紙の本
易々と同調してはいけない
2015/03/26 11:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読むのはB層に当たる人たちが多いと思うけど、本当に危ないのは そのなかで自分がB層ではないと思い込んでいる人たち。やっぱり、俺もそう思っていた的な勘違いに陥る輩が増えないだろうか。読んでてずーっと著者に対する批判的な姿勢をあえて崩さないようにしてきた。そう易々と同調してはいけないよね。距離を。
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なんだこの本と思って手に取ってパラパラ読んでいたら面白かったので買った。著者曰くB層について以下のように定義をしている。
グローバリズム、改革、維新といったキーワードに惹きつけられる層。あらゆることに「参加」したがり、「コスパ」という言葉を愛し、社会の「幼児化」を進めている人々。近代において発生した「大衆」の最終的な姿。
出たのが今週の18日。さまざまな方面から苦情のメールや電話が殺到するのかな。B層用語辞典を見てフムフムトと思ったり笑ったりした。いくつか取り上げる。
事業仕分けのことを「B層向けのSMショー」と説明している。あの人が、S全開の女王様で言葉の鞭でビシビシしているということか。秘伝について「公にできない理由があるもの。しかし、スーパーマーケットで売っていたりする」とある。秘伝のバーゲンセールと言ったところか。コンビニとコラボで新商品を発売するときによく見かける便利な単語。不退転について「行き詰まったということ」と書いている。あの政権は、行き詰まっているので「自分たちの生活が第一」で解散しないのが見え見え。除夜の鐘をきいても取れることのない政欲のかたまりだな。ずいぶん辛口だが、読んでいてフムフムと思った。
著者は、B層のことを、単なる無知ではなく、世の中の出来事に対して関心があり、民主主義や、平等を信じる「近代的諸価値を猛進するバカ」としている。その一方で、「良心、日常生活のしきたり、中間の知、教養」を軽く見るので、イデオロギーに萌え―となってしまう。
第3章では、「今の政治家はなぜダメなのか?」として政治家について書いている。「六十歳を超えても十代に見える生き方」として、「民主党は女子高生みたいなオッサンだらけです。政治家としての資質以前に、生物としての道を踏み外してしまったような不気味さがある」と酷評している。ずいぶん辛辣な意見だなと思った。しかし、いいところをついているので、へーと思ってしまう。
第4章で民意について取り上げている。「民意は悪魔の声である」として民意に安易に従う政治家に警鐘を鳴らしている。民意、民意、ミーン、ミーンと季節外れのセミの鳴き声に聞こえるのはこだまでしょうかと思ってしまう。世論調査と同様シナリオライターの存在が疑われる。都合よく民意と言っておけば、納得すると思っているようだ。
結構、辛口の意見を書く哲学者だなと思った。辛口と言えば、哲学者の中島義道もそうだな。「うるさい日本の私」など他と違った視点で文章を書いている人だ。
いろいろ情報があふれている現代において、メディアリテラシーは必要だ。となると違う視点から物事を見る習慣を養うことが問われる。カップラーメンと違って、すぐにできるような甘いものではない。粛々とやっていくほかないからなあ。
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政治はプロがするもので、民意を政治が汲み取る必要性が無いと説いている。痛烈な言葉で批判(罵倒)しているが、そんな著者自身も幼稚なんじゃないかと思ってしまった。批判するだけじゃなく具体的な対案を示してほしいと思ってしまった。
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小泉内閣時代に少しだけ注目を集めたB層の話。
学問的な価値はともかくとして、面白い愚痴を書き連ねた印象。ニーチェがルサンチマンを批判したがその実その批判自体がルサンチマンだったみたいな内在批判があれば面白かったが、そこまでは掘り下げてはいない。近年のこの手の書籍はネットのブログの愚痴とあまり大差ない感じがする。
B層を批判している人その実B層だったってオチに見えてきたのは僕だけだろうか?
あと、ルソーの一般意思に関する記述に疑問。一般意思って結構難解な概念だし、ルソーの時代では実体化出来ない机上の空論だった。
今もまだ無理だとおもうけど・・・・
その後の人間が散々誤読して世の中混乱したんだけどなぁ・・・・
まぁそれらを差し引いても、エンターテイメントとしては、面白い突っ込みが多い。
原口批判や橋下批判は結構的を得ていると思う。
逆説的だが、B層がこの本を読むと、自分たちのことを書いていると理解できず、自らB層批判を無自覚に行うような事態がもたらされるんじゃないかなぁ(笑)
つまり本書の主張がある程度人口に膾炙すれば、B層の層がより厚くなるという逆説・・・
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方向性については深く賛同できるが、いくつか感情が迸った文章が見られたのが残念。こういう部分があることで、そこに着目したしょーもない批判が為され、全体を通した思想についての議論がなされくなることを懸念する。
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日経新聞の広告に乗っていた書籍に興味を覚えて購入した。内容は哲学書というよりも現代社会への圧倒的な気持ちいいほどの批判。特に橋本氏、小沢氏などへの批判は気持ちのいいほどの辛辣さである。
著者の示すB層に自らが該当するか否かは気になるはの序盤である。読み進めるうちに読者はすべてB層に該当してしまうように感じてしまう占い師の言葉のような不思議。新しい築きも気付きもなく、あるのはただ言説での破壊のみである。本書についてはあくまでもエンターテイメントの書籍としておすすめする。
それでも、当該著者のほかの書籍も読んでみたいとも思ったりなんかして・・・
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■B層
A.B層とは報道に流されやすく、比較的IQが低い人達。
B.過去は、我々が何をしなければならないかは教えないが、我々が何を避けねばならないかは教えてくれる-オルテガ
C.「オリジナリティ」なんて近代に発生したタチの悪い幻想にすぎない。
我々は先人の遺産を改めて獲得し、時代に合わせて作り変え、それを身につけなければならない。
大事なことは「新しく」見えるものを警戒すること。
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大方の筋道は賛成できるのだがいろいろとはてなの部分も多々ある。
この定義からすれば自分もB層の仲間入りなのだろう。しかし作者の文のつくり方も大いに偏りがありB層っぽさを醸し出している。
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先の展開が気になるような小説ではないにもかかわらず、
読みやすく、かつ面白くて、一気に読んでしまいました。
筆者の歯に衣着せぬ物言いに思わず吹き出してしまったところも、
多々有りです。
しかし、本当は悠長に笑ってはいられないほど、日本の状況というのは
深刻なんだろうという感想も抱きました。
ずっと手元に置いて繰り返し読む本ではありませんせんが、こんな見方があるのだと知る意味では有意義な本です。
では、今後どうすべきかという提案まで記載されていれば、なおよかったです。
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適菜収さんの著書は、これまであまり馴染みがなかったんですが、本書はタイトルにかなり目を引かれたので、図書館で借りて読んでみました。
適菜さん、なんでこんなにも口が悪いんやろう、っていうくらいに口が悪い。そのせいか、言うてることが感覚的にも間違ってはないやろうなあということまでもが、ただ猛烈に批判しているだけで、あまり大人な文体ではないなあと思えてしまう。そこが残念。
ほかのレビューでも書いてある通り、自分がB層であるということを認められるひとは少ないのではないかと思う。本当に届いてほしいひとに届かないような、そんな気がしました。
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B層の定義は以下の通り。
>マスコミ報道に流されやすい
>「比較的」IQ(知能指数)が低い人たち
>近代的諸価値を妄信するバカ
縦軸にIQ、横軸に構造改革に対する姿勢を置き、第1象限をA層、以降B、D、C層としたそうです。
郵政選挙前に自民党が大衆を分析し、B層がボリュームゾーンであり、ターゲットとしやすかったとのこと。
B層はコントロールをしやすい。コントロールしたB層には「民主主義=全体主義」の訴えが刺さる。つまりB層が議会制民主主義を破壊する。
といった論調です。
本書では温故知新、歴史から学べと繰り返し述べています、全くその通りですね。
FBやTwitterなどで犯罪自慢をする人、我が子にDQNネームをつける親、既存のシステムをドラスティックに変えようとする人を支持する人。
確かに幼稚化が進んでいる、大人が「大人」じゃなくなってると感じます。
多分、「自分が何を知ってて何を知らないのか」を把握し、「何を知るべきか」を考える必要があるのではないでしょうか。
もうちょっとビジネスに寄った内容だと思って読んだんですが、がっつり政治のお話でした。
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徹頭徹尾、今の世の中は自分が莫迦と思っている連中が増えたからおかしくなったという、愚痴としか言いようがない物言いに貫かれており、出版社、編集者もよくこれで出す気になったなと唖然とする。一貫して統計などの客観的社会的事実を引かず、自分がショックを受けた事例のみを基に現代社会を嘆いてみせる姿からは言説に責任を持とうとする姿勢は感じられない。他人を見下して溜飲を下げたい人にはいいかもしれないが、それが世の中に求められているものなのかは甚だ疑問だ。文章も一文あたりの字数、段落ごとの文数が少なく、論理ではなく感情に訴えようとする姿勢が丸見え。こういう言説こそ、真に「B層」的ではないのか?哲学者も安くなったものだ!
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郵政民営化を問うた選挙のとき想定された概念で、国民を4つのカテゴリにわけ「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層」と定義されているB層。
自身もこの層に含まれているものとしてこの本を読んだけれど、頷ける部分もあり、頷けない部分もありというところだった。そもそも日本人という民族がはるか昔からうつろいやすい気質を持っていたのだろうなーという感想。ぼんやりしてるけど。
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立ち読みで読了。民主主義の定義がグラグラ揺さ振られた。直感的に胡散臭さを感じる政治家は信じてはいけない。B層どっぷり浸かりの自分は自分自身で脱却しなければいけないのだな。
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B層という聞きなれないカテゴライズに興味をひかれて購入。
今現在の日本に多く存在するB層と銘打たれた人々の実態を、政治や文化の面から批判する内容になっています。
しかし、内容としては批判以上に何か生み出すものがないように感じられて、著者のいちゃもんを延々聞いている感覚に陥りました。
どんな理由でそういう状況になっているのか、また現状に満足できないならばどんな将来を望むのか、といった、著者の考えに期待していたのに、本当に残念です。
文章の端々に、客観的に世の中を眺める自分への確固たる自信が感じられるのに、肝心なところに焦点が当てられていないように感じてしまいます。
教養書籍ではなく、自分語りや世間への愚痴などを連ねたエッセイとして販売すべきだと思います。