honto+インタビュー vol.21 安藤忠雄

注目作家や著名人に最新作やおすすめ本などを聞く『honto+インタビュー』。
今回は、国立新美術館開館10周年「安藤忠雄展―挑戦―」開催を記念して安藤忠雄さんが登場。

「建築を通して、希望や夢の大切さを伝えたい」

大規模個展を開催中の建築家が語る、これまでの歩み。そして、本のこと。

―「建築を通して、希望や夢の大切さを伝えたい」

建築を志しておよそ半世紀。世界を股にかけて活躍する安藤忠雄さんのもとへ、あるとき個展開催の依頼が舞い込んだ。東京の国立新美術館、青木保館長からのオファーだった。
「青木さんとは旧知の仲ですし、やりがいのある話。ありがたくお受けしました。ただ正直なところ、『はたしてできるかな』と最初は思いましたが」
というのも同館は、日本有数の広大な展示スペースを誇る。建築展はふつう、建築模型や写真パネルを中心に構成される。広い場所を埋めるのはなかなか難しいのだ。
「展示室は600坪もあるというのです。それを聞いてむしろ、『よしやってやろう』と肝が据わりました。何事も、勇気を持って道を切り拓いていかないと始まりません。どんな建築を手がけていたって、悪戦苦闘するのはいつものことですしね」

実際に完成した会場は、バラエティに富んで見応えあり。まずはこれまで手がけた膨大な住宅のうちの数十例が、模型や写真パネルでずらりと並ぶ。何もない場を「アートの島」へ生まれ変わらせんと30年来取り組んできた瀬戸内海の直島は、だ円形の大きなインスタレーションで表現。
イタリア・ヴェニスにある「プンタ・デラ・ドガーナ」やフランス・パリで進行中の最新プロジェクトも、精巧な大型模型で紹介してある。
「これだけの数の模型、いったいうちの事務所のどこにしまい込んでいたのか(笑)。不思議に思うくらいの物量になりました」
さらには、屋外のテラス部分にまで展示を用意。代表作「光の教会」が、なんと1分の1スケールで建ち上がっている。
「建築はやっぱり、実際に体験してもらわないといけませんから。本物と同じ、コンクリートで造りました」
圧倒的な質と量で、建築ファンのみならず老若男女が楽しめる展示。安藤さんとしては、とくに子どもたちに観てもらいたいとの思いが強い。
「私は建築を通して、希望や夢を持つことの大切さを伝えたい。そのあたりを感じ取ってもらえたら何よりです」
小さいころは展覧会に足を運んだりと、実体験を重ねることがやはり重要なのですね?
「そうです。それに私は、本にもたくさん触れるのがいいと思う。本の世界に遊ぶことで、希望や夢を大いに膨らませることができますから。私も若いころに幸田露伴『五重塔』や和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』を読んで、建築に対する希望と夢をかき立てられたものですよ」

読書は、年を重ねてからの楽しみにつながるとも言う。
「最近、安部公房や大江健三郎の小説を読み返しています。昔読んでわからなかった部分も、いま読むとしみじみ感じ取れますね。そういう楽しみ方をするためにも、若いうちから多読しておくべき。それがかけがえない自分の財産になるものですよ」

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著者プロフィール

安藤忠雄(あんどう・ただお)

1941年大阪府生まれ。独学で建築を学び、1969年安藤忠雄建築研究所設立。「光の教会」「ピューリッツァー美術館」など国内外に建築例多数。

主な著作

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お知らせ

安藤忠雄さんインタビューが、フリーペーパー『honto+(ホントプラス)』の2017年11月号に掲載されています。無料の電子版を是非ダウンロードしてください。

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