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蝉丸残日録 完結
著者 ツナミノユウ(著)
朝起きたら蝉になっていた悲劇のリーマン・蝉丸。 短命の代名詞、蝉……。 己の姿を見て、もはや長くは生きられないと悟った彼は、カッコよく最期を迎えることを決意した。 今、意に反してなかなか死なない蝉丸と、微妙な気遣いを余儀なくされる周囲との、駆け引きに満ちたスリリングな日常が幕を開ける!
蝉丸残日録(1)
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2015/08/08 23:38
蝉になった男
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たんぱら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日、目が覚めたら顔のあたりだけ蝉になっていた主人公。混乱して二日ほど無断欠勤するものの、やがて事態を受け入れてスーツを着込み、ネクタイを締めて出社。普通に働き始める。そんな超然とした日常を描くコメディ漫画。
一話完結方式で個々のエピソードに繋がりはあまりないが、だいたい共通しているのは「周囲の目をやたらと気にする人たち」が出てくる点である。今どんなふうに見られているのか、相手にどう思われているのか、些細な不安や怯えをユーモアのオブラートで包み込んでいく。
突然蝉になってしまうこと以上の悩みなんてそうそうない。しかし、それでも小さなことに対して一喜一憂せずにはいられないという面倒臭い心理を淡々と微笑ましく綴っている。キャラの良し悪しやネタの精度よりも、微妙な人間関係や抑え切れぬ自意識によって築かれる距離感の程良さが印象に残る作品だった。