電子書籍
冷戦 ワールド・ヒストリー
著者 O.A.ウェスタッド,益田実,山本健,小川浩之
資本主義と社会主義に世界を二分し,国家や人々の生活を激しく揺さぶった冷戦.その起源から終焉までの一〇〇年を,冷戦史研究の第一人者が描き切る.米ソや欧州のみならず,アジア,アフリカ,ラテンアメリカなど全世界を包含した稀有の歴史叙述.上巻は一九世紀末からキューバ危機まで.下巻はヴェトナム戦争からソ連解体まで.
冷戦 ワールド・ヒストリー 上
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2022/06/13 19:43
第三世界の冷戦
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻はベトナム戦争からソ連崩壊まで。デタントとブレジネフ時代が象徴するように、ある種の安定を得ながらも、永遠に続くかに見えた米ソの対立は、グローバルな政治・経済の変容の末、ソ連の敗北に至る。レーガン、ゴルバチョフら冷戦を絶対不変の状況と見なかった指導者たちの決断にとどまらず、冷戦の論理から離れだす第三世界の動向も含めて幅広く捉えた内容は圧巻。大著には違いないが、密度の濃さからコンパクトにまとまっているという感もある。個人的には、インドの冷戦とは距離を置いた非同盟主義について、簡潔に知れたのが勉強になった。
2022/06/13 19:42
グローバルな冷戦史
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
冷戦史を扱った大著。上巻は第一次世界大戦の終結からキューバ危機まで。米ソのイデオロギー対立をすべての根源としながらも、その視点をヨーロッパに限らず、広くグローバルに捉えているのが特徴か(日本についても言及がいくつかあり)。冷戦という国際システムに世界が絡めとられ、対立が固定化されていく様子が巨視的に描かれていく。また米ソの指導者のみならず、毛沢東やネルー、スカルノらの発言が多く引用されているのも印象的である。