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この本のタイトルに10年以上前に読んだ、精神科医の春日武彦先生の著書「病んだ家族散乱した室内」に登場したゴミ屋敷探訪の様子を思い出しました。最近NHKの特集番組でも取り上げられるゴミ屋敷!そこに住む人々の実態は?
というと近所迷惑な人々・・関わりたくないとか単なる興味本位で捉えられがちですが、ゴミに埋もれて住むという普通ではない生活に至るプロセスはその結果が異なっても、決して自分だけはこうならないという保証はどこにもないといえます。
副題にある”孤立死を呼ぶセルフネグレクト”のセルフネグレクトという言葉は聞きなれない言葉ですが、直訳すれば自分自身への虐待ということになります。この場合の虐待という意味はむしろ消極的に「自分自身の放置・放任」ということになるそうですから、消極的な自殺とか自傷行為という概念になると考えれます。そのため、孤立死というあまり望まれない臨終の場面を迎えることが多くなり社会問題になるのです。
著者は、保健師をしていた時の体験を基に、事例を紹介し、セルフネグレクトに陥る実態を分類していますが、様々な事情が関係していることが分かります。
この中でも意図的にセルフネグレクトを行っているケース、例えばこのままにすると生命を脅かすことが明らかでも「俺のことはほっといてくれ!」などと援助を拒否する人々の扱いは現場ではいちばん頭を痛めます。
ここで、生存権という憲法用語に比して「愚行権」という用語が印象的でした。それは他の人から愚かな行為と評価・判断されても、個人の領域に関する限り邪魔されない権利とありました。米国では意図なセルフネグレクトは支援の対象からはずされるとのことですが、ここで著者も述べているように、日本ではこれには違和感があります。単に自分で決定したこと、つまり自己責任としてしまうのはやはりあまりにも情がない対応ではないかと思うからです。昔から地域での互助組織を向こう三軒両隣といいますが、多少おせっかいでも助けを必要とする人々に手を差し伸べる、また、助けを求められる関係を築くことは大事だと改めて思います。そして、自分自身を大切にすることを誰もが行えるためには周囲の温かい愛情が欠かせません。この世に生を受けた貴重な存在であることを誰もが忘れないでいてほしいと思いました。
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「セルフ・ネグレクト」聞きなれない単語である。でもなんとなく想像がつかない? 自分で自分に対する行動を放棄する。消極的自殺。
この本に淡々と書かれている事例は氷山の一角だし、さらに一角ですら突き詰めるともっとすごいものが出てきそう。
もちろん、これを読むだけで解決はしないし、各自で考えるものだから。きっかけとして老いも若きも一度知っておくといいんじゃないかな。と思いました。
オススメ
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実家の隣がゴミ屋敷なので、ゴミ屋敷住人のことをレポートした本
なのかと思って手にしたのだが少々違った。
ネグレクト。子供の虐待事件ではよく聞く言葉だが、本書が取り上げ
ている「セルフ・ネグレクト」は高齢から来る身体能力の低下や、
認知症が原因となり自身の生活に対して極度に無関心になることだ。
それがどんなことを引き起こすのか。衣食住に関わることをすべて
放棄し、発見が遅れれば孤立死に繋がる。
そんなセルフ・ネグレクトの研究の歴史、具体的な歴史を簡潔に記述
している。
以前、お笑いタレントがゴミ屋敷の住人を説得して一緒に片づけをする
というテレビ番組を見た。今思えば、あの番組で取り上げられたゴミ屋敷
の住人はこのセルフ・ネグレクトに該当するのではないだろうか。
自分に誰かの手助けが必要なのかを認知出来ない。プライドが高くて
支援を求められない・支援を拒絶する。親族を失ったことから来る
喪失感から無気力になる。家族・親族からの虐待で「自分はいらない
存在だ」と思い込まされる。
原因は様々だが、そう遠くない将来、私自身がなってもおかしくはない。
そう考えるのはいささか怖いのだけれど。でも、セルフ・ネグレクトは
誰にでも起こりうることなのではないか。
「死後○日経って発見されました」。孤立死を伝えるニュースは後を
絶たない。ライフラインが止められても、個人情報保護法の壁に
阻まれていると著者は言う。
情報は守られても命を守ることが出来ない。電気・ガス・水道と言った
事業主と、福祉などの行政の連携が取れるといいのにな。
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タイトルは、キワ物紹介のようなイメージを受けるが、内容はきちんとしています。
「セルフ・ネグレクト」という言葉を初めて知りました。
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【今日の一冊】367.9||K56
現代の病理に迫る画期的な書。
http://www.auelib.aichi-edu.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00595900&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
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自分の面倒をみない・みられないような状態を、セルフネグレクトというらしい。
自傷ではないほったらかしのネグレクト。
図書館でちらっと読んで、これ私やばいかもなあと思って借りた。
が、「セルフネグレクト」の範囲が広すぎて、なにを問題視したいのかわからない。
加齢や病気や障害が原因で能力的に「できない」ケース、
意欲や希望が減退したり過剰に遠慮したりでできるはずなのに「しない」ケース、
経済的能力的な問題で自分ではできないから支援を求めたけれど援助の対象に「してもらえない」ケース、
などを全部セルフネグレクトとして扱っては、単に自己責任の範囲を広げてしまう。
困難に気づかれないケースは社会的ネグレクトというべきで、特に支援を求めるためのハードルが高すぎるのは社会システムの問題だ。決して「セルフ」ではない。
依存症や認知症や障害によるケースを含めるのにも違和感がある。
自力で自分の面倒をみることができず、支援要請もできない状態を「セルフネグレクト」と呼ぶのなら、無視される赤ん坊だって「セルフネグレクト」ということになってしまう。
見過ごされる病気や障害をテーマにしたいのか、
届かない援助の制度を問題にしたいのか、
それとも自分を大切にできない精神状態に光をあてたいのか。
「セルフネグレクト」の定義をもっとしぼらなければただ問題を並べ立てただけで終わってしまう。
たとえるならばウイルスか副作用か熱中症かアレルギーかといった要因や、体調も年齢も考慮せずに、発熱という症状だけを語っているような感じ。
ある種の困難を抱えた人を気にかけているのはわかるけれど、結局何がしたいんだかわからない。
データの読み方もゆるくて分析や検証があやしい。
・高齢者が自分の面倒を適切に見られない場合、イギリスでは医療やメンタルの問題に分類する。アメリカでは高齢者虐待に分類する。
能力の問題、環境の問題、意欲の問題、ケースによって違うとはいえ虐待者がいないなら「虐待」ではないと思うんだけどな。
動けない被害者への虐待の場合、一番重要なのは「虐待者を」どうにかすることだ。
社会が支援を与えないなら社会環境をどうにかすべきだし、意欲の不足によるものなら本人を(が)どうにかするしかない。
生活保護を受けられなくて医療費より食費を優先させたい人の体調不良を「セルフネグレクト」と言ってしまうのは絶対違う。
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『ゴミ屋敷』というタイトルだけ見た時は、まさか自分に関係ないと思い読み始めたら、そうでもなくて驚きました。
サブタイトルは、『孤立死を呼ぶ「セルフ・ネグレクト」の実態』とあるとおり、誰にでも訪れる可能性のある ”孤立死の本” です。
まず「セルフ・ネグレクト」ってなんだろう?と思いました。
個人的に分かり難いカタカナ語は苦手だし、広く一般的に普及させるのに、余計な時間がかかるので、どうしてこうも分かり難い名称を使うのだろう?と不思議で仕方ありませんが、本書はその謎も丁寧に解説してあります。
個人的に、セルフ・ネグレクトは、”孤立死の前段階” だと理解しました。
老化や病気で体が思うように動かなくなり、無気力、自分は駄目だ、生きる資格がない、死にたいという思想から、部屋を片づけなくなり、ゴミ屋敷と化す。
心理学の本や、犯罪の本、うつ等の本を読んでも、掃除できない人、物が必要以上にある人は、なにかの兆候だったり、SOSのサインでもあると必ずでてくるので、自分でも気をつけようと思いました。
私は掃除する時間があるなら、本読んでいたいと思うのですが、大量の本をどうにか整理整頓しないといけない!と強く感じました。あぁ。。。
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ゴミ屋敷の話よりセルフネグレクト寄りの本だった。
セルフネグレクトは自分で決めてしまっているから、それへの援助が自由との兼ね合いで難しい。
でも本当は生きたいんじゃないのかしら、という視点に立って援助するしかないんだなあ。
・セルフネグレクトは自傷とは違うけど、長い時間をかけて生命を脅かす行為
・特に高齢者に起きやすい からだが動かなくなるのに他人を頼っては申し訳ないと思うから
自立心と機能低下との兼ね合い
・孤立
・自傷とも似ているのは、死にたいくらい辛いこと
・人と関わるのが得意でない人も予備軍
・セルフネグレクト対策も、結果は似ていても、関わりかたが全くことなる事例が存在する。人くくりはだめ
・本人は何一つ困っていない、という。だから、望みを叶えるかたちでの支援(寒い間、少し暖かいところに泊まりませんか)が効果的。その人の人生を否定することに繋がりにくい。家は人生の積み重なりだから。
・コドモとしての責任を果たしたいからやらせてほしい
・わたしが心配で気がすまないから、このサービスを受けて欲しい
お願いする。すぐにぜんぶ解決はしないから、目の前の困りごとを解決しながら、プライドを尊重して反感をかわないようにする。
戦略だなあ
巻末にチェックリストあり。
親が心配になった。少しずつ、過ごしやすいように、寂しくないようにしていかなくちゃ。
セルフネグレクトは、会話の少なさとか、疎外感、孤独が燃料になっていそう。
断捨離とも一緒で、生き方を否定しない、そして寂しくない清潔な生活ができるといいのだろうなあ。
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マスメデイアで時々話題になるゴミ屋敷。怖いもの見たさで買ってみたんだけど、読んでみて、これは身近で切実な問題であることに気づかされました。セルフネグレクト、孤独死ということ。
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著者は看護学博士。
ゴミ屋敷問題単体ではなく、
広くセルフ・ネグレクトについての調査を纏めた本。
セルフ・ネグレクト=自己放任とは、
自身の生活そのものに対して無関心になり、
環境と健康状態を悪化させることを指し、最悪の場合、孤独死に至るという。
疎外感を募らせるあまり、
無機物に縋って収集癖をこじらせる人は世に数多いて、周囲から問題視されるが、
そうした「汚(お)屋敷の人」すべてが精神疾患とは限らず、
「こういう溜め込みパターンの人は●●症候群だから、かくかくしかじかの治療が有効」
といった対応法も確立されていないそうだ。
で、並べて語るのは少し不謹慎にも思えるのだけど、
真面目な性格で、しかも生前の母親から精神的にきつい縛りを受けていた若い女性が、
ちょっとした躓きから部屋に籠もり、その場をゴミ溜めへと変貌させてゆく――
という呪みちるのホラー漫画を連想した。
私は、大人だったら地域のルールに則って
「ゴミの分別ぐらいパーペキ(パーフェクト×完璧の意)が当然」主義者だが、
よその話を聞くと、
アホですかと言いたくなるくらい仕分けが煩雑なケースもあって、
それじゃあうんざりして投げ出したくなるのも無理ないかと
同情することも、ないわけではない。
そんな風に困ったときには、家族一丸となって問題を解決するなり、
家族だけで足りなければ猫の手も借りて……というのは冗談だけど(笑)
とにかく万事あまり深刻に考え過ぎないで、と思った次第。
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その本質は「セルフ・ネグレクト」について。老人ネタだけなのが不満ではあるが「気力を失った人々」と読み替えることである程度補完はできる。人生を諦めてしまうという大元の問題は共通していて、そこに至るまでの様々な問題が個人差大きく、また周囲から気付かれにくいという難点があり(プライバシーに関わるので当事者が強く嫌がり、他人が踏み込み辛いという問題)、完全な解決には時間と法的整備が必要だなあという感想。
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○看護師、保健師で、高齢者ケアなどに関する著作・論文の多い岸氏の作品。
○社会問題となっている「ゴミ屋敷」に住む人々について、著者自身の経験を踏まえ、具体的な事例や原因、対応策などについてまとめたもの。
○いわゆる「ゴミ屋敷問題」のうち、本書では、特に高齢者(又は障害者)によるゴミ屋敷問題を中心に捉えており、その大部分は、認知症を原因とするものが多いということ。
○これからの高齢社会の進展を見据えると、さらにゴミ屋敷も増えてしまうのだろうなと心配になる。
○最近は、空き家問題なども話題になっているが、それも高齢者による各種対応がままならないことも要因なのだろう。
○著者のように、介護や看護を中心とするソフト面での対応が必要なのはもちろんだが、不動産の仕組みや制度などのハード面も、高齢社会を見据えて必要な見直しをした方が良い時期にきている。
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自尊心を壊すのは簡単だが歳を取ってから自尊心を外からつけることは可能だろうか。とても難しそうに見える。
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セルフネグレクト、自己放任により健康や安全が損なわれていく。ゴミ屋敷はそのわかりやすい例。
セルフネグレクトがテーマ。一般的に認識されていない言葉なので、ゴミ屋敷をタイトルにしたのでしょう。
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もうちょっと個人の事例と言いますか、孤立死の実情みたいなのを知りたかったなぁ…という感じですけれどもまあ、そこは著者も言っているように「個人情報保護」だとかね、そういうのが意識されるようになってきた世の中ですから、なかなか難しいのが実際のところなんでしょう…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
というわけで、孤立死を防ぐためには云々…みたいなね、対策がズラズラと並べられていた気がしますけれども、細かいところはもう忘れました♪
という感じでですね、ゴミ屋敷になってしまう人っつーのはこう…「生きる気力が低下した人たち」ですね! 高齢ともなるとやはり身体も衰えてくるでしょうし、自分の死期? というのもなんとなく意識して来る頃でしょうからアレですね、地域・家族から孤立している人なんかはどうでもよくなってしまうんでしょうなぁ…
などとまだその年齢になっていない僕ですけれども予想してみます…。ま、著者同様、こうした人たちは今後ますます増える一方でしょうから、国も本気になってですね、対策を考えていかねばと思いました…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー