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宮崎アニメの暗号
著者 青井汎 (著)
『もののけ姫』のあのシーンには「隠し絵」が埋め込まれている――ナウシカ、ラピュタ、トトロ、千と千尋……日本人なら誰もが観たであろう宮崎駿アニメ。その表層のエンターテインメ...
宮崎アニメの暗号
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宮崎アニメの暗号 (新潮新書)
商品説明
『もののけ姫』のあのシーンには「隠し絵」が埋め込まれている――ナウシカ、ラピュタ、トトロ、千と千尋……日本人なら誰もが観たであろう宮崎駿アニメ。その表層のエンターテインメント性に惑わされるな。全ての作品にはさまざまな「仕掛け」が巧みに隠されている!! 「カオナシ」が表すものは……「ナウシカ」は聖女じゃなくて……「湯婆婆」のあのタマネギ頭は……そして、多くの作品に共通する「母の不在」の意味するものとは――暗号を一つ一つ解読していくと宮崎アニメが真に訴えるものが見えてくる! 本書とともに、宮崎駿が仕掛けた暗号を解読せよ。
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紙の本
「もののけ姫」の深層を探る論考−「シシ神」とは何者か−
2004/09/05 19:12
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:田山晴成 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「もののけ姫」を中心とした宮崎駿のアニメについて、その複雑な深層を探り、そこに潜む「自然と人間」に関する世界観を読み解いた評論である。
まずは「となりのトトロ」のルーツを、スペイン映画「ミツバチのささやき」に探る。次いで「風の谷のナウシカ」の腐海にケルトの大いなる森を見た著者は、ナウシカの背後に潜む魔女を暴き出す。さらには「もののけ姫」での摂理を、木火土金水の五行思想で説明し、そこに宮沢賢治の影を見る。
安易な術語に頼らない平易な文章で、次第に加速する論考は、読んでいて心地よい。著者の案内に任せて、思いもよらぬ地点にまで連れていかれることになる。
圧巻は「もののけ姫」に登場する「シシ神」の正体を探るくだりであろう。花輪和一の「護法童子」、ゴヤの「巨人」、古代の有角神から、ギルガメシュ叙事詩までを遍歴した後、ついには1万年以上前の洞窟壁画にまで、著者の幻視は至るのである。
最後に「千と千尋の神隠し」がそれまでの作品群と決定的に異なる点を論じて、宮崎駿の世界を巡る旅は終わる。単なるアニメ作品論にとどまらず、評論の本来的な面白さを教えてくれる本である。