紙の本
「20世紀最後の真実」と「傭兵部隊」の間の本
2022/05/04 19:38
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「20世紀最後の真実」と「傭兵部隊」の間に出ている「国際ジャーナリスト」落合信彦の本。今でも新本で買えるんですね。
「「陰謀」大全」によると「集英社に入りたての若い編集者が何度もイスラエル大使館に足を運び、取材相手へのアポイント取りをしてもらったというのが“真実”なのだという」本だそうだ。イスラエル側も「20世紀最後の真実」なる「トンデモ本の世界」で有名になった?ズンデルの「情報」に基づくホロコースト否定論を書き飛ばしたライターを受け入れるのもどうだが、編集者は何度も事情を聞かれたのではないか。例えば「ラスト・バタリオン」についてとか登場する「アーリア人の英雄」についてとか。
この本より20年近く後の本だが、クノップの「ヒトラーの共犯者」にはモサドがアイヒマンの居所を確認したにも関わらず、ハレルは情報に不信感を持ち、無関心になって捕まえるまで3年ほど野放しにしていた、とある。この本で書かれている事柄とは随分と違う。「傭兵部隊」に出てくる、傭兵がメンゲレを殺す話しを蹴ったという中に「ゴルゴ13」に出てくるようなネオナチ組織に一生追われるのでビビったから、というのもデタラメなのと同じ。メンゲレには、そんな組織などついていないが、「20世紀最後の真実」の種本の「復讐者たち」に彼は裕福な実業家が実家だと書いてある。実家から仕送りしてもらって「戦っている男の真実」では様にならないからか?
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日本人ジャーナリストが取材したイスラエルの諜報機関「モサド」についてのレポート。第2次大戦後、アルゼンチンに逃亡していたナチ親衛隊幹部を逮捕して自国での裁判に持ち込み、ミュンヘン「黒い九月」事件の黒幕たちを処刑していったことで、「世界最強」と言われる諜報機関です。
長年虐げられてきた民族は警戒を怠らないし、敵に対する執念も強いものがあります。
「目には目を、歯には歯を」とう旧約聖書の文言はもともとユダヤの民の物だった事を思い出させずにはいられません。
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イスラエルの諜報機関のモサド。その組織は,CIAにもKGBにも負けぬ力を持つ。モサドを作り上げたイサーハレルなど元モサドの有力なメンバーに落合信彦がインタビューする。
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イスラエルの諜報機関、モサドについての一冊。
著者落合信彦が歴代のモサドエージェントを相手に行ったインタビューに基づいているからただのノンフィクションよりは面白い。
スパイの世界なんて、程遠いものだと思っていたけど、なんて世界が狭かったんだろうと反省。
緊迫してる中東情勢。イスラエルという小国を支えてきたモサドの働き、エージェントの愛国心、全てにおいてスペックが違っていた。
コーエンがシリアに捕らえられた後の拷問。文章を読んだだけでも、恐ろしい。
中東についてもっと勉強したくなりました。
世界を見る目を養えたいと、思わせる落合信彦の一冊。
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〇おすすめ
■相当に古い本だが、下記のモサドの生き証人のインタビューが掲載されている点で価値が高い。このユニークな機関の内実と人間模様が語られており、そのモサドのリアルな存在が垣間見れて興味深い。
・イサー・ハレル - “ミスター・モサド”と呼ばれた男
・メイアー・アミット - イサー・ハレルの後継者ナンバー・ワン
・ウルフガング・ロッツ - 諜報史上、永遠に輝くモサドの星
・「モサド」は 『諜報及び特別工作機関』というヘブライ語の略。
・ある人々は諜報の歴史の中で三人の巨人を挙げるとすればそれは、ソ連のベリア、アメリカのダレス、そしてモサドのイサー・ハレルであるという。
・モサドスカウトの基準、①人間としての尊厳と正直さを持っていること。②愛国心に駆られていること。③粗末な生活様式に徹しきれること。既婚者であるなら家族を大切にしていること。④本当の能力をもっていること。
・真の憎しみは決して言葉に表せない
・モサドに関する限り、一人のエージェントの命は万人の命に匹敵するという哲学で貫かれている。
・急激に政治信念を変えられるの人間は2種類しかいない。敵のスパイかオポチュニストだ。
・アミット「政治はもうこりごりだ。なぜなら、政治家はなにをするかよりもなにを言うかで判断されるからだ」。
・普通諜報界での得る情報の八〇パーセントは、雑誌・新聞・ビジネスマン・政治家など、「出処がはっきりしている情報-オープンソース-だ」。
・アミット「諜報界においてはビジネス界同様、人間関係が最も大切である」。
・MI6 = 俗に言う『女王陛下のシークレットサービス、SIS』である。
・イスラエルでは、家を建てるときまずシェルターを作ってからでないと建築許可がおりない。そのシェルター建設に政府の補助金がでるシステムになっている。
・イスラエルでは、二人の人間が政治の話をすると三つの意見が出て四つの政党ができると言われているほど国民の間に意見の相違がある。
・拷問にかけられて話さない人間は一人としていない。
・小さな真実を大きなウソでかためてしまうのだ。
・本部への送信で、私はかならず一字だけわざと間違えたスペルで送っていた。ミスさえあれば私の送信は自発的かつ確実なものとわかる仕組みだ。そこから、なんらかの圧力で送信させられたりする場合はミス無しで送る。そうすると、圧力側は疑わないし、味方は偽のメッセージであるとわかるわけだ。
・スパイには大きく分けて二つの違ったタイプがる。①地味で目立たない人間 ②外向性の持ち主で誰にでも認められるタイプだ。
・インテリジェンスの本来の意味は『知性』である。知性とは頭脳を使って物事を分析し判断する能力だ。
・イスラエルには、二つの絶対的必要要素がある。ひとつは、国民一人一人が持つ生存へのあくなき執念であり、もうひとつは、その執念を実際に活動化し、情報によってイスラエルを鉄壁の守りで固める世界最強の諜報機関モサドの存在である。
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叔父が、私のユダヤ感って本を出版していました。
当時、アメリカの街角にたたずむユダヤ人は始め少し不気味な感じを持っていました。
なぜ、叔父はユダヤについて随筆したのか?小学生の私にはわかりませんでした。
その本には「モサド」の文字が、やたらと出てきていたので、気になっていたのですが、そのことも忘れ物心ついたときに、この本と出会ったのです。
それは、ダビデの紋章に「モサド」の文字。体に電気が流れる感覚。
内容も、期待以上。いや、私には何もわかってなかったことを思い知らせてくれました。
忘れもしません。私が、落合信彦に出会った瞬間です。
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現実に映画のような危険任務を行うスパイ組織があるのか!と読んだ時は驚愕でした。
敵国に捕らえられた時の拷問の口述部分が凄すぎる!
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国際情勢を多く描くフリージャーナリストである著者による作品。友人の薦めから読んでみた。
イスラエルという国の成り立ち、国民のもつ危機意識、そして国・国民を維持することを使命とする諜報機関モサド。アラブの春という形で急展開したが、中東情勢については歴史書を読むよりも本著を読むことで本質を的確に把握できるのではないか。
いつ自国が消えて無くなるかも知れないという意識をもつ同国の状況について、モサドエージェントへの取材内容で展開される形がリアリティを一層強めている。
環境へ適応できない生き物は排除されるという生物の本質は、国であってもビジネスであっても共通項であると感じる。変化に適応するだけの努力と結果を残したものが生き残れるのだと。
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小学生の頃、こういうモサドの本を何冊か読んで、スゲーって思ったんだよね。
スパイってホントにいるんだ、って思ったし、どちらかというと、作り物の小説より、現実のほうがスゲーな、現実の話の方がおもしろな、というカンジは、その頃からあったのかもしれない。
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イスラエルの諜報機関モサドをインタビュー形式で。
モサド幹部や諜報員の生の声なので迫真に迫ってます。
モサドが行ったいろいろな活動が克明に記されていますが
やはりアイヒマン誘拐とウルフガング・ロッツによる
エジプト諜報活動でしょうか。
とにかく読んでいると時を忘れるほど
読み応えのある本です。
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CIA、KGBよりも優秀とされたイスラエルのモサドはなぜ優秀なのか。初代、2代長官、そしてトップエージェントへのインタビューからその謎に迫った迫力ある実話です。正に007ばりの活躍、ただし、007と異なり、「女」には要注意とのことです。それだけにエージェントがオリエント急行で知り合った女性と結婚した実話には引き込まれます。イスラエルへの強い忠誠心などの他に、世界各国の文化・言語に通じ、その国の人そのものである人が多いこと、がその秘密と聞いてなるほどと思います。4度の中東戦争勝利の背景のほか、アイヒマン逮捕作戦、エンテベ空港救出作戦、イラク原子炉空爆など歴史に残る多くの成功の影にモサドの活躍があったことを改めて痛感しました。
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エッセイやインタビュー等はあまり好きなジャンルではないので、はっきりいって全く期待しないで読み始めた。この本、ずっとただのインタビューのみ。
モサドや中東問題に興味があったわけでも、知っていたわけでもないが、気づくと夢中で読んでいた。この本は1984年発行、2014年に再出版。未だに続いている中東での混乱、内戦、戦争は、本が発行された年と全く変わっていないのではないか。30年以上前とは思えないアットタイムな時事問題とモサドの謎をインタビューという形でありながら完結で読みやすくなっている。この貴重なインタビュー記録は後世に残されるべきで、子供や学生にも幅広く読んでもらいたい。
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世界最強といわれる諜報機関モサドについて、関係者3名に対するインタビュー形式で書かれた本である。
モサドがなぜ最強諜報機関といわれるまでになったかが理解できた。
この本を読み、モサドを生み出したイスラエル、中東情勢への興味を掻き立てられた。
自分の興味の幅を広げてくれた本として高評価とした。
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30年以上前の本なので中東の景色は当時と随分変わってしまったが本書の凄みは色褪せない。
モサド創設者のイサー・ハレル氏、現モサドの潮流を築いたメイア―・アミット、伝説的モサド・エージェントであるウォルフガング・ロッツ氏という錚々たるメンバーへのインタビューにまずは驚かされる。特にハレル氏がジェームス・ポンドを「稚拙」と一蹴するのは本物ならではの説得力がある。インタビュアーとしての落合信彦氏も緻密な周辺取材と事実調査を重ね十分な勉強のうえ鋭い分析と見解をぶつけて良い回答を引き出しているのも印象的だ。
本書を読むと日本人にとっては理解が難しい中東問題の「緊張感」が伝わってくる。ユダヤ人国家建国を渇愛しながらもイスラエル・パレスチナ問題を抱え、国境線を隣して抹殺を公言する4カ国に囲まれる複合的且つ非常に不安定な要素がモサドを世界最強クラスの情報機関たるものにしている。ハレル氏がモサドの優秀な諜報機関たる理由を落合氏から聞かれたとき「そうならざるを得なかった」という回答は重みのある象徴的な言葉だ。平和を獲得し維持する対価は決して安くはないのである。
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心に残る一節
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アイヒマン作戦が最も私の印象に残っているのはそれが危険だったからとか、国際法を犯すほどの大胆なものであったからという理由からではない。あれよりも何倍という危険なミッションはいくらでもあった。あれは危険度が最も低かった作戦とさえいえる。あの作戦が印象に残るのは他の作戦とその性格が全く違っていたからだ。あの殺戮者を犠牲者たちの前に立たせ裁判にかける。そのために彼を捕まえ無傷のままイスラエルに連れ帰る。その仕事をモサドが託されたのだ。これ以上の”ホーリー・ミッション”があろうか。