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紙の本
『日本語練習帳』の次には、この本を読むべき
2001/01/31 12:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鈴木クニエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯の「愛娘に『言語学者なのに、こんなことも知らないの?』と言われたことがきっかけだった」という言葉がふるっている。愛娘は中学生。要は、中学の国語で習う「国文法」が「こんなこと」だ。対する著者である父親は新進気鋭の言語学の専門家なのに。
帯の結びには「現在の日本語文法どこが間違っているのか、またなぜおかしくなったのか、その実体が、えらく軽い口調で(笑)明かされる」とあるが、まさにその通り。文章を読んでいるのではなく、著者の語りを聞いているかのように思う本だ。
具体的には、「文節」の橋本進吉、「入れ子型構造」「言語過程説」の時枝誠記、『日本語練習帳』の大野晋が、哀れな(?)まな板の上の鯉となる。
文節でつまずき、その後、国文法に恨みを持ち続けた私は、本書に書いてある内容に「そうよ、そうよ、そうなのよ」と大きな声で叫びたい。「なんでここが文節で、こっちは違うんじゃぁぁ!」と切れたクチのご同輩、必読ですぜ。著者は文節の定義を詳しく見直し、結局、トートロジー「文節とは、文節である」としか言っていないと喝破する。そんなもんがテストに出て、そんなもんで成績つけられていたのか!
岩波新書の大ベストセラー『日本語練習帳』もそれはそれで面白いが、著者からすると「ちょっと待った」という箇所がいくつかあった。『日本語練習帳』で言葉に興味を持った人ならば、ぜひその次にこの本を読んでみてほしい。「は」と「が」という日本語最大の難関には、当然、いろいろな考え方があるのだ。
第3章は、著者の専門が前面に出ている。『生成文法がわかる本』という著作もあるように、著者はチョムスキーが提唱した生成文法に詳しい。本書ではチョムスキーのチョの字も出てこないが、いかにも生成文法的な解説かなー、という印象をもつ。
最後に。「夫は浮気をしているに違いない」と「夫は浮気をしているはずだ」の違い、わかります? 「に違いない」と「はずだ」の違いが本書の最後のトピックです。