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ジーヴスと封建精神
著者 P.G. ウッドハウス,森村たまき
バーティー、またもや婚約か!?
お相手は、灰色の脳細胞が破裂寸前までオツムに詰まったあの閨秀作家のフローレンス嬢!?
お笑い街道を大ばく走する、シリーズ第9弾。
ジーヴスと封建精神
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紙の本ジーヴスと封建精神
2009/01/30 23:23
婚活せずとも婚約できる!? 英国貴族の悩める日常
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもいつも、自分の恋愛感情とは全く別のところで婚約させられたり、キスさせられたりしている有閑青年バーティ。今回も例に漏れず、彼を陶冶しようと待ち構えている作家のフローレンス嬢と婚約し、彼女と婚約していた元警官で大学時代の腐れ縁・ダーシーから恨みをかってしまう。絶体絶命の危機なのだが、バーティも慣れていて、「僕くらいしょっちゅう婚約してそのたび間一髪のところで処刑台から救出されてきたって男は、自分の生まれ星を信じるようになるんだ。本当に祭壇に向かって歩いて、オルガンが『おお、まったき愛よ』を演奏し、聖職者が<汝はこの者を妻とするか?>って言う時まで、本当に負けと決まったわけじゃないって彼は思うんだよ。(p198)」なんて暢気なコメントを。結婚を一度もしてないのに、そんなに冷めてしまっていいのだろうか?
さて、バーティの予想がそのまま通るはずもなく、婚約はなかなか解消されない。更に、口は悪いが彼を愛しているダリア伯母さんが厄介事を持ち込んできたり、逃げ回っていたダーシーがフローレンスを追ってきたりとトラブルのオンパレード。さてそこで頼りになるジーヴスは、仲間との会合のために、大事な時にロンドンに戻ってしまっている。さあ、どうするバーティ?
暢気で気の良い有閑階級があたふたする中、執事のジーヴスが鮮やかに事件を解決する逆転現象が面白い英国ユーモア小説。
それにしてもジーヴス、以前はバーティの服装をやり玉に挙げていたけれど、今度は口ひげを剃って欲しいと無言の圧力を。人を好きになるということは、まんまその人を受け入れるということなのに、ジーヴスは果たしてバーティを愛しているのだろうか?