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電子書籍

風の男 白洲次郎(新潮文庫)

著者 青柳恵介

日本国憲法誕生の現場に立会い、あの占領軍司令部相手に一歩も退かなかった男。常に活眼を世界に注ぎつつ、わが道を行く天衣無縫の気概。物事の筋を通し、自説を枉げぬ強靱さ。と同時に、内に秘めた優しさ、しなやかさ、ユーモア。端正な面立ち、洒落た身なり、寸鉄の片言……。正子夫人をはじめ、この男に魅せられた人々の「証言」から蘇える「昭和史を駆けぬけた巨人」の人間像。 ※新潮文庫に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。

風の男 白洲次郎(新潮文庫)

税込 473 4pt

風の男 白洲次郎(新潮文庫)

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評価内訳

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紙の本風の男白洲次郎

2006/04/23 20:39

恒産無くして恒心無し!平等社会からは決して次郎は生まれない。もし次郎みたいな男に出会いたかったら日本を徹底的な格差社会にしないとだーめよ。分かってるかなあ?

21人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

白洲次郎は大金持ちの家に生まれた。その富は、まず祖父の退蔵(1829-91)が築き、それを受け継いだ父の文平がありあまる富を更に巨富にした。文平は自らを「20世紀の商人」と号し、芦屋の超高級住宅地で普請道楽に明け暮れた。お金の使い道が分からなくなるほどお金がありあまっていたのである。その子、白洲次郎。傲岸不遜、生意気。親の財産を鼻にかけ、回りの子供すべては使用人か下男かと思うことが半ば当たり前の環境で育った。「名門」神戸一中に進むも勉強なんか全くしない。成績は中の下。中学生の分際で高級外車を乗り回す破天荒ぶり。ほどなく日本の学歴社会で落ちこぼれると両親は金にあかせて英国のパブリックスクールに「追放」されてしまう。当時の英国は全盛時代。ポンドは強い強い通貨だった。英国のパブリックスクールは全寮制。今でさえ、イートン校に通うには年間で700万円はかかる。それが大正である。おそらく1年間に3千万円は軽くかかったであろう。それを楽々出してしまう家に次郎は生まれたのである。それだけではない。日本の中学時代から乗り回していた自動車に英国でも乗りたいとわがままをいうと、父は英国の最高級車ベントレーをさくっと買い与えてしまう。ベントレーはロールスロイスと並ぶ英国の最高級車で今でも3千万円から1億円はする。今の日本でベントレーに乗っているのはヤクザか地上げ屋くらいで、要するに堅気の人間じゃ到底乗ることの出来ない超がつく高級車である。それを高校生の分際で乗り回していたのが次郎なのである。「恒産なければ恒心無し」というが、この言葉を地で行ったのが白洲次郎であろう。次郎にとって、この世に敵なぞ存在しない。常に自分が対象なのである。他人に対し「気遣い」なんかしたことがない。「こんなこといったら後々やっかいだから言わないで置こう」なんてセコイ考えが脳裏をよぎったこともない。だから軽井沢ゴルフクラブにやってきた田中角栄を怒鳴りつけることも出来るのである。大成建設や清水建設の社長・会長なら全盛期の角栄を怒鳴ることは愚か、意見することだって出来るわけが無い。大蔵省の役人だってできはしない。角栄のご機嫌を伺って日本人のほぼ全てが「恵比須顔」を作っていた時代のことである。それを次郎はやってのけた。どうして出来たのか。それは次郎が超のつく大金持ちだったからである。次郎みたいな「ジコチュウ」の権化みたいな人間は格差の無い平等社会からは絶対に出てこない。平等社会ではみなさん「どんぐりの背比べ」社会だからわずかの差が大きな意味を持ち、少しでも差がつかないようみなさん角を立てず敵をつくらない「いい人ゴッコ」を繰り広げることになるのである。「あいつは変わっている」という言葉は平等社会では非難の言葉なのである。次郎のような「変人」「傲慢」「ジコチュウの権化」みたいな奴をありがたがるのは、みなさんあまりに周囲の目を意識する「平目やろう」ばっかりだから、一種の無いものねだりで次郎みたいな「嫌な野郎」をありがたがっているんじゃないか。もし次郎が生きていて、あなたの隣、あなたと同じ会社、あなたと同じクラスにやってきたら、きっと皆さん徒党を組んで次郎を苛めようとするんじゃないか。いや、次郎の財産の前にやっぱり降伏して次郎の忠実な下僕になって「恵比須顔」を作っているのかもしれない。それが大方の日本人というところじゃないか?

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紙の本風の男白洲次郎

2006/04/19 21:26

爽やかな気分になり、自分を省みる。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 語りすぎず、爽やかな読後感を残すいい評伝である。白洲次郎は男が男にほれるというのとはまた違う気分にさせる男である。あこがれるというのか、白洲のようになりたいと思うが、いろいろな意味で近くにはいたくないと思わせる男である。

 爽やかな読後感とともに、寂しさも感じた。それは、この男のことをもっと知りたいという物足りなさもあるが、今の日本に彼のような範となる人物が見当たらないからだ。(もしかすれば、世に知られていないだけで、いまこの瞬間も頑張っている人物がいるかもしれないが。)

 「叱る老人がほしい。」と言ってなどいてはいけない歳に自分もなっていると、自覚しなければいけないのだろう。そう自分を省みさせてくれるのもこの本、そして次郎の生きざまである。

 次郎は形あるものはなにも残さなかったといっていいだろう。それは、彼の遺言「葬式無用、戒名不要」に象徴されている。敢えて言えば、彼が残したのは生きざまであり、戦後の日本である。それは彼の理想としたものからは、遥かに遠いものであったであろうが、彼がいなければもっと酷いものになっていたことは容易に想像できる。

 このような人物がいたことは、日本の誇りであり、今後日本を立て直す上で、参考にされるべき人物だと思う。

 ※『白洲次郎』(平凡社)の写真を眺めながら読むことを薦めます。

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紙の本風の男白洲次郎

2009/01/24 19:27

一陣の風がさっと吹き抜けたかのような

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 終戦直後、米国の統治下にあった日本。欧米人に対してとかく卑屈になりがちな我が国にあって、臆することなく言いたいことを言った男。歯に衣着せず、ずけずけとした物言いはするけれど、これと信頼した人物に対しては面倒見の良かった義の男。信念をもって己を投げ出すことのできる男。白州次郎は、そういう男だ。

 一陣の風がさっと吹き抜けたかのような、清々しい生き方を貫いた白州次郎の人となりが、彼と関わった人たちの証言から伝わってくる評伝集。いくつもの印象深いエピソードのなかでも、英国のケンブリッジ在学中、終生変わらぬ友情を結んだロビン・ビングとの再会、そして最後の別れを記した場面には胸がいっぱいになって、涙がこぼれた。

 若き日の白州が車の運転席に座った写真や、親友ロビン・ビングとのツーショット、白州次郎を大いに買っていた吉田茂を撮った写真をはじめ、白黒写真が多く掲載されていたのも、彼らの人となりを身近に感じる上で、とても有難かった。

 本書刊行のいきさつについては、白州正子(白州次郎の妻。文筆家)の「まえがき」ならびに、当時、成城大学の講師だった著者の「あとがき」に記されている。

 著者「あとがき」の後に置かれた両角良彦(もろずみ よしひこ)の解説、「天衣無縫の気概」と題した文章も素晴らしい。的確で、心のこもったその文章から少し引用させていただく。

 <ひと口に言えば、人間として立派であった。およそ遺徳を偲ばれるには、地位や財産などではなく、人間性そのものに根ざすなにかがなくてはならない。この人にはそれがあった。毅然とした反骨精神というか、強者に追従しない独立心である。書中に詳しいが、全能の占領軍司令部を相手取って一歩も退かなかったいくつかの挿話からもそのことは納得できよう。>

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紙の本風の男白洲次郎

2001/08/22 12:50

戦時の食糧難を予想し農作業に専念。戦後、吉田茂の懐刀としてGHQの憲法制定現場で折衝係。「経済」外交の基礎づくりと電力事業分割民営化に貢献。無類のカーキチ、洒落者にして白洲正子の夫。昭和の巨人伝。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 映画にしたいような「激動の時代を駆け抜けた巨人」の伝記である。けれども、正子夫人から提供されたのであろう掲載写真を惚れ惚れと眺めると、「あっ、そりゃ無理だ」と思える。こんなカッコよすぎる男を20代から80代まで演じられる役者なんていっこない。昔読んだ少女漫画の中から抜け出たような人が実在していたのだ。驚きながら「読書中恋愛」を楽しめた。

 自分のことなど語りたがらなかった白洲次郎は、伝記など反対しただろうと正子夫人の巻頭言にある。故人を偲ぶ会の代りに語録を出してはと薦められ、それが発展したために幸いにも人目に触れることになった本らしい。『白洲正子自伝』の併読もお薦めする。まさにスーパーカップルなのだ。

 中学時代から外車を乗り回し、親に持て余されていた驕慢な少年は半ば島流しのように英国に留学する。ケンブリッジ大で学問に目ざめるも、カーキチは益々昂じて伯爵の子弟とヨーロッパじゅうを駆け回る。
 そこで得た人脈と語学力、歯に衣着せない物言いなどが吉田茂の目に留まることになる。
 実家の没落で帰国を余儀なくされ、学者の道を諦めた白洲次郎は新聞記者を経て、貿易の道へ。英国大使館に寝泊りしながら世界の情勢を見極めた彼は、戦時になれば食糧不足になるからと、仕事を離れ、町田の鶴川に退いて農業に専念。作物と部屋の提供で、文化人はじめ多くの人びとに奉仕した。貴族社会が重んじる「ノーブリス・オブリッジ」の本領が発揮されたのだ。

 が、戦後という時代が彼を必要とした。吉田茂に乞われた白洲は、終戦連絡事務局に勤めGHQ対応に当たる。権力や利権構造に絡む政治家という立場を嫌ったのか、同事務局の総裁のポストは断る。だが、「政治」外交から「経済」外交への転換を図るために貿易庁長官となり、商工省の再編にも貢献する。さらに、電気事業の分割民営化に尽力して東北電力会長職。それを務めながら、吉田茂の特使としても働く。

 こんなことがあった、こんなことを言っていたという親交のあった人たちの取材から起こされた文章なので、その潔い言動がいきいきと再現されている。
 権力を笠に着て人や組織を動かそうとする人間をひどく嫌っていたらしい。「私利私欲をもってつき合おうとする人間を白洲ほど敏感に見抜き、それに対し厳しい反応を示した人を他に知らない」という堤清二の言葉に象徴されている。
 「軽井沢ゴルフ倶楽部」の理事長を務めていた晩年には、プレーをせずグリーンの整備をしたりして、首相相手にも「メンバーとしてのマナーを守るように」進言していたらしい。

 物事の筋を通し、プリンシプルを曲げない。職務に誠意をもって励む人に対する優しさ。GHQに宛てた図入りの手紙はじめアイデアとユーモアに満ち、「葬式無用 戒名不用」とだけ遺言を書いて逝った人。風のように駆け抜けた巨人の痛烈な印象に胸がすく。

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紙の本風の男白洲次郎

2008/08/02 14:49

自分で見て考えて責任を負う

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

風の男 白洲次郎(しらす) 青柳恵介 新潮文庫

 わたしは書名の方を存じあげません。本関係のホームページを巡っていて何度か見かけたことがありました。今回書店で本が目に留まったので読み始めました。伝記でしょうか。魅力的な個性の人のようです。昭和60年に亡くなっています。経済界の重鎮のように認識しました。
 わたしが生まれる前のお話です。戦後の新しい日本を築くことを目的として吉田茂首相の側近にいた重要人物という位置づけです。わたしにとっては、夢のようなお話ばかりです。親御さんは資産家、中学校卒業後は英国へ行き、長い間同国で学び過ごした。奥さんの育ちも夢のようです。やはり、結婚は似たものどうしがいいと変なところで思い知らされました。
 白洲氏の信条として紹介されている「自分で見て、自分の頭で考えて、自分が責任をとる」、ともすれば、だれしもが、「力の強いと思われる他人にやらせて、その人に責任をとってもらう」となりがちです。その信条は英国式でしょうか、いいえ本人の気質もあるのでしょう。
 戦後新憲法制定の緊張感が伝わってきます。”天皇制の廃止”を決断する。戦後生まれのわたしは、今までそのことの重大さを感じたことがありませんでした。
 白洲氏は頑固である反面、非常に柔軟であることが不思議でした。人間は社会環境の変化に応じて変化していくべきであるという記述を読んだときです。ケースバイケースでしょうか。この本は全体として、「戦後日本の礎(いしづえ)を築いてきた人たち」の記録です。以前読んだ北朝鮮から開放されたジェンキンスさんの「告白」に似ている。白洲氏とジェンキンスさんの相手に対する姿勢が似ています。ふたりともに英国魂が宿っているのでしょか。ただジェンキンス氏はアメリカ人ですが、根っこ(ルーツ)は英国かもしれません。
 198ページあたりからの彼の語録には凄みがあります。教育は伝承されていくものです。こういう生き方を白洲氏はだれに教わったのだろう。今続けて、本人の記述を集めた「プリンシプルのない日本」という本を読み始めました。プリンシプル=principle 「原則」でしょうか、それとも「信念」? あるいは「魂」でしょうか。

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紙の本風の男白洲次郎

2003/02/07 02:21

キムタクよりカッコいいオヤジ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:痴情の果て - この投稿者のレビュー一覧を見る

書店で本書を手にし、カバーの写真の男を見て驚いた。何者だコイツは? どうしてまったく見覚えがないのか。日系の作家? 小林秀雄に弟でもいたのか?

「ぼくはなぜ、この男のことを今まで知らずにいたのか」。

一瞬、妙に苛立たしく悔しい感情に襲われた。文学・芸術の領域からサーチしたぼくの低性能の脳みそ(白州正子を読んだことなかった!)では、「白州次郎」という文字と、現代史の一知識として登場する名前とはなかなか結びつかなかった。

その写真は、中味を読む前に、どんな男がそこに描かれ、どんな生き様を伝えるのかを如実に示した肖像だ。

神経質で頑固、恐ろしく短気でぶっきらぼう。上っ面な権威に対する怒りと軽侮。シンプルでストレートで、ハートがあって、気取らず、何より男も惚れるほどカッコいい。
ここに編まれた伝記はすべて、興味深い表紙の写真につけた長いキャプションとも言える。

リッチな英国留学生活や、現代史上一国の帰趨を左右する仕事に期せずして携わったことなど、興味深いエピソードも盛り沢山だが、それ自体はカッコよさの本質ではない。
留学で身に着けた合理性と広い視野、国際感覚、抗いがたい育ちの良さを除けば、一見日本のどこにでもいる、ゴルフ好きの平凡な頑固オヤジとたいして変わらないともいえる。

動悸がするほど胸に迫るのは、あたりまえのことを、当然のこととして、シンプルに、何の気負いもなくやりとげてしまう精神のありようだ。GHQが相手にせよ、百姓をするにせよ、ターフの手入れにせよ。「天衣無縫」と呼ぶほど大げさなものではなく、「イノセント」とでもいうのか。
憂鬱な現代であっても、とはいえ見わたせばまわりに一人ぐらいこんなオヤジがいるような気もする。「プロジェクトX」に出てくるような。

むかし、高校の歴史の先生が言った。
「英雄は生まれてはこない。歴史が見出すだけだ」。
英雄の役割を担うに値する人間はいつの時代にも存在するし、いくらでもかわりがいるが、見出されることの方が稀なだけだという説明がついた。
白州次郎に「英雄」ということばは似合わないが、キムタクよりカッコいいオヤジは、いまどき何て呼ぶんだろう。「地上の星」?
風の男を読んで、ふと思い出した。

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紙の本風の男白洲次郎

2015/01/29 22:20

カッコイイ!!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キラキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

白洲次郎ファンなら読むべし!!こういう男の人が増えるといいなあという希望も込めて。

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