ガディアムさんのレビュー一覧
投稿者:ガディアム
2017/05/20 23:19
3巻目
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1巻を読んだ時点では、農場からの脱出方法について、発信機を耳ごと刃物で切り落とせば良いのではと考えていたのですが、まさか刃物が存在しないとは驚きました。
農場(孤児院)の食事を、大人1名+子供達だけで調理できるのかと疑問だったのですが、レトルト食品と瓶詰の食事だったとは・・・。1巻の時点で、食料庫に異様に大きな瓶詰が置いてあったのは、この伏線だったんですね。
社会で生きていく必要がない(そもそも許されていない)家畜だからこそ、料理について教えられていない。レトルトの食事(餌)が、子供達にとっての「当たり前の世界」。
本巻の中でイザベラが示した、暖かい世界で真実を知ることなく死んでいける幸せな人生というのは、一面では正しい意見なのでしょう。
農場という揺りかごからの脱獄が果たせるのか、脱獄後の過酷な世界でどう生きていくのか、今後も楽しみな作品です。
2018/12/28 23:08
アニメ視聴と並行して、原作を読んでいます。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本作のアニメ視聴と並行して、原作を読んでいます。
非常にきれいな絵柄,丁寧な人物描写などにぐいぐいと惹きつけられます。
各話の最後のページのおまけイラスト,表紙カバー裏のおまけ漫画など、白紙の部分が全くない作り込みも見事です。
2019/12/20 22:27
最終巻
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お互いの好きだという告白を最終巻序盤で行い、1冊丸ごとを後日談的なエピソードでまとめています。
コイバナに花を咲かせる友人達を見ながら恋人のことを友人達にも伝えられたらと感じていた高校1年時の侑と、最終話で大学生(3〜5年経過しているはず)の侑と友人達の会話が対になっていたり、ラストシーンが本物の星空に手を伸ばそうとする描写(プラネタリウムの星,「私は星に届かない」との対比)だったりと、場面ごとのつながりがとても良いです。
恋人であることを隠したまま同居するのではなく、大学を卒業してから恋人であることを親に伝えて同居したいと考えている描写があることも、作品内の時間の流れを感じさせます。
(明言されてはいないですが、親にはまだ伝えていないようです)
本編で語られていた約半年間の恋愛(特に2巻ラストから4巻は地獄のような内容となっている)を経て、「時間の流れに区切りはない・・・」と数年後の最終話につなげ、その先に続いていくことがわかるラストは見事です。
小ネタとしては、
・各話のタイトルを見比べると、複数のタイトルがセットになっているものが多いことに気づかされます。
・7巻で「2階席までお客さんを入れたい,人を雇える位お店を繁盛させたい」と語っていた都の喫茶店が繁盛している。
・5巻の水族館エピソードで登場後、度々登場しているキーホルダー。
一人一人の心情描写も、風景も、本当に見事に描き切った良作でした。
2019/12/20 21:56
7巻目
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「好きな人に告白した、告白に対する返事をもらった」という言葉にすればただそれだけのシーンを、登場人物の心情、背景の風景描写をとても丁寧に描いています。
沙弥香の告白に対する燈子の返事からは、この2人が恋人になっていた可能性があったことも分かるだけに、とても切ないです。
沙弥香の背中を押してくれている都が主役の話では、「同居している恋人の収入に頼っているのではなく、経営している喫茶店を繁盛させて、恋人が多忙な教師の仕事に疲れてしまった時に収入面で支えてあげられるようになりたい」という都の願いが語られています。
高校生の恋愛以外に、大人視点の恋愛もしっかり語られているのが見事です。
以前から気になっていた喫茶店の、吹き抜けの2階席がある,食器や調度品が揃い過ぎている(=賃貸,持ち家のどちらでも初期投資費用などが若い店長の出せる額ではないはず)という疑問についても、親から引き継いだらしいエピソードが語られていました。
最終巻が楽しみです。
2019/01/31 23:50
アニメ視聴と並行して、原作を読んでいます。
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4巻終盤の燈子のセリフ「私は自分のことが嫌いだから」「私の嫌いもののことを好きって言ってくる人のこと好きになれないでしょ?」
けれども誰かと一緒にいたい、だから自分のことを好きにならない人と一緒にいたいという矛盾した心情、これが第1話で燈子が侑に告白した理由なのでしょう。
それ対して侑が飲み込んだ言葉
(先輩だって私の・・・・・もののこと嫌いって言わないでよ)
[セリフの一部が別の吹き出しに隠れて意図的に読めなくされている]
本当に、この作品は哲学的とも言える内容の心情描写がなされています。
2巻終盤と同様の袋小路のような状況ですが、侑は現状を変えたいと考え、おそらくは燈子もこのままではいられないことを理解しているのでしょう。
この先の変化がどう動くのか、楽しみですが、とても怖いです。
一方で、ほのぼのした場面としては、合宿での入浴シーン,寝室のシーン。
同性間恋愛で直面する場面を、非常にストレートに描いています。
また、アニメではキャラ1人ずつ心情を独白しているシーンを、見開き1ページで3人がそれぞれ独白している描写は、漫画だからこそできる描写で見事です。
表紙裏の漫画で、堂島君が先輩の手作りカレーに大喜びしている描写に大笑いしました。
2018/12/28 23:00
地獄の始まり
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本作のアニメ視聴と並行して、原作を読んでいます。
2人のやり取りに腹を抱えて笑ってしまった9話(よくぞここまでのやり取りを描いたというバカップルぶりでした)に続いて、燈子が交際相手に求める願いが明らかになる10話および十話の内容に凍りつきました。
「こんなあなたが好きですというのは・・・」という燈子の考えに続いて紡がれる「大好きだよ、あなたはずっとこのままでいて」という狂気の言葉。
良くも悪くも作品への見方が変わるエピソードです。
相思相愛のはずなのに、このままでは地獄しか待っていないという恋愛がどう決着するのか楽しみです。
2018/12/28 22:47
表面的はほのぼのしていますが・・・
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2巻ラストで地獄の始まりを覚悟していました。
本巻も雰囲気はほのぼのしていますが、所々恐ろしいやり取りが潜んでいます。
体育祭の部活動対抗リレーで燈子が異様に張り切っていた理由が、運動部の女子と張り合っているからだったという年齢相応のやり取りに、安心しました(姉絡みじゃなくて良かった・・・・)。
生徒会男子2名が燈子と一緒に盛り上がっていて、普段は献身的に支えている女子2名のテンションが低いのが意外でした(手を抜いて燈子が壊れない場面だからでしょうか)。
4巻でいよいよ始まるらしい生徒会劇も楽しみです。
2017/05/20 22:21
見事な群像劇です
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今作の聖杯戦争は、マスターとサーヴァントだけで13組、マスターの何組かは私兵集団や組織を抱え、マスター以外に介入する人物も登場するという、登場人物と勢力の多さが特徴です。
作者の他の作品の特徴でもある群像劇が、大変見事に描かれています。
2017/01/31 22:08
今回も楽しめました
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今回、イラスト付きの16名のほとんどが既登場のキャラという、在庫一掃セールかと思うような冒頭のカラーページ。
ただし、実際には名前のみの新キャラも登場し、多数の魔法少女による戦争となっています。
本シリーズは、各巻毎にフィールドも背景も異なるバトルロワイアルなのですが、今回も毛色が違っています。
誰とでも仲良くなれるプクブックの計画と、それを正しいことだと『信じている』魔法少女達の狂気が、すごいすごい。
あと、JOKERでは完全な悪役だったシャッフリンですが、別個体のシャッフリンはいじめられて泣いているシーンがあったりと、かわいいキャラになっています。
そして、ずっと暗躍していたピティフレデリカ,3代目ラピスラベリーヌが、まさかという形で登場しています(特に3代目ラピスラベリーヌの偽装には全く気がついておらず、茫然としました)。
彼女達が積極的に介入していれば、本作内の犠牲はずっと少なかったはずなのですが、だからこそ彼女達はこのような介入をしてきたのでしょう。
果たして、彼女達は今後どのような形で決着するのか楽しみです。
2017/01/31 21:46
魔法少女作品への愛が伝わってきます
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ラピュセル視点から見た魔法少女達の魅力(?)をまとめたエピソード,
魔法少女達がセリフや決めポーズの練習をするエピソード,
マスコットの視点から見たアニメ作品としての各魔法少女の評価など、
本作の魔法少女達が抱く「フィクションとしての魔法少女」に対する憧れ,こだわりには非常に共感できました。
(残念ながら、本シリーズは「良い子の魔法少女」とは真逆の内容ですが・・・)
また、巻末の絵コンテに、作中に登場するアニメの魔法少女「キューティーアルタイル」が純白の衣装と笑顔で描かれていて、性格などに相当問題があるらしい「リアルのキューティーアルタイル」とのギャップに笑えます。
紙の本異世界食堂 2
2016/07/24 21:45
2巻目
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相変わらず、料理のおいしそうな描写が見事です。
今回、異世界食堂の客同士のつながり、異世界の世界観、異世界食堂が存在している「ねこやビル」の飲食店同士のつながり等、作品世界全体の設定の描写も増えています。
3巻目も楽しみです。
2016/05/14 21:50
3巻目
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スピンオフ作品の3作目。
多数のマスター,サーヴァントが入り混じりながら、いずれも強力な個性を放つ群像劇となっています。
また、Fate本編(ゲーム),関連小説,アニメなどでも直接は出てこなかった、第5次キキャスターのマスターの本名,第4次バーサーカーの法具の逸話など、情報が盛りだくさんです(公式設定なのか本作の筆者の創作なのかは不明ですが)。
マスター,サーヴァント間の戦闘も本格化の兆しが見えており、次巻が楽しみです。
スピンオフでありながら、本物を喰ってしまいかねない面白さとなっています。
紙の本プリズマ☆イリヤ3rei!! 7 Fate/kaleid liner (角川コミックス・エース)
2016/05/14 21:41
7巻目
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今回は、美遊のいた世界の過去話(ただし次巻へと続いています)。
Fate本編は、切嗣が士郎を養子にした時点で世界救済を諦めた結果として、士郎に中途半端な魔術の知識を与えたままいびつな存在にしてしまった世界。
本作の美遊のいた世界では、切嗣が士郎を養子にしながらも世界救済の可能性を求めた結果として、士郎が切嗣のいた流血の世界により踏み込んでいる世界。
こちらの士郎の方がまともに見えるのは、世界に代えても守りたい妹がいたからなのでしょうか(Fate本編では第3シナリオがそれに当たりますが)。
一方で、世界と妹(エリカ)であれば妹の方を選ぶと言いながら、世界の救済を目指しているジュリアンの立ち位置は、士郎の鏡写しのようです。
この過去話と、イリヤ達も交えたこの後がどう決着するのかとても楽しみです。
紙の本ソードアート・オンライン 17 アリシゼーション・アウェイクニング
2016/04/30 15:27
扇動PKの恐怖
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リアルワールドからのプレイヤーが多数参戦してくる本作。
前回の引きでは、日米プレイヤー対決で終わるかと思いきや、それ以外の国からの参戦も行われ・・・。
特に目を惹くのは、旧SAOから参戦した敵プレイヤー。多数の外国人プレイヤーの敵意を煽ることによる扇動PKの恐怖。
次回以降、このプレイヤーとの決着がどうなるのか実に楽しみです。
(ちなみに以降のストーリーには未搭乗のままでしたが、アニメ版1作目の74層の群衆の中にいた黒ポンチョのプレイヤーは、このキャラだったのでしょう)
紙の本ソードアート・オンラインオルタナティブガンゲイル・オンライン 4 サード・スクワッド・ジャムビトレイヤーズ・チョイス 上
2016/03/13 16:33
相変わらずの面白さ
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3巻までで完結かと思われていた本シリーズの4巻目。
前回のSJ2大会で敗退したプレイヤー達の熱い再登場もあり、なかなかに楽しめます。
特に、あるプレイヤーは、対人戦闘(というよりも一方的なPK)に特化した「炸裂弾」をゲーム内で自作しているという凶悪ぶり。炸裂弾についての詳細な解説も書かれています。
※同じ著者の「キノの旅」1巻でも炸裂弾を自作しているシーンがあり、著者のお気に入りなのかもしれません。
このプレイヤーは、前作とプレイスタイルが変化しており、それだけでも必見の価値があります。