紙の本
このぐらいの「超訳」だと、「木よりも森」がよく見える。直訳の読破に敗れた人にもお勧め。
2012/07/25 17:04
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「14歳の教室」という、「十代の若い世代に向けて」書かれたシリーズであるが、専門書に初めて向かうにはとてもよい一冊だと思った。本書の執筆動機としても書かれているが、専門の原著はたいてい難しい。ダーウィンの本書は、おそらくダーウィン自身の文章や性格も原因なのであろう、有名な一冊である割には「読んでもよくわからない」とあきらめた人も多いかと思う。
本書はそんな原著を大胆に訳してあって取りつきやすい。といっても「面白おかしく」解説してあるわけではない。14ある章立てもそのまま。各章内での文章や説明の順序などはかなり変わっているし、多くの引用例(説明がつづくので、原著が退屈に感じられるところである)は大胆に省略されている。原著以後の生物学の発展でかなり知識も変化した遺伝のしくみなどについては、訳者が「現代ではかなり解明されている」などの注を入れている。入れ方は適切で、文章の流れをあまり邪魔せず、しかしそれを頭において読み進むことができる。
このぐらいの「超訳」だと細部よりも大まかな主張がつかめるので、著書全体の方向はかえってよくわかる気がした。「木をみること」よりも「森がみえる」といえばいいだろうか。
本書の直訳を読破できなかった人も、本書を読んで大づかみに理解しなおしてもう一度挑戦すればよくわかるのではないだろうか。「14歳の教室」ではあるが、大学生、あるいはそれ以上でも「進化論」に関心があり、原書にいきなりをためらっている人にはお勧めである。
訳者のまえがきはかなりな量があり、ダーウィンと本書についての概要説明になっている。「ダーウィンの進化論」について知らなかった人も、これだけ読めばずいぶんわかる。
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適者生存のワナ
2016/10/21 15:28
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投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
「種の起原」をハジメテ読みました。超訳ですが、直訳よりダーウィンのロンシがクリアになっているような気がします。で、適者生存のシソウ的背景にビックリ。ヒトが、地球上の環境(グローブ)で、最もシンカした(最もエライ)イキモノだといってる。さすが、英国紳士。
でも、サルからヒトがヘンカするのに、カクトクしたのは、ゲンゴ(フクスウのコトバのクミアワセ)によるコミュニケーションと老化、失くしたのは、グローブのコエを聞くミミと体毛ですね。で、聞くミミ持たないので、グローブがヒメイあげてるのをムシしてる。グローブにしてみれば、失くしたキノウのほうがオオキイので、タイカでしょう。
ヒトが爆発するイゼン、グローブはアンテイしてたので、セイブツの表現型もアンテイしていた。つまり、ヒトがゴローブをヒトの住める状態に保っていれば、ほかのセイブツの自然選択は、ヒトが引き起こすヘンカに対応するだけ(たとえば、ドードードリ)。ヒトも同じだけど、ヒトはグローブをコントロールできるので、ヒトがヒトじゃなくなるほどのヘンカは起こさない。しかも、ゲンゴによるコミュニケーションを使ったチシキによるシンポも頭打ちみたいです(あたらしい情報がない)。ヒトコトでいうと、完璧な status quoです。ということで、グローブのコエを聞きたいなら、イマあるキノウ(カガクかな)で、カンサツするのがゲンジツテキかな。ちなにみ、サルたちも、エヅケされてて、ミミなくしちゃってる。
ヒトのレキシは、隠岐の島後で、ナマエ、ゲンゴ、キモノ、テツ、コメヅクリ、越前で、カミ、モジ(バベルの塔)、Keralaで、スカート。スカートが日本に来たのが、クロブネと同じとして約150年マエ。ってことは、レキシをカミにキロクするようになって、200年から300年ってとこでしょうね。それイゼンは、「She said. He said.」です。ちなみに、Apple IIから、iPhoneまで約30年。
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「読書している」という気分でよんでもらいたいという願いで訳された「超訳」種の起源。「種の起源」を初めて読みましたが、わかりやすく読み易かったです。150年も前に書かれたこの本が今の世の中でも基本的に正しかったと認められ、読み継がれているというのはすごいなぁ。全部が全部理解できた訳ではないけれど、どのように生物が進化し分布したのか、自然選択とは何かなど、根拠を示した説明に納得できました。全体を通してダーウィンの冷静な目というものが感じられました。当時生物は神の創造物というのが定説だった中、根拠を求めて調べ、「殺人を犯したと告白するような気分です」と友人に打ち明けながらも、進化論を発表した彼は素晴らしいと思いました。
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言わずと知れた人類の知識遺産とも言える、ダーウィンの進化論。「14歳の教室」というシリーズの本なので、中学生くらいがターゲットなのであろうが、大人でも十分読むに耐える内容。いや、むしろ自分のような無学のものには丁度良い難易度だ。
生物の進化は、自然界の限られたリソース、例えば食糧であったり場所を奪い合うために、より有利な特質を備えた個体が生き残ることによる、自然選択の結果だというのが基本的な要点である。ハーバードBスクールのゲマワットの企業戦略論講義には度々、企業の競争を自然界での競争に例えて解説がされているが、進化論はまさしく競争の本質を表している。無論、企業間による競争には、法的規制や倫理等の要素も考慮されるため、完全に同一ではないものの、環境の変化に適応できる種だけが生き残り子孫を残す事ができるという本質は共通である。
最後に訳者によるコラムが古いカセットテープの写真と共に掲載されていのが象徴的である。エアチェックという言葉と共に消え去る運命を誰が当時想像した化という事を。懐かしさを感じると共に、19世紀に著された進化論で語られているコトが、現代の企業戦略にとって極めて身近であるということを印象づける。
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『種の起源』を読むために
電脳会議 VOL148 → http://gihyo.jp/book/pickup/2012/0027
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今や定説の進化論も、「世界は創造主により生まれた」と信じる人びとに対し、一つ一つ論破していくように書かれていることから、当時のダーウィンの勇気の程を感じる。
また、進化論説を裏付けるために登場する、膨大な観察・研究結果は、様々な生物のおもしろい生態と、変化の歴史を見せてくれる。(その数を想像すると、気が遠くなるけど。)
超訳のおかげで、進化論の要点はバッチリ。『種の起源』の価値の高さも納得。150年前にしたら衝撃、今でも驚きの進化の過程は、神様が短期間に世界を作るより、もっともっと多様で、深みがあって、生き物の物語としてすばらしい!
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進化論で有名なダーウィンの『種の起源』。池上彰氏の『世界を変えた10冊の本』にも選ばれており、ぜひ読みたかったのだけど、難解なので手を出せずにいた。
そこで登場した超訳。見つけたときには、書店でニヤリとしてしまいました。
超訳のいいところは、最初に作者や時代背景について説明があること。
地球上の生命は全て神(創造主)がお作りになった、人間は最初から人間として作られた・・・と信じられていた時代に、生命の起源は1つで長い時間をかけて今ある姿に進化した・・・と真っ向から神を否定する進化論。
この衝撃は、コペルニクスの天動説以上だと思われ、
ダーウィンの『種の起源』が世界に与えた影響の大きさに感服。
当然批判もあるけれど、彼の説は論理的でわかりやすい。
超訳の読みやすさも手伝って、一気に読めた。
ついでに、小学生の教科書のような文体のレイアウトも好き。
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ダーウィンの『種の起源』。有名な本なので一度は読んでみたいと思っていた一冊。
本書は”超訳"という事で非常に読みやすい。
すべての生物は創造主が創ったという説が主流であった世の中で、一つの種類の生物が自然選択により変化し多種多様な生物が生まれた、所謂進化論を提唱したダーウィンの勇気、そして功績は大きいと思いました。
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チャールズ・ダーウィン著/夏目大訳「種の起源」技術評論社(2012)
学校で習ってはいたが種の起原を実際に読んだ事はなかった。そのため、多少の興味と共にこの本を手に取ってみた。種の起原は、1859年の初版刊行後、最新の研究成果を盛り込んで何度か改訂。最終版は1872刊行の第6版である。種の起原で言われている事を要約するのであれば、以下の3点である。(1)現存するすべての生物ははるか過去に誕生した1種類の生物の子孫である。(2)その1種類が長い時間をかけてさまざまに変化することで強のような多種多様な生物が生まれた。(3)生物は自然選択の作用によって変化する。
*「種」には、「変種」というものがある。ある生物には似ているが、少し違う生物。ただし「別の種」とよぶほどには違いがない生物は「変種」と呼ばれている。明確にはその区別は決まっていないが、(1)2種類の生物を掛け合わせると雑種が生まれる。(2)その雑種は生殖能力を持っている。という2つの条件が満たされるのであれば変種ということになっている。一方で、「掛け合わせても雑種がうまれれない」「仮に生まれてもその雑種には生殖能力がない」ということであれば「別の種」というわけだ。
*注意すべきなのは、自然選択による変化の速度が人為選択に比べて非常に遅いという事である。人為選択による変化は1人の人間が一生の間に確認できるほどの速度で起きる。
*自然界の生物についても言える事だが、理由はわからないがともかく一般に生物は血縁関係の遠いものどうしが交配したほうが健康で繁殖力の高い子孫が生まれる。
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超訳なのでわかりやすい。
できれば、縦書きで読みたかった。教科書を読まされているような気分になるので。中学生向けらしいが、もっと挿絵多いほうがいいかも、と思う。
原著を読んでないので憶測だが、新書によくあるような目を引くようなサブタイをつけて、中身は常識的に知っていること、みたいなからくりがあって、笑う。
今でこそ当たり前だと思う真理でも、この時代は、学説を打ち立てるだけで命がけだったのだな、という背景が前書きでよく分かったのはよかった。
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原典は一度挫折したのでこちらを。14歳でもわかるをコンセプトに書かれているようで、大変読みやすいし面白い。本編に行く前にダーウィンの経歴をさらってくれるので勉強になる。
相似器官と相同器官の違いがわたしはあまりしっくりきていなかったのだけど、自然選択にさらされるかどうかの違いと書いてあってすっきり納得。だから幼い頃のほうが種間の違いが現れにくいのだ、という話にも頷ける。
話の内容は現在の見解とほぼ間違いがなくて、これだけ昔に、しかもキリスト教圏で書かれたものとは考えられない。改めて偉大。
でも中間形の化石が見つからない、という反論に、化石はそもそもほとんど残っていない、という返しは、まあそうなんだろうけど少し弱い気も。このあたりは今も諸説あるはず。ストーリーとしてよくできているけど、まだまだ謎も多いのだな。タイムマシンが欲しい。
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帯文:”150年前、もしダーウィンが『種の起源』を書いていなかったら、世界はいまとは違っていたかもしれない”
目次:訳者まえがき、本書について、第1章 人為選択、第2章 「種」とは何か、第3章 生存競争、第4章 自然選択、第5章 生物変化の法則、第6章 学説の抱える問題、第7章 本能、第8章 雑種、第9章 なぜ化石が足りないのか…他
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原著は翻訳版も少し読みにくいらしいが、超訳版なので読みやすい。生物を会社に読み換えると、非常に示唆のある話になる。似たようなもの同士の生存競争は同じリソースを奪い合うことなので激しくなるというのは、色々な事に当てはまる。人間がジャングルに住んでいた時代、殺されるのは巨大生物よりも同じ人間だったという内容を他の本でも見たが、そういう事なんだとわかった。読み換えて考えるととても面白い本です。
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言わずと知れた人類の知識遺産とも言える、ダーウィンの進化論。「14歳の教室」というシリーズの本なので、中学生くらいがターゲットなのであろうが、大人でも十分読むに耐える内容。いや、むしろ自分のような無学のものには丁度良い難易度とも言える。
生物の進化は、自然界の限られたリソース、例えば食糧であったり場所を奪い合うために、より良い条件の特質を備えた個体が生き残ることによる、自然選択の結果だというのが基本的な要点である。ハーバードBスクールのゲマワットの企業戦略論講義には度々、企業の競争を自然界での競争に例えて解説がされているが、進化論はまさしく競争の本質を表している。無論、企業間による競争には、法的規制や倫理等の要素も考慮されるため、完全に同一ではないものの、環境の変化に適応できる種だけが生き残り子孫を残す事ができるという本質は共通である。
最後に訳者によるコラムが古いカセットテープの写真と共に掲載されていのが象徴的である。エアチェックという言葉と共に消え去る運命を誰が当時想像したかという事を。
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生物学をかじっていると、必ず出てくるのが「種の起源」であり、進化論だ。
しかし原著を読むのもなかなか…と思って探していて見つけたのが本書だった。
現代風の訳、注釈での解説、そして付録として現代における進化論が追記されており、とても読みやすい。150年前、ダーウィンが気付いたことがまとめられた種の起源は、今の進化論の考え方と基本的には違っていないという記述で、彼の偉大さに気づかされるのだ。