紙の本
皮肉屋らしく面白い
2013/08/17 14:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:英現堂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
そう言えば彼が所属している3人でやっている会社名も「ゼント」という。書名とかぶっているが、関係ないか。古市憲寿は、一見なよっと、ふわっとしているが、なかなか冷静だ。というか冷静過ぎるくらいだ。
本書の内容は今はやりの?<起業>について。社会学者らしく、そのネーミングの由来や世界と日本の状況を歴史的に解き明かしていく。注記もいっぱいあり、それを読んでも皮肉屋(本人の弁)らしく面白く書いている。現在起業して成功している人の紹介や、なんで起業したかも説明している。
誰でも起業すりいいってもんでもなく、また出来ない。ある種の専門性があり、それにお金を払ってくれる人がいてるか、ということ。いずれにしても自分の好きなことを勉強して、それが職業とすることが出来れば最高だ。
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雇われる、雇われない働き方関係無く、自由な選択が出来るのが今の若者である。起業に関しては、能力と人脈とヤル気かある方が良いと言っているようです。
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僕たちの前途の“僕たち”に、僕は入っていなかった。古市さんのまわりにいる、文字通り“僕たち”。彼らの生き方がうらやましい。
仲間たちで仕事をする、なんて夢みたいな言葉だろう!
起業、独立、フリーランス、言葉はなんでもいい。やりたいことをするためには、他人がほしがる専門性が必要だ。それができる若者たちだけの、今日的な生き方について。
これからも、例えば僕たちが30代になったころにも、どんな生き方ができるか、それをずっと見つけていってほしい。
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「絶望の国の幸福な若者たち」の続編ともいうべき内容。前作同様筆者独特の皮肉なコメントも健在である。
ただ今作では筆者の置かれてる環境が紹介されていたが、私は筆者の立場がとても羨ましく感じた。
是非その立場を生かして次は今作以上のものを書いて欲しい。
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前途多難、という時代に生きていることを忘れてはいけない。
という内容だったとおもう。それに対する提言は読み取れなかった。
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イノベーション!モチベーション!未来を切り開け!
と叫ばれるのもなんだかキツい
とはいえ先行き不安で、あれもこれも問題だらけ
というのもキツい
そんな時に「ちょうどいい」安心感を与えてくれる。
そんなに悪くもないし、そんなに良くもない。
読んだ後に「まぁいいんじゃないか。この日本。」と思えるのは、淡々とした目線だからなのかな。
相変わらず脚注が(も?)面白く、鋭い生の言葉に目が覚めることも。
明日もがんばるか と思える。
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相変わらずな口調で、わかりやすく説明してくれる。
今回のテーマは『起業する若者』。
起業って言っても、「社会を変えてやるぜ!役に立つぜ!」的な形ではなく、「仕事をする上で法人になったほうが良いから起業しましたよー」的な人にスポットを当てていました。
企業推奨本ではないけど、そんな働き方もありじゃない?っていう、古市節でした。
個人的にすとんときたのは、「専業主婦の歴史は浅い」という点。
農家や自営業が多かった時代は、家族みんなで働いていて、もちろん女性も働き手のひとつだった。
専業主婦って最近で、世界で見ても珍しい職業なんだっていうような内容にすごく納得した~
だってさ、自分だけでも生計たてるの結構大変なのに、結婚したら急に倍になるんて、男の人大変すぎじゃない?と思っていたので。
育児とかも大変なのだろうし、働かなくても生きていけるにこしたことないけどね!
まだ読んでない『希望難民~』も読みたいな(*´∀`)♪
誰か貸してくれませんか?笑
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なんか、うらやましいぞ。起業、起業家というテーマから、若手の社会学研究者が働き方について語る。
前著『絶望の国の幸福な若者たち』が気に入ったので、読んでみた。前著もそうであったが、全体的に軽く少しシニカルな語り口で社会について語るものであり、学術的な専門書という雰囲気でもなく、それでいて、単なるエッセイという風でもなく、位置づけは少し難しい。単純に、語り口に対する好き嫌いもあるだろうし、色々と評価がわれそうだ。
僕は、自分たちが普段語っている言葉に近い語りで、何かを論じてみるのも良いのではないかと思う。あと、脚注が良い。笑わせようとしているのなら、概ね成功だ。
起業という言葉は、確かに、何か「カッコよさ」と結びついて語られてきたように思う。実際、本書の前半で示される「起業家」達の姿は、カッコよく、正直に言ってうらやましい。
一方で「起業」が誰にでもできるものではなく、さほどスマートなものでもない事を、僕は、一自営業者として何となく知っている。人にはお薦めしない。
今の日本はサラリーマン社会といって良さそうだ。僕自信はあまり言われなかったが、しっかり勉強して、良い会社に入って、ということは、子供のころから度々まことしやかに語られてきたことだ。しかし、日本人の働き方がどのように変化してきており、会社勤めが当たり前の時代はいつから始まったのか、言われてみると確かに僕は良く知らなかった。
どうしてそうなったのか?今後どうなっていくのか?サラリーマン以外の働き方を増やしていくためには?そういうことを考えてみるきっかけに。読みやすい本。
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社会学者というポジションを忠実にこなして書いたような内容。
今の若者の仕事観、生き方を幾つかの著者の周りの人のケースから考察を入れている。しかしそこに何らかの結論があるのでもなく、いくつかの捻った切り口ばかりを提示して、こんな世の中なんだなあ、というのを感じさせる読み物的なもの。
・今の環境は世界的にみればモノが充足し、恵まれた環境だ
・大企業という選択はもう過去のベストチョイスであり、今の時代には疑問符。
・かといって、夢をひたすらに追う様な生き方は、必ずしも幸福には結び付かない。それで成功できるのは一部の限られた人。
など、もろもろの所感が散りばめられている。未来が明るいのか暗いのかもよく分からない読後感があり、何か結論を求めたい人には適さない本だが、考察に対して共感を抱くところは多々あり、非常に面白い。
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前半→起業の実例と考察
後半→起業や労働に関する日本の
歴史を振り返り、現代の様々な状況から前途を予測する
わかったことは以下
起業をするには、人脈、金脈、技脈が必要
また、一過性のものではなく継続的に発展していける技術や商品が必要
さらに社内には気の合う(志を同じくする人、一緒にいたい人)、強いつながり持てる人を置き、社外には自分とは違う世界の人達のようにゆるいつながりを持つことが大事であること
「会社は国家なり」という言葉がピッタリと当てはまるくらいに国は企業に社会保障を丸投げしてきた日本において、会社に入らない選択や会社を辞めるという選択は下手をすれば死を意味する
と同時に「学校経由の就職」や「新卒一括採用」という硬直的な制度を長年保証してきたが故に起業リスクが高まり、制度や法律を、いかに整備しても起業率は上がらない(起業率の低さは豊かさの象徴で雇用機会がある程度保証されているからともいえる?→実際そうは感じない)
さらに、不景気で会社の体力が無くなり、若者の雇用環境の悪化や貧困化が問題になる中でそれが顕在化しにくいのは「家族福祉(親が子供を食わせる)」の影響
日本人というだけで世界的にはエリート
ex.ビザなし渡航できる国が165カ国で世界5位、中国は41カ国
印象に残った言葉
東大学食の東大生の言葉
官僚になるなんて、官僚にしかなれないガリ勉のすることですよ
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おそらくぼくこそ希望難民にカテゴライズされるタイプの人間だ いや元、希望難民と言いたいが… 過去の自分を知るような気持ちで楽しく、イラつきつつ読ませていただきました
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久々に読み終わるのが勿体無いなぁ〜って感じた本。
今後も生きていく上で自分たちの「働き方」について、今の僕達の古い考え方を変化させて生きる(働く)必要があるんやと再確認。
人それぞれの価値観で、自分は自分の方向性を信じて働くのみ。
大企業志望の新社会人とか就活生とかにはオススメ出来ませんw
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関心のあった後半部分をまず読んだ。前著(絶望の…)と同じく、脚注が秀逸(笑)。「専門性」の部分など、自分の中でモヤモヤと感じていたところを分析してくれて分かりやすかった。トランポリンの例えも分かりやすいが、再生産論(今もそういうのか分からないけど)とかが頭にないと、すんなり分からないかも。島耕作との対談、社長より課長時代の島耕作の方がおもしろかったかも…。
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いろいろと考えさせられる本。
前半で紹介される「起業家」たちがいかにお金を得ているか、とか、中盤以降のこれまでの働き方と社会環境の変化とかから導き出された、働き方のスタイル…起業するとか、ノマドとか、会社に雇われる、とかは、「働き方」の本質ではないよね、という話が非常に印象的。まさに、僕らの前途に拡がる街で、こんなふうに暮らしている人がいて、そこはこんな景色よ、という地図のような本。
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古市さんは、テーマの着眼点や、馴染みやすい文章、直接本人を追うことによるリアリティさが自分には魅力的な社会学者さんです。
登場する起業家のドキュメンタリーを読んでると、例えば音楽がアルバムでなく一曲単位での購入が可能になったように、今後は企業の取引相手が企業というパックではなく個人ということになっていくんだろうか。と考えさせられた。
さらに、そうやって職人化していく個人と繋がって行こうと思えば、必然的に人とは違う強みが必要となってくることを痛感。それを表現したRPGのパーティに見る「弱いつながり」と「強いつながり」の例えはすごく納得できました。