入江泰吉 私の大和路(小学館文庫)
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奈良大和の風景を半生記近く撮り続けた入江泰吉の名作写真と彼のエッセイによる写文集・春夏編。われわれを今なお惹きつけてやまない「うるわしの大和」の魅力を76点の写真と柔らかな文章で紹介する。
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2008/12/04 07:36
大和の心象的風景
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
入江泰吉氏の文庫オリジナル版写真集・秋冬編である。「大和路はとりわけ秋色の変化が美しい風土である」(重森弘淹・本書p.133)。 とは言え、大和路の景観は、北海道とか九州などと比べて風光明媚という点では勝れているとは言いがたいだろう。しかしながら、入江氏が追ったのは単なる景観美ではない。 本書に収録されたエッセイでは、大和路の場合は、さりげない景観に、風景の「風」の趣がかもされているのであるとされ、それは「風景のなかにかもし出される余情、気配」や「目には見えないもの、いうにいわれぬ情感、心象」ではなかろうかとされる。そして、「大和の場合、意味をなすのは、この心象的な風景である」と言われる(p.54)。 入江氏は、土地の放つ歴史の気配に美を見いだし、そうした心象的情感を現実の景観とともに一枚の画面に写し取ろうとされたということであろうか。
巻末に記された「撮影前の長い助走」という解説を読んでも、作品の背景をなす入江氏の日々の不断の努力が看取される。歴史、仏教、万葉集、哲学、美学等についての研究に加えて、自分のなかに温めたイメージを求めて最良の条件になるまでシャッターチャンスを待ち、幾度も足を運ばれたという氏の作品に対して、“短期出張”で撮影していくような東京の写真家の作品が及ぶものではないことは当然のことであろう。
そうした入江氏の手になる素晴らしい写真集を、文庫版という形で、ハンディで安価に手にできると言うことは誠にありがたいことだと思う。
2008/12/03 10:09
素晴らしい写真集
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
入江泰吉氏の素晴らしい写真と同氏の大和に対する愛情あふれたエッセイを集めた文庫オリジナル版写真集である。ハンディで安価なのがよい。 評者は、枕頭において眠れない時などにながめて精神安定剤としている。本巻には、白州正子さんの「人間のいない風景」と題する素晴らしいエッセイも収録されている。この中で、白州さんは「アメリカ帰りの若い娘には、京都は何かじめじめして、小じんまりと完成されすぎており、大人になるまでなじむことができなかった。それに反して、大和には、風通しのよい雰囲気があり、事実空気も乾燥していた」(p.130)と書かれ、まだ観光客などほとんど見られなかった時代の「飛鳥」について回想されている。また、収録されている写真もそうした時代のものも多い。母が(現)明日香村の出身であることからその時代の飛鳥を知る者として、うれしく且つ懐かしく思う。当時は、現在の近鉄「飛鳥」駅も「橘寺」と称していた。
巻末には簡単な「大和路ガイド」も付いている。子供の頃には、十分にというよりほとんど感得できなかった「飛鳥」の素晴らしさを再認識するためにも、来年の春には本書を携えて是非とも大和を訪れたいと思う。そういう想いを強くかきたてる素晴らしい写真集である。
2015/09/29 17:40
素晴らしいです。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしい写真がたくさん掲載されています。
しかし、電子書籍として解像感がイマイチです。
印刷物をそのままスキャンした感じです。