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少女の器
著者 著者:灰谷 健次郎
両親が離婚し、母親と二人暮らしの少女・絣。未だに恋愛関係のもめごとが絶えない母親に対して、絣は時に大人顔負けの鋭い批評を口にする。しかし、その言葉の裏には、人一倍傷つきやすい心が隠されているのだった……。そんな絣のことを優しく見守る父、自らのひたむきな生き方で絣を導いてくれるボーイフレンド。様々な人たちに囲まれて成長する絣の姿をしなやかに描き、現代の家族のありかたを探る、魅力あふれる長編作品。
少女の器
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紙の本少女の器
2001/06/09 00:06
大人と子供の中間の少女
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あき - この投稿者のレビュー一覧を見る
灰谷作品の中では、異色といっても良い感のある作品でした。
これまでの作品に出てくる大人は、子供のことを理解しようと悩みつつも、決して諦めず、子供たちは屈託ない明るさと真面目さと、しっかりとした自分を持っていて、作品全体が暖かいイメージでした。でも、今回の作品は、母親は、子供のことをあまり構わず、そんな母親を諦める半ば、馬鹿にした態度で子供は接するというような少しダークなイメージがあります。
…が!そこだけで終わらないのが灰谷作品で、ここから、どう展開して暖かいイメージになっていくのか非常に読み応えがありました。
今までの作品は「こういう子供がいたらいいな〜」という理想の子供が多く登場しましたが、今回の作品は「私もこういう生意気な子だったな〜」と、自分を重ねて読めました。児童文学というよりも、小説らしさがある作品だったので、今回の分類は小説にしました。児童文学はちょっと…という方は、この作品で灰谷健次郎を知るのもいいかもしれません。
紙の本少女の器
2002/07/20 20:05
繊細な少女
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
灰谷さんの小説のなかでも、個人的にすごく好きな本です。離婚した両親の元自分らしく生きる絣の存在がとてもいい感じです。自我が強く小生意気でありながらも、とても純粋でまっすぐでやさしくて、そんな絣にとても愛着がわきます。
灰谷健次郎の作品の中では異色の存在だと思います。ちょっとあったかくなりたいときによむといいと思いますよ。