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火城
著者 高橋克彦
嘉永三年、黒船来航を三年後に控えた幕末の時代――佐賀藩士・佐野栄寿の心にあったのはただひとつ、当時最先端の科学技術で蒸気船を造ることだった! 大胆な戦略と心を揺さぶる「涙」で藩主を説き伏せ、超一流技術者からくり儀右衛門を巻き込み、日本初の蒸気船を造り出すまでの波乱の半生! 江戸から明治、そして現代まで通ずる飛躍的な技術革新の裏側に暗躍し、命を賭した男たちの熱き物語。
火城
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紙の本火城
2002/01/04 08:48
技術日本のはじまり
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投稿者:南亭骨怠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高橋克彦の最初の歴史小説。「超能力や宇宙人の出てこない歴史小説を書いてみたい」ということで書き始めた小説だ。史実をふまえ,その中に著者のアイディアを盛り込み物語を躍動させていくのは高橋克彦の得意とするところ。
しかし,最初の歴史小説ということで,後の作品に比べ忠実な歴史ということに重きを置いているようで盛り上がりには欠けるところがある。
とは言うものの,幕末の佐賀で蒸気船を作ろうとする男たちの物語はどんどん引き込まれていく。坂本竜馬以前に藩を越え,日本を考えて行動していた男たちがいた。武士という身分にこだわらず,商業の発展を考えた男たちがいた。自分の立場ばかりを考えない無私の心。日本人として,この気概を知らないわけには行かない。