電子書籍
堕天使達のレクイエム
著者 尾崎 豊
二人は抱きしめ合って一つになり、地上に舞い降りた片翼の天使だ――。不毛な愛欲に身を焦がす恋人達の孤独な姿に、失うことの悲しみと再生への祈りを込めた、尾崎豊、最後の小説。
堕天使達のレクイエム
05/23まで通常462円
税込 231 円 2ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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紙の本堕天使達のレクイエム
2004/03/25 22:55
BLUE(ATributetoYutakaOzaki)
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投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『尾崎豊 夢のかたち』(文春文庫PLUS)の著者・柴田曜子さんは書いている。
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***
須藤晃さんがプロデュースした尾崎豊のトリビュート・アルバム<Blue>を聴きながら書いている。
<全てのものが置き換えられた幻想の中で>(Love Way)というフレーズに、ついさっきまで読んでいたボードリヤールの『パワー・インフェルノ』という、9.11について書かれた文章を響かせながら、大森洋平さんという名前すら聞いたことのなかったアーティストの歌を聴いた。
宇多田ヒカル(さん)が17歳のときに歌ったI Love Youの、切なげに強く揺らいでいる声に、体の奥の奥を抜けて宇宙的な広がりのなかで響き合う「ふたりの」歌が聴こえてくるようで、震えと鳥肌と涙の匂いが、僕の体のなかで出口を求めていた。
175R(ひゃくななじゅうごあーるではなく、いなごらいだーと読むということぐらいは、僕も知っている。……たしか、そうだったよね、ちがったかな、もしかして? ときどきとんでもない間違いをしてしまうから、僕は…)の歌うSeventeen’s Mapは、僕がふつうの会社に就職して、その歓迎会で歌って良識派(?)の上司やらセンパイのひんしゅくを買ったような記憶のある曲だ。
<何ひとつ語れずに うずくまる人々の 命が今日もまたひとつ 街に奪われた 憎しみの中の愛に 育まれながら 目覚めると やがて人は大人と呼ばれる 微笑みも 戸惑いも意味を失くしてゆく 心の中の言葉など 光りさえ奪われる ただ一人 握りしめた引き金を引く 明日へと 全てを撃ち抜く ただ一人 答えを撃ち抜く>(Exist In The Dark 闇の告白)
『自殺へ向かう世界』という、やはり9.11について書かれた本のなかで、ポール・ヴィリリオは書いている。
「テクノサイエンスの発展は、それが多くを負っているイリュージョニズムと同じく、>に奉仕する>となった。それは外観の操作、ペテンの連なりであり、まったく馬鹿げたものばかりで成り立っていることさえある」
Crouching BoysのThe Night(15の夜)。
I---with my eyes burning much more strongly than Robert De Niro's
“The Taxi Driver”, my heart not more restless than a soldier boy
facing death on battle-line---started the engine of the bike I stole.
最大限のRespectが詰まった(尾崎の)音楽たちを聴きながら、彼の残した言葉に耳を澄ませて、目を凝らして、全身で感じることは、ひとときの至福である。つかの間、「孤独」すら、どこかに置き忘れたような気分のなかで。
(で、追伸。Coccoさんの歌うDance Hallは、すごくいい。既に、名前と顔が一致しない人ではあるけれど、ミスチルの桜井さんと同い年の僕にとっては。)