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門
著者 夏目漱石
ひとりの人間の犠牲において成立した宗助とお米の愛の勝利は、やがて罪の苦しみにおそわれる。「人間の心の奥底には結核性の恐ろしいものがひそんでいる」という。ついに宗助は禅寺の...
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門 (角川文庫)
商品説明
ひとりの人間の犠牲において成立した宗助とお米の愛の勝利は、やがて罪の苦しみにおそわれる。「人間の心の奥底には結核性の恐ろしいものがひそんでいる」という。ついに宗助は禅寺の山門をたたくが、安心と悟りは容易に得られない。そこに真の意味の求道者としての人間漱石の面目があった。明治43年の作品。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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紙の本
妻を気遣う宗助の姿勢に心打つ
2021/03/07 21:59
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽめたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもが欲しくて欲しくて何度もトライする宗助と御米ですが、流産、死産と悲劇が繰り返されるという行が泣けました。御米を気遣う宗助の姿勢を見倣わないとと思いました。
紙の本
禅に救いを求めてみたものの・・・
2007/09/25 00:28
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
漱石自身、若い頃に鎌倉・円覚寺に参禅したことがあるそうだ。漱石の時代に、”禅ブーム”なるものがあったらしい。漱石も禅に興味を持っていた。ある禅の本に引用されていたこともあり本書を手にする。
しかし本書の主人公である宗助(そうすけ)が禅門をくぐり禅に接するのは、物語もクライマックスに近い18章から21章だけである(全23章)。直接的には漱石は書いてはいないが、宗助は学生時代、親友の妻・御米(およね)と不倫の恋に落ち、それ以降世間に背を向けるように、ひっそり暮らしていた。その罪を背負って生きていく苦しみから、とうとう知り合いの紹介で禅に救いを求めた。結論から言えば、悟りを開くところか、修行にも身が入らず、十日で東京に戻ってしまう。
従って、宗助が悟りへ至るというようなサクセス・ストーリー(?)ではなかった(ちょっと不満ではある)。
宗助が禅寺という世間とは隔絶した世界にいる場面以外は、特に積極的に世間と接するでもなく、横町で御米と二人、お互いの傷を舐め合うように暮らす様子が、ただ淡々と描かれる。派手な演出はなく、全般に地味な印象。明治の頃の話というイメージが最初から頭にあるからか、頭に浮かぶ映像は色彩は淡く、どちらかというとモノクロームに近い。
朝日新聞に連載されていたという(明治43年3月から6月まで)が、新聞小説向きじゃないような気がしたが、当時の読者はどんな感想をもってこの連載を読んでいたのだろう?中学以来久しぶりに読んだ漱石は大人の小説でした。