電子書籍
レッドクローバー
著者 まさきとしか
『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』シリーズ累計40万部突破の著者、最高傑作ミステリ。
まさきとしかが……いよいよ、くる!
家族が毒殺された居間で寛ぎ
ラーメンを啜っていた一人の少女。
彼女が──家族を殺したのではないか。
東京のバーベキュー場でヒ素を使った大量殺人が起こった。記者の勝木は、十数年前に北海道で起こった家族毒殺事件の、ただ一人の生き残りの少女――赤井三葉を思い出す。あの日、薄汚れたゴミ屋敷で一体何があったのか。
「ざまあみろって思ってます」
北海道灰戸町。人々の小さな怒りの炎が、やがて灰色の町を焼き尽くす――。
『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』シリーズ累計40万部突破の著者、最高傑作ミステリ。
レッドクローバー
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紙の本レッドクローバー
2023/04/16 13:29
完成度高いミステリー、されど暗いテーマ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こばとん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさきとしかさんのミステリー、『レッドクローバー』。
東京・豊洲のバーベキュー場でヒ素による集団殺人事件が起きた。犯人は犯行を認め、「ざまあみろって思ってます」と供述するが、動機などについては一切口にしない。ヒ素は12年前に北海道・灰戸町で起きた一家殺人事件で使われたものと同じ種類と分かったが、犯人と一家殺人事件との接点は確認できない。一家殺人事件ではただ一人生き残り、その後行方を断った長女が犯人ではないかと当時噂になっていた。長女は、果たして今も生きているのか、どこにいるのか。
新聞社を定年退社し、系列の月刊誌編集部で働く勝木は、12年前に灰戸町で取材経験があり、豊洲の犯人をめぐって取材を始める。勝木は灰戸町の取材時に長女を一瞬垣間見ているが、そのときの姿が今も忘れられない。当時一家は、町の人たちから疎まれていた。勝木は妻を病気で亡くしており、取材中もそのことが彼の心に影を落としている。そして妻の過去の経験も、本書を貫くテーマに関連していて、重奏し、共鳴していく。
429ページもある作品を読み進めていくと、それまで一見無造作に散りばめられていた各断片が次第に結びついていき、最後に驚くべき真相が明らかになる。ネタバレになるので、これ以上ここで紹介する訳には行きません。悪しからず。
著者のまさきとしかさんは、2007年に「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞し、その後もいくつもの作品を発表しているらしい。本作は、ミステリーとしても、またテーマを持った“小説”としても、極めて完成度が高いと思う。扱われているテーマは、重く、暗く、そして現代的である。今までその存在を知らなかったが、相当のベテラン作家とお見受けしました。
電子書籍レッドクローバー
2023/11/09 07:54
2つのヒ素殺人事件
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒ素殺人事件というと、二十年以上前の和歌山カレーヒ素殺人事件を思い出します。この物語は、東京のバーベキュー場でヒ素を使った大量殺人なので、特に。もう一つは、北海道一家ヒ素殺人事件。長女の赤井三葉だけ生き残る。全体に暗いです
紙の本レッドクローバー
2023/05/26 12:26
殺されるよりも殺す方を選んだだけ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日のように殺人事件が報じられ、目を背けたくなるような残虐なものもある。
なぜそんなことを…と思うが、この本で何度も出てくる「殺されるよりも殺す方を選んだだけ」なのかもしれない。
自分は絶対殺す方を選ばないと思っているけれど、その状況になると選んでしまうのか?
「死ねばいいのに」と口癖のように言う人がいて、この本にもそんな人がたくさん出てくるが、口に出すことでその気持ちが増幅するんじゃないかと恐ろしい。