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ナチュラルプレイス
著者 大竹とも
海沿いにある小さな町の小さな自動車学校。会社を辞めてここに転職してきた安藤だが…待っていたのは、同じ教官・津久井の冷たい言葉だった!? リアルライフを描いた珠玉の大竹ワールド。表題作他、魅力の短編5作を収録。
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2001/06/02 23:33
じわりと暖かくなるような。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miyagi aya - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集。タイトルのお話は、小さな自動車学校に転職してきた安藤は、唯一年の近い津久井と仲良くしようとするけれど、津久井の対応は冷たくて……というような内容です。一話完結のものばかりですが、どれもさらっとした感触で好感が持てました。雰囲気が少し、館野とお子さんに似ているかな。社会人ものがほとんどな所も個人的には嬉しいです。
この本の登場人物たちは皆とても繊細で、なかなか真っ直ぐ好意を表すこともできないし、「好き」と口にするのなんて本当にぎりぎりの最後の手段、みたいな恋愛をしている人ばかりなのですが、そうやって心の中に蓄積されてきた感情が言葉になると、とても温かくて読んでいて心地良いです。
最後もどちらかというと二人がデキちゃってラブラブになるというよりも、自分にキスして逃げた部下の気持ちにようやく気づいた主人公があわてて追っかけたり、何とかお互いの気持ちを伝え合ってさあこれからどうしようか?みたいな終わり方をしていたりするものが多いです。けれどどのお話も、その後きっと彼らは幸せになれるだろう、という確信を抱かせてくれるものばかりで、読んでいるこっちもじわりと嬉しくなるような本でした。