細なことが、こうして文章になるのだろうか。
それも、面白おかしく。
不思議だけど、東海林さんの世界に間違いなくはまりますね。
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「駅弁の丸かじり」
著者 東海林さだお
出版 文春文庫
p44より引用
“いやあ、まったく、実際の話、
この世の中、何が起こるかわかりませんね。”
マンガ家であり、
エッセイストである著者による、
食べ物に関するエッセイ集。
いつもながら取り上げる食べ物が非常に身近で、
親近感にあふれる一冊です。
上記の引用は、
鮭の骨だけ缶を取り上げた項の、
冒頭の一文。
骨だけ缶を作った方は、
驚くべき勇気のある方だなと思います。
昔祖父が、
鮭の骨をカリカリに焼いて、
せんべいみたいに食べていたのを思い出しました。
減量中以外の方に。
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最後の いくらなんでも缶 で
ウィスキーの水割缶の話から
そのうち「むき枝豆」なんかも売られるだろう と、
ややふざけて書いてありますが、
今や実際に売ってますね。
これ書かれたの1993年なのに。
すごい。
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自分自身、外食でのカレーがいつの頃から気に入らなくなった。その謎をジョージ君が解いてくれた。そう、カレーソースがドロリ系からサラサラ系へと変わったのだ。『おじさんたちは、こういうサラサラしたタイプを“薄まったもの”と理解する。この世代のおじさんたちには濃厚至上主義がある』『こういう店の薬味は、ピクルス、チャツネ、アーモンド、レーズンなどが出てくる。(中略)「福神漬けとラッキョを出せ」』『こういう店のライスは、サフランなどで黄色い色がついたものが出てくることがある。(中略)「黄色いゴハンなど言語道断」』『こういう店は、「ナン」とかいう小麦粉で焼いたパンみたいなものを出してライスを出さない店もある。「ナンということだ」』ここにまた、自己心理を知るに至る。
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『缶詰の夜』
『サンマ名人第1号』
『特にナシ』
『上野の森のチキンカツ』
『さつま芋の大出世』
『あるまいことか骨だけ缶』
『ミカンは身内』
『ナルト秘帖』
『しゃぶ肉回転す』
『チャーハンのスープ』
チャーハン食べたい。
『「ぼたん」の流儀』
『おでん革命』
『ピザの法則』
『ヒーハの究極』
『ヤキトリの美学』
『雪の降る夜の‘‘ロシア‘‘』
『しみじみシジミ』
『カニのゲップ』
『駅弁の‘‘スルリ‘‘』
『ファジーな注文』
『芝生のサンドイッチ』
『アルミ鍋カレーうどんの発展』
『かき揚げ丼の後悔症候群』
『‘‘アブナイ‘‘寿司屋』
『‘‘身分詐称‘‘メンチカツ』
『説教食のすすめ』
『昼食の入札』
『巷の懐石化現象』
『カリントウのドスコイ』
『大阪の〈まむし〉は……』
『天ざる、現代の孤独』
『カレーよ、変わるなカレ』
『鰺フライ、B級に生きる』
『帝国ホテルのかつ丼』
『いくらなんでも缶』
解説は近田春夫さんです。
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さすが東海林さん。クスってする。
しょーもないなってなるのに、ちょっとわかるwwてなる。脱力したいときにちょうどいい。
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絵が、絵が!絵が!絵が…
絵が苦手すぎて読めなかった…
何とか読了。文章はおもしろかった。
完全に好みの問題。
私はこの人の絵が苦手という人が多く。
横尾忠則しかり。丸尾末広しかり。
嗚呼、これがもし写真だったなら…☆5つである。
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毎回ながら食べ物に対する哀れの目がすごいです。
お肉のメニューでありながら、どうもバンバーグやロールキャベツのように堂々とおかずのメインをはっている他のミンチ肉のメニューとは違うメンチカツ。
東海林さんが指摘するように"コロッケやトンカツとも肩を並べられない"何とも言えない立ち位置。
論理的な(そうなのか?)指摘に、メンチカツ自身も「バレたか」ってギクっとすることでしょう。
解説の近田さんが言う「"選ばれた些細なこと"に気付く眼」というのはまさにこんなところにも表れていると思います。チャーハンのスープやシジミに向ける眼もそうです。
メンチカツのように哀れを見出すこともあるけど必ずその眼には慈愛も宿っていると思うのです。