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小説 盛田昭夫学校(上)
著者 江波戸哲夫 (著)
世界が認めた名経営者盛田昭夫。町工場だった東京通信工業を皮切りに、テープレコーダー、トランジスタラジオなど常に時代の先頭を走り続け、ソニーを世界ブランドに成長させたその手腕。製品開発、アメリカ進出、商標裁判……笑顔で壁を次々に越えていく盛田の隣には、居並ぶ一騎当千の強者たちがいた。
小説 盛田昭夫学校(上)
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紙の本小説盛田昭夫学校 上
2009/08/14 22:50
やり甲斐とやすらぎの比率の理想はどれくらいだろうか
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきはじめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんとなく聞き覚えのある書名にそそられ読み始めて間もなく、5年間本箱の隅に挟まっていた1冊の隔週刊誌に同名の連載を見つけました。比べてみると細かい表現にも変更があって、かなりの推敲がなされたようです。気が付けば章の番号も変わっています。
以前見たテレビの特集では初期の輸出ラジオに大量の不良が発生した話をクローズアップして世界進出時の苦難を伝えていたものの、この本ではあまり踏み込まれずその部分は些か拍子抜けしましたが、文庫本とはいえ上下巻に及ぶ長編にも拘らず、ダイナミックな出来事の連続に興味は手繰り寄せられて下巻に進みました。
国産初のテープレコーダーからトランジスタの実用化を経てトリニトロンまで、上巻は創業から世界に認められるまでの話で、主に井深さんや後任社長の岩間さん等比較的身近な人とのやり取りの中で盛田さんの活力が発揮されています。
それでも、高度成長期を駆け抜けた象徴的な人の凄まじさの前に、やり甲斐とやすらぎの比率の理想はどれくらいだろうかと、つい答えの出ない暗算をしてしまいます。