紙の本
外山さんらしい主張
2018/03/19 12:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今でこそ、AIやグーグルを代表に、人間は知識だけでは
勝負できなくなると騒がれだしたが、著者の外山さんは、
以前からそれを指摘していた。
本書は過去にも外山さんが主張していた意見が散見される。いよいよ、知識偏重を見直すべき時だと、外山さんは
警鐘を鳴らしている。
経験という授業料の高いテキストの必要性を本書を読み、
いよいよ感じている。
紙の本
実践の知識
2018/07/31 23:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凄まじき戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
机上の空論のような知識ではなく、実際に使える実践的な経験を経て考え出した知識を推奨しているという印象を受けました。
言っていることは基本的に正しく、悪くはないと思いましたが、あまり革新的な内容ではなかったように思うのでまあまあでした。
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〈知識というのはすべて借りものである。自分で考えた知識を、われわれはほとんどもっていない。人から聞いたとか、本に書いてあったということは、ようするに借りてきた知識ということだ。〉
知識をたくさん持ってりゃいいわけじゃない、自分で経験して失敗してそこから考えて見つけていくことが大事、まとめるとこういうことかな。
私的に、そこまで目新しい考え方はなかった。
この筆者は、真似ること、知識を借りることを全面的に否定しているように感じたが、わたしはある程度肯定する。
たしかに、意味や目的を理解せず、やみくもに知識を暗記したりやり方を試すのは、できた気になるだけで良くないと思う。
ただ、真似ることで、その根底にある考え方を理解し身に付け、問題解決の手段を増やすことができると思う。
〈「経験は最良の教師である。ただし、授業料が高い」〉
これは大人たちに向けて、これからの子どもたちにはちゃんと考えられるように育つように、学校教育、家庭での接し方考えていこうよってことなのかな。
知識詰め込み型教育を素直に信じて社会に出てからもろに弊害受けてる大人はどうするのがいいのだろう。
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結局のところは、どうすればいいのか次にどんな行動をするべきかはわからなかった。
読書をあまりしない方がよい。知識偏重になるのではなく、現実社会に役立つ知恵をつけようという主張だと自分は捉えたが著者の主張を理解しきれているかは謎。
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現在の日本への憂いには同意するところもあるが、
タイトルの「考える頭のつくり方」が書いてあるようには見受けられない。それ自体は読者が考えるものだ、という本?
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思考は自由である、から始まり、無学の人がアイデアを出せるのは当然と本書にはあるが、ある程度の知識は必要だと思っているので、その部分については賛同できない。
ただし、頭をゼロにする、朝の方が生産性の高い仕事ができる、運動をすると良い、など考えるための生活習慣についても言及しており、一部は参考になると思う。
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1.本を読んでも思考力が上がっている実感がないので、気になった
自分はなぜ考えが浅いのかを考えること
2.知識を多く持つことが重視された現代では、それに伴って思考力が低下している。その理由は、知識から答えを得ようとしているから。
知識がなければ、自分が何をしたらいいのかを考えるので、自ずと考える習慣が身についてくる。また、何も知らないからこそ自分から学ぶという主体性が身につく。
知識過剰の現代では思考力をあげるためには、知識に答えを求めることをやめなくてはいけない。
3.本を読むことを否定気味だったが、的を得ていることは、知識に答えを求めることです。現代にはあらゆる知識(情報)があるため、ちょっと悩んだらすぐに調べてしまう癖がついてしまっている。すぐに解決できるという利点はあるが、自分で答えを出す、つまり、自分で考える作業を怠るので思考力がつかないということです。
そして、これは自分に当てはまることです。私は一時期、毎日一冊という目標を掲げて読書を続けてました。しかし、読むばかりでアウトプットしないことには意味がないと思い、ブクログに登録し、アウトプットを続けています。そして今、本の内容は頭に残ってはいるものの、現実世界にどう活かすか、お客さんに説明する時にどう使えばいいのか悩んでいます。すぐに実践できることが全てではないのでなんともいえませんが、どう役立てるかという思考力が足らないからだと自分の中で結論づけました。
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・朝一番、ご飯を食べる前の頭が一番よく働く
・足だけじゃなく、ての運動、口の運動をすると○
・借りない 自前の技術を増やす
・生きていくということは、職業として仕事をする
ことではなく、そこで生活をすること。
・経験が大切
・なるべく人名を出さず、過去形の動詞を控えて雑
雑談をする
短編的にまとめられていてサラッと読める。前に読んだ同じ著者の本と話がかぶるところが多く、新しい発見はほとんどなかった。頭を働かせるための習慣の復習にはなった。
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現在は、かつてフランシスベーコンが言った「知識の時代」ではない。デカルトがいう「思考の時代」だ。著者は「教養がある人」は言い換えれば「生活体験に乏しい人」と言っている。知識メタボにならないよう、考える力を身につけていきたい。
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知識偏重主義は腑に落ちる。前提の理解は必要だが、解決は思考が必要だと思った。
子供の学習能力は高いのだから、大人と対等に接してあげなくてはとも思った。
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誤り。
知識偏重になるので本ばかり読んでいてはいけない、とされているが基本的なそれらの知識が土台となってはじめて「考える」ことができるのである。
これでは「クリエイティブになりたいから勉強しないんだ」と声高に叫ぶ何者にもなれない愚か者となんら変わりない。
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本の読みすぎ(知識)が自分の発想の妨げになるというは一面はあるだろうけど、空の頭だど「馬鹿の考え休みに似たり」になりかねない気もするが。(多分受け身の姿勢での知識吸収の害を言っているのだろうけど)
かなり偏見な見方だが外山先生以外の学歴なし(極端な話小学校も出ていないとか)の人間が同じ意見を述べても納得させれるのかを考えてしまった。
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知識偏重は良くない。
ただ「考える」うえである程度の知識は必要だと思う。
それは本でもいいし、体験でもいいと思う。体験の方が知識として定着しやすいのはあるのかもしれない。
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「思考の整理学」を拝読したのは、発刊された翌年だったと思います。
「その時、十分に理解できていたのか?」
改めて自分へ問い直すきっかけになりました。
今回、本書を読んで外山先生がどれだけ「思考」の重要さを説いているのか? 理解が深まったと感じております。
自分も仕事などで後輩を育てるときに「知識」を伝えようとしてしまいます。
「大切なのは、そこでは無かった!!」
本書では、その重要な「思考」について掘り下げて知ることができると思います。
多くの親に、そして部下を持つ社会人に、是非とも一読頂きたいです。
本当に「ものごとの見方、考え方が変わるから、、」 と言うと大袈裟でしょうか?
自分にとって、外山先生の本はどれも宝物になりそうです!
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「考える頭」のつくり方
著:外山 滋比古
紙版
PHP文庫 と7 15
考えることについての考察、けっこう辛口である。知識から思考へがテーマである。
■はじめに
思考は自由である
もともと、日本人は理詰めにモノゴトを考えることが好きではないかもしれない。
半分くらいは自分で考えても、多くを相手にゆだねるのが大人だと思っている。
■学ぶことはまねること
古い考えによれば、学ぶ とは、 まねる ということである。
人工知能はなお進化することが可能であるから、人間の知能はのんきに構えてはいられない
■経験値
「経験は最良の教師である。ただし、授業料が高い」
授業料が高いというのは、ひどい目にあるということである。
つまり、失敗が良い教師であるというのである。
■独創
人間が成功を求めて努力するのは、貧しく、不幸だからでもある。
何不自由なく快適な生活をしている人間が、大きく成長できないのは理の当然であるが、目先にとらわれた人間には見えない道理である。
人間が思ったように進歩しないのは、そして、賢くなることができないのは、自分で考え、発見じ、成功しないのは、人のまねをしているからである。
知識がなければ、まねたくともまねることができない。日本の頭で考えるほかない。独創になる。
もの知りは多く独創的でない。無学な人が、発見するのは、むしろ当然である
われわれ日本人の独創性があまり高くないのは、知識が多すぎるからであり、本を読み過ぎるからである。
■知識から思考へ
知識は力なり、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンのことばである
ベーコンは、知識こそ、ものを動かし、ものを作る力があるといったのである
ところが、それから、50年もたたないうちに、フランス人のデカルトが知識より、考える ことのほうが進んでいる、と言い出した。
「われ、ゆえにわれあり」
新しいものを考えるという意味では、フランスはヨーロッパの中でもっと進んでいた。
■流水と伏流水
流行の知識というものは、その時代、その場で、まもなく消えていくけれども、英知になれば長く残っていく
■矛盾、
転石、苔を生ぜず、似た意味で、石の上にも三年 ともいう
日本の国歌のさざれ石も苔がむすまで、じっとしているのがよい、という意味である。
ところが、アメリカでは正反対の意味になるからおもしろい、苔のようなよけいなものがつかず、いつも輝いている、というのである
われわれの生活の中には、矛盾したこと、反対のことが、ごく普通に共存している。
昔の人は、知識の形を、できるだけ、生活の経験に即したものにしていた。それが知恵である。
■ごまかしの教養
世間に通用する力のもとは、知識や教養ではなく、生活の知恵のほうである。
教養ということばにつられて高等教育を受けると、なんとなく人間性が高まったような気になるが、役に��たない知識が増えるだけで、人間的には、むしろ低下していく。
手本に頼っているうちは、その範疇から飛び出すことはできない。
そこから出たら、どうしていいのかわからない。それが今の日本の姿である。
■論文を書く力
・大学の学部では卒業論文を廃止してしまったことろが多い。理由は簡単で書かせても、いまの学生にはどうせ無理だとわかっているからだ。
・自分で論文を書くには、まがりなりにも頭で考えなければならない。ところが、とくに学校の成績がいい学生ほど、途方にくれる。
・自分の頭でものを考える必要はなく、考えたこともない。急に考えろ、というわれても、できるはずがない。
・日本人が論文を書けないのは、考える力がないからだ。
・これを正すためには、一度、日本はだめな国である という衝撃的反省をしなければならない
■考えるを考える
・算数や数学は、頭で考える学科といわれている。けれども、実際は、記憶力でかなりカバーできる
・こどもにとって重要な科目はむしろ理科である。理科をおろそかにしてはいけないのに、先生に理科の素養が足りないため、小学4,5年のころにはみんな理科嫌いになっている。
・日本の大学で「考える」ことを真剣に教えるところは、極めて少ない。教えようとしても、「考える」こと自体がわからないとおいうのだから、話にならない。
・教養のある人は、いつも答えはひとつしかないと思っている。知識というのは、はじめからわかっていることだから、答えはひとつしかない。
・自分で考えるときには、はじめは答えがない。かならずしも、一つの答えに到達するとは限らない。途中で失敗することもある。なんども考えているうちに、何気なく答えにたどり着くこともある。
・迷いつつ考えて、わからなくなり、また考えて最後に偶然に出た答えが発見や発明につながったりすることも珍しくはない。
・思考は自由である。自分で考えた結果であるなら、三通りでも、四通りの考え方や答えがあっても悪いことではない
■我流で生きる
・本からの知識がないと、いわゆるお手本がないから、我流でいくしか道がない。
・我流は我流でも、だんだん磨かれてくる。戦後になって、解禁になった知識がどっと入ってくるようになっても、我流を通した。40歳でも我流なら、60歳でも我流である。
・日本人としては、そう考えなくはないが、日本は文化も技術も、ことごとく、ものまねばかりである。
・日本語でいう、「サルまね」のことだが、その汚名をはね返すだけの実績がいまのところない。
■思考の時代
・20歳すぎればただの人というのは、もとは天才的であっても、この時代あたりで、教わったことを頭に入れただけの知識的人間になってしまうということだ。
・人類にとって、いまは 知識の時代 から 思考の時代 への転換期にある
・知識はもちろん大事だが、その上に新しい知識を生み出していくためには、知識だけでは不充分である。考える力が不可欠でその考える力をいかにして養い、育てていくかは、いまのところ検討がつかないけれど、いずれ手をつけていかないわけにはいかない。
■知識の罠
・エジソンはいろいろなものを発明したけれど、学校の成績はあまりよくなく、数学もできなかったという。
・学校の勉強とはまったくちがう頭の働きで、新しいものをどんどん創り出していったのである。
・エジソンの発明は、いわゆる学問とはちがうというので、なんとなく発明屋のような扱われ方をされている。しかし思考力という点からすれば、非常にすぐれた能力である。
・新しい知識は、経験と思考から生まれる。ただし、その知識は生まれた瞬間、過去のものになる
・それがさらに経験に、もまれて社会に定着すると知恵になる。
・われわけに必要なのは、知識ではなく、知恵をうむための考える力、思考力である。
・自由な発想のためには、すぐれたものをごく少数だけ読んで、あとはよけいなことは知らないでおいたほうがいい
■頭の掃除
・頭の中の清掃にとって、もっとも有効なのが、睡眠である。
・夜は、頭の中にゴミがいっぱい溜まっている。よほど頭のいい人でも夜は仕事を避けなければならない
・朝のまだ胃の中にものが入っていない状態のときに勉強すれば、大変効果がある
■忘却のすすめ
・頭のバケツは完全に空にはならないけれど、なるべくあけておくことがのぞましい
■歩いて考える
・日本には、伝統的に散歩するという考えがなかった。
■体育と理科
・いまの日本の教育の最大の欠点は、体育が不当に軽視されている点である。
■借りるをやめる
・Intellectual honesty ということばがある
・日本の教師、学者、研究者たちにもっと欠如しているのが、この「知的正直さ」であろう
・自分がわかっていることと、わからないことを、自分の頭で区別することなく、わからないことでも、人が言っていることを借りてきて、自説であるかのように書いたり言ったりする
・知識というのはすべて借り物である。自分で考えた知識を、われわれはほとんどもっていない。
・そもそも、学ぶ の語源はまねぶ つまり、まねることである
・よしから借りないで自前でやるには、そうとうな苦労を要する
・ものづくりの原点に返って、だれも作らないものを作れば小さくても生きているのではないか、と思いついたいう。
・お金も知識も、安易には借りないことがかんじんだ。
■道なきところを行く
・自分で進もうとしたら、道なきところを自分で切り開いていくほかない。
・道というからには、すでに誰か人が通って、踏み固められている。だから、目を閉じても安全に歩けるようになっている。
・一方、道なきところを進むのは、たいへんな努力を要する。だが、そうやって進まないと、我が道をつくることはできない。
・歩いたからといって、確実に道ができるとはかぎらない
■失敗という財産
・志ある人はあえてエスカレータを避け、リスクを承知の上で、自分だけの道を切り拓こうと努力する
・道なき荒野を苦労して歩いた一生というのは貴重である
・学校で勉強したことは、社会ではほとんど役に立たない
・失���した経験というのは、たいへん大きな財産になるうる。
■天賦の才
・記憶力は比較的長く残っているが、それ以外の感覚的な能力は、使わずにいると、しだいに失われていく
■パブリックスクール
・家庭から離れて育つ というところは、一般からすればよくないことだろう。
・家庭のほうが、子育てには適しているのではないか、とみんな思っている。
■マイナス経験
・若いときの苦労は買ってでもせよ、苦労というマイナス経験が人間の成長には必要だとうことを知っていたからである。
・いつもプラスだけの環境では強くなれない
・相手とぶつかり合って勝とうとするスポーツでは、かなり心理的なたくましさも必要になる。
・また、チームの中でうまくはたらくためには、適応性が欠かせない。
■人間を成長させるもの
・文明をおこさなければ、過酷な自然に対抗できない。
・自然に、勤勉で、堅実で、努力をするようになる。
・その結果、文化が発達し、経済力もつく
目次
はじめに
1 自分の頭で考える力
2 頭を整理する力―思考しやすくするために
3 直観的思考力―マイナスだから強くなれる
ISBN:9784569767840
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:184ページ
定価:620円(本体)
発売日:2018年03月15日第1版第1刷
発売日:2018年06月26日第1版第2刷