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ひとつ海のパラスアテナ
すべての『陸』は、水底(みなぞこ)に沈んだ。透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、『アフター』。 セイラー服を着て『海の男』として生きるボクは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。そんなボクに、この大海原は気兼ねなくとびきりの『不運』を与えてくる。 ――『白い嵐』。 無情にも襲いかかる自然の猛威。それは、海に浮かぶ全てを破壊した。 愛船パラス号を失い、ボクが流れ着いたのは孤立無援の浮島。食糧も、水も、衣服も、何も無い。あるのは、ただただ広がる『青』。ここに、助けは来るのか、それとも―― それは、いつ終わるとも分からない。ボクの『生きるための戦い』。
ひとつ海のパラスアテナ
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2015/09/19 03:20
生きる為の選択をせまられるひとたち
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投稿者:アザラシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「海の失せ物海の物」。
《アフター》の価値観では海で拾ったものは拾った人間の物になる。
ばらけた浮島や座礁した船を狙ってやってくるダイバーの組織・《スカベンジャー》は、不幸な持ち主の目の前で平然と積み荷を漁る。
海に沈んだ《シャチのぬいぐるみ》も《スカベンジャーに拾われる前に回収しないといけない。
そのため、《セジング》フロートの生存者を避難させるためタカとオルカを《イロゥ》に送り出し、アキは一人、《セジング》フロート跡に残る。
毎回遭難の憂き目にあうヒロイン・アキ。
今回も一人で潜水作業を続けるうちに体調を崩し、水やダイバーズウォッチを失い、そのうえタカは迎えに来なくて。
そんな状況で、とうとう《スカベンジャー》たちがやってくる。
極限状態のアキは生きるために彼らと取引をして自己嫌悪に。
《アフター》の人々から忌み嫌われてる《スカベンジャー》、彼らがどんな人々なのか、その実態が明らかに。
スキンダイビング、スクーバダイビング、送気式潜水と今回の冒険は潜水。
潜った先でアキが出会ったものは、例のあれ。
食品保存の技術などから高度であると匂わせていた《ビフォア》世界。
とはいえ、アナログな遺産からは現代文明に近い世界とも推測できるが、まさか、そんな展開、もとい選択が…。