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おまもりひまり 完結
著者 著者:的良 みらん
古来から鬼討伐を行ってきた家系の末裔・天河優人は16歳の普通の高校生。が、彼を護って来たお守りの効力が切れてしまう。同時に現れた刀を持った美少女。彼女こそ優人を妖怪から守るために現れた化け猫だった!! 美少女猫剣士が繰り広げる、フェロモン系ラブコメドタバタ活劇開幕!
おまもりひまり(1)
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2010/08/20 21:29
裕人の決意が引き出す緋鞠の狂気
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
端的に言って、シリアス成分かなり多めでバトルも多め、肌色成分は少なくないがお色気は思ったほどでもなく、という第7巻である。裕人の決意による「時には戦うことも止むなし」を拡大解釈したかのような緋鞠が、冒頭から凄みのある狂気の本性を露わにする。以前より何となく出来ていた“チーム裕人”ではあるが、まだ鬼切り役(=裕人)を頂点とした統制がとれている訳でもなく、ともすれば無秩序な暴走を引き起こしてしまいそうな不安を抱く。しかし、これにより物語が確実に次のステージ(最終決戦?)へ向かったことを示唆してもいる。この動きが、裕人の意思に反したものなのか、さらには裕人の願いから離れていってしまうのか。裕人の覚悟と信念を貫く勇気が試されることであろう。今後に注目したい。
さて、本巻では鬼切り役の一人【夜行院柩】が本格登場してくるが、これが同じ鬼切り役ながら敵か味方か判然としない。裕人の目指すものが他とは異なることにも起因しているが、人間と妖が上手く共存している場所が出てきたりもしており、人と妖との関係を幅広く見せる上手さがあると思った。
また、今回は別行動をとることもあったくえすだが、鬼切り役としての“神宮寺”と、個人としての”くえす”の狭間に立つ彼女には、元よりいつか訪れてしまう「決心」をする時が近づいているようである。彼女が同行しないことで、代わりに招集されたリズが活躍する場面があったり、爪弾きにされそうな凛子にもいいことがあったりと、全体的に見どころは多かったと思う。
なお、三十七.五匹目【ねこたちの自由帳】と題された8頁の番外編に面白いことが載っている。