読割 50
電子書籍
吸血鬼には向いてる職業
著者 榎田尤利
幼い頃から「マンガは友達」、マンガのためならなんでもできちゃう筋金入りのオタクの藍。念願が叶いマンガ編集部の配属となった早々、大ヒット作「ゴスちゅる」を連載中で、問題あり...
吸血鬼には向いてる職業
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吸血鬼には向いてる職業【イラスト入り】
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吸血鬼には向いてる職業 (B-BOY NOVELS)
商品説明
幼い頃から「マンガは友達」、マンガのためならなんでもできちゃう筋金入りのオタクの藍。念願が叶いマンガ編集部の配属となった早々、大ヒット作「ゴスちゅる」を連載中で、問題ありまくりのマンガ家・黒田瑞祥の担当をすることに。超遅筆なうえに性格がねじ曲がってるのはまだしも、「マンガを描くのはヒマつぶし」と言い切る瑞祥に、藍は内心怒り狂うが──。大人気マンガ家シリーズ! 今度のマンガ家は吸血鬼!
著者紹介
榎田尤利
- 略歴
- 東京都出身。おもにライトノベルにて活躍。著書に「宮廷神官物語」シリーズなど。榎田尤利名義でも著書多数。
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紙の本
吸血鬼とオタクの相性
2007/09/19 14:31
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ四作目であることを知らず、いきなりこの作品から読んだのですが、文句なしに面白かったです。
まず、吸血鬼にして漫画家の黒川瑞祥が連載している作品名に、やられます。「ゴスロリ吸血少女Ψちゅるちゅる」……御年180歳にして永遠に生き続ける孤独な運命に倦み果てて、あらゆることに対して底意地悪くも無感動になっているイケメン吸血鬼が、こんなマンガを連載して国中のオタクを熱狂させるという状況が、どうにもこそばゆいというか、何はともあれこのマンガ、実在するなら読んでみたいと思わずにはいられません。
また、ジャンケンに負けて彼の担当編集者になってしまう野迫川藍の熱血オタクぶりにも、ほほえまされます。
野迫川は、マンガ「げんしけん」(木尾士目・講談社)に出てくる斑目晴信を思わせるような、筋金入りでなりふり構わぬオタクキャラなのですが、斑目くんとは対照的に、稀有な美貌に恵まれており、ついうっかりゴスロリ姿で外を歩こうものなら、変質者に羽交い締めにされて首に噛みつかれそうになるほどなのですが、本人は自分の容姿には無自覚で、あか抜けない安物のスーツに身を包み、性格も理詰め一辺倒の現実主義者で、色気のカケラもなく、ただひたすら愛する漫画作品のために、全身全霊をかけて編集の仕事に従事しています。
こんな野迫川が、個人的なヒマつぶしのために漫画を描いている人外な存在であるところの黒川と、相性などいいはずもなく、お話の最初のうちは諍いばかりで、ほんとにコレは恋愛のお話になるのだろうか、もしかしたら野迫川は黒川ではなく、黒川の飼っている黒猫とつきあいはじめるんじゃなかろうかと、いささか不安になるのですが、これまで読んだ榎田作品では、どれも主役の二人が水と油状態のところからお話がはじまり、関係の変質というか捻転を経て極甘な融合状態に突入することになっているので、もしかしたらこの二人もそうなるのだろうかと思って読み進めたら、予想を超える融合ぶりに驚嘆させられました。この作家さんの作品には、いつもこんな風に予想を裏切られている気がします。
吸血鬼もの(というジャンルがあるのかどうか知りませんが)の読ませどころは、異種族、異端であることから生じる様々な困難と、不死であることに由来する、絶望的な孤独感だと思うのですが、この作品はそれらを踏襲した、いわばオーソドックスな深みを持ちながら、なんだか妙に面白いお話になっているところがすごいと思いました。
かすかに感じた不満を敢えて語るとするなら、黒川がいかなる経緯で吸血鬼になってしまったのかということや、もともと恐ろしく情の濃いタイプであったらしいのに、どんな喪失の痛みを経た挙げ句に、人を寄せ付けない偏屈な変態になってしまったのかといった過去が、全く語られていないことなのですが、それらを書き出すと、きっともう一冊本が出来てしまうのでしょうし、さらに寿命に上限のある野迫川との未来についても、まだまだ様々な葛藤が残されていそうな気がするので、今後に期待することにしようと思います。
電子書籍
怖くない吸血鬼
2018/05/06 15:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばらら - この投稿者のレビュー一覧を見る
吸血鬼だけど、漫画家を暇潰しにやっているという世界観からして、ちょっと不思議ですが、面白い。編集と恋人になるまでのいろいろな出来事があり、コメディみたいなとこや、ほろっとくるところもありました
紙の本
抱腹絶倒・・オタクBL。
2007/09/19 04:19
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルビナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「笑えました!」
一言の感想に尽きてしまうほど、榎田作品のなかで腹を抱えて笑った作品は初めてだ。BLとしては★×3だが、コメディとしては★×4
榎田作品は、大部分の作品が占める割合として職業BLと認知している。
冗談のおとし所やもだえ所の他に、時に社会人としての含蓄ある言葉が出てくるとチョット元気がでたりして、私にとってのビタミン剤でもあるのだ。
この『吸血鬼には向いてる職業』も、マンガ家シリーズとして同著者からシリーズ発刊しているのだが、他の作品が恋愛主流なのに対して、この作品はLOVE少なめ?と疑問に思うほどコメディ路線を突き進んでくれた。いやいや、自分が見落としているだけで、いつもならもだえ要素が隠されているはず・・と読み直してみるが、結果は”笑”。
もちろん”笑い”は主観的なものなので、ニヤリともしないまま読み進める方もいるだろうが、p.13 とp.18~先を読んでみて少しでもシンパシーを感じたり「ぶっ」っと噴出したら、この作品はきっと楽しいものになるはずだ。
作中には、他漫画からのパロ台詞がちりばめられているので、「我こそは漫画オタク」と自認してる方は、のっけから拾い集めて読み解いてゆくのも楽しい。あとがきで元ネタ明かしをしてるのだが、私は4つしか解らず、ちょっと凹んだ。
余談だが、
最近オタクを主人公とした映画や漫画や書籍がたくさん流通しているためか、オタク=根暗・不細工・理解不明 といった客観的な負のイメージが大分緩和され、今や社会的オタク規制の緩和のために、どこからがオタク域なのかという区分線は、あくまで主観的な自分の意思でひくものに変化してきているように思う。
この作品の主人公の特徴として「社会的なオタク」と書かれており、なんとも時流を捕らえた特徴に笑ってしまった。また「腐女子」という言葉まで作中に使われていたのがメタ的で、とても面はゆい。
既刊の漫画家シリーズ三作
「きみがいなけりゃ息もできない」「ごめんなさいと言ってみろ」「愛なら売るほど」と同じテイストのロマンスを期待していると、若干肩透かしをくらうかもしれないが、メタ的にオタクな自分を楽しめる人にはお勧めしたい。
なによりも、作者自身が楽しんで書いたと感じた、漫画への愛溢れる作品だ。