旅中毒のすすめ――私が真っ黒な炭の塊になる日まで
【honto独占配信タイトル】
選考委員(蔵前仁一氏、宮田珠己氏、たかのてるこ氏)絶賛! 2014年から15年にかけて開催された地球の歩き方創刊35周年企画「20代の旅レポ大賞」を見事に射止めた作品を大幅に加筆、改稿。職業は精神障害者専門の相談員。性格は陰気で根暗。友人は少数。休日はひたすら睡眠か読書。英語は全く喋れない。特技は尻を拭いていい草とダメな草を瞬時に見分けられること。それに肛門を汚さずに大便できること! こんな「私」が強迫的清潔主義大国日本を飛び出し、カンボジア、インド、パプアニューギニア、フィリピンへと旅立ちます。カンボジアでは路傍の両替商と一時間の攻防。インドではバラナシの火葬場で人生の目的を考察。パプアニューギニアでは手ぶら同然の旅を敢行。フィリピンでは失くしたリュックを探して地元民の家に突入。およそ常識的な旅行者なら、まず出会わないような事件の数々を軽々とクリアしていく「私」の姿には驚かされるばかり。当初はある意味の「自分探し」の旅だったはずが、旅の果てにたどりついた結論は、人生が終わる時、火葬場で真っ黒な炭の塊になる時に「あー、楽しかった」思えるかどうか、ということに。旅行記、旅エッセイの世界に新風を吹き込む新星の登場です。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
評価内訳
- 星 5 (0件)
- 星 4 (0件)
- 星 3 (0件)
- 星 2 (0件)
- 星 1 (0件)
2015/11/08 23:01
ただの旅本ではない
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
たくさんの旅本はあるが、この本はただ旅の珍道中を書いているわけではなく、むしろ旅の出会いから感じた衝撃やぬくもりを筆者が吸収していく様を表現していて、一種旅の指南本でもあり、小説のようであり、それでいてノンフィクションであるという新鮮さがある。旅に興味が無い人や、一人で旅行に行くことなんて自分には一生ないと思っている人にとっても死生観についてなど誰もが楽しめる内容になっている。僕は旅好きなのでこれを読んでまた旅に出たくなりウズウズしてきた。まさに中毒を再燃させてくれる厄介ではあるが一読の価値のある本だった。