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尋ね人の時間
著者 新井満 (著)
第九十九回芥川賞受賞作。「ある日、気がつくと、自分の内部に昔はたしかにあった筈の主体としての<われ>が失われていたのだ。わが心のうちなる岡にのぼって、いくら自分の名を呼んでみても、いたずらにただ山彦がかえってくるばかり。<われ>に置き去りにされて抜け殻になった<われ>のがらんどうの中を、うそ寒い風が通り過ぎて行くばかり。そうは思いませんか。小説“尋ね人の時間”とは、自分捜しの物語なのかもしれない」(あとがきより)
尋ね人の時間
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紙の本尋ね人の時間
2002/10/03 20:28
漂う雰囲気が素敵
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投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
水母という題の作品はあまりぴんとこなかったが、表題作はどの章も一点光る場所がある。特に月子という主人公の娘が印象深い。
夢分析みたいに夢が出てくる本はあまり好きではないのだけど、これに限っては許せる。なんというか乾いた感じがすごくいいのだ。
また描写力も優れていると思う。ストーリー的に起伏に富んでいる訳ではないが、きらりと光る一点につられて読むのをやめられなかった。