紙の本
任天堂という会社のあり方
2015/08/16 00:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
任天堂の強みは何か
ソニーやマイクロソフトと競合し
生き残るための方法がここに記されている
先日亡くなった社長のエピソードも素晴らしい
親しみある任天堂を応援したくなる一冊
紙の本
パラノイアだけが生き残る
2010/08/19 01:21
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼくは、基本、あまりゲームをしない。苦痛だから。でも、DSが出たとき、「欲しい!」と思った。いわゆる「Touch Generasin」にやられた。気軽に暇つぶしにちょうどいいから。PSPが出たとき、「欲しい!」とは思わなかった。まず、ローディングがだるい。PS2を持っていたが、主にDVD鑑賞に使用した。でも、家にファミコンがやってきた感動はあった。PS,NEO GIOが出てもロクヨンを買った。やりたいソフトがあったから(結局、販売中止だったが・・)学生時代の通学時間でAdobanceSPを購入した。やりたいソフトがあったから。PS2もドラクエ7をやりこんだりした。面白かった(結局、買ったソフトは数本だった・・)
ファミコンミニは刺激的だった。今はドラクエ9をやっているけど、面白い(めんどいけど)ゲームは能動的だ。その、衝動は心地いい。
本書は任天堂の歴史的成功(世界的革新企業)を丁寧に書いている。爆発的な人気を博したDS,Wiiがどのようなアイデアで生まれたのかは興味深かった。DSiを持っているが、使いこなせていないのが、現状です。でも、これからですからね!SONY,maicrosoftにセールス的には成功している。なぜか、それは「今までゲームをやってきた人のゲーム離れが、進んだ結果」一億総DS社会を本気で岩田社長は狙ってる。ネットコミュにケーションをはてなに「メモ帳」を託した意義は大きい。規模は大きくないが、はてなと任天堂のコラボはいい。年齢を関係なく、「表現者」にしてしまったり。
なかなか社内情報を出さない、任天堂。痛い思いをしたからね。不況だから安価な娯楽として、DSが普及したわけではない。印象に残っているのは「脳トレ」の開発。ちょうど、DSの発売日に岩田は東北大学にいた。岩田にとって、店頭でデモンストレーションをするよりも遙かに意義深いものであったから。
「パラノイアだけが生き残る(インテルの社長の言葉)まさに、そのままあてはまる。
紙の本
任天堂の面白さの理由
2009/05/27 22:46
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営陣へのインタビューと社史を中心に、ゲームメーカー任天堂の考え方を紹介する本。雑誌『日経ビジネス』の特集を元にまとめられたもの。
プロローグにあるのだが、「任天堂は外様に経営を語られることをよしとしない」(p.11)。自社の商品についての広報はしても、これまで経営について外に語ることはほとんどなかった。その点でだけも、この本は貴重と言える。岩田聡社長・宮本茂専務を初めとして、長く(1949年~2002年)社長を務めた山内溥相談役にもインタビューをしている。
話は、ニンテンドーDSとWiiという二つのゲーム機が、なぜ他社商品よりも高いシェアを獲得しているのか、というところから始まる。
その理由は、DSもWiiも、それまでゲーム機に触らなかった人、かつてはゲームで遊んでいたが今は離れてしまった人に遊んでもらえるゲーム機だから(例えば、Wiiにはアイデア段階から「お母さんに嫌われない」(p.56)というキーワードがあったという)。そのために、遊べるソフトだけでなく、本体のサイズ、入力機器(Wiiのリモコン、DSのタッチペン)、消費電力までが考え抜かれた。
こうしたゲーム機を作るというのは、それまで任天堂も含めてゲーム業界で常識だった、最新の技術を取り入れたゲーム機の設計という流れからはずれることでもある(正確には、最新の技術はゲームに触れない人に触れてもらうために活かされた)。
なぜ任天堂がそうした考えを持ち、実行できたのかを考察する中で、任天堂の企業としての考え方が明らかになっていく。
根底にあるのは、任天堂は娯楽品をつくってきた会社である、ということ。任天堂は創業当時から、花札・トランプ・玩具といった商品を製造・販売してきた。
これら娯楽品は、消費者から家電製品のような生活必需品とはまったく違う見方をされてきた。例えば岩田社長の言葉に、下記のようなものがある。「僕らは基本的にずっと役に立たないモノを作ってきました。役に立たないモノに人は我慢しない。説明書は読まない。わからなければ全部作り手のせい」(p.172)。
このような商品を作り、販売する競争の中で、任天堂にはDNAのように受け継がれる考えがあるという。同じく岩田社長の言葉より。「独創的で柔軟であること。これはある意味、任天堂の社是ですから。文書として伝わっていないだけで、山内時代から、たぶん任天堂がずっと守っていくべきこと。それから、人に喜ばれることが好き。言い換えるとサービス精神ですかね。うん。それから知的好奇心があること」(p.155)。
つまり、DSやWiiは突然変異的に生まれたものではなく、いかに受け入れてもらえる娯楽品を作るか、という任天堂の伝統的な考えの延長線上の商品なのである。
その任天堂の考え方の大きな例として、「ゲーム&ウォッチ」や「ゲームボーイ」を生み出し、「枯れた技術の水平思考」という言葉を残した故・横井軍平が紹介されている。
「枯れた技術の水平思考」というのは、既に(主として必需品用として)成熟して普及している(それゆえコストも高くない)技術や部品を、娯楽品に応用する考え方。この考え方は、Wiiリモコンなど、現在の商品にも活かされている。
こうした任天堂の考え方をコントロールし、重要な局面で決断を下してきたのが、元社長の山内溥相談役である。毀誉褒貶ある方だが、この本を読む限り、多くの人に娯楽品を受け入れてもらうための思考(山内氏は「ソフト体質」と表現している)や、どこまで努力しても及ばない運の要素を認め、結果に対し常に平静である「失意泰然、得意冷然」(p.257)という考え方など、この人なくして今の任天堂なし、と思う。
最後は、これからの任天堂についての予測も語られている。インターネットを中心に、玉石混交ながらユーザーが同時にクリエイターにもなる現状で、任天堂も新たなサービスを始めている。しかし、ユーザーによる作品をどこまでコントロールするのかなど、まだまだ整備すべき部分も多い。
これからどのようなゲーム機・ゲームソフト・サービスが生まれるかは分からないが、任天堂がなにをしてくれるのか、楽しみでもある。
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読売書評で紹介されていて面白そうだったので購入。岩田現社長はすごい!ほぼ日の糸井氏との対談は何度読んでも飽きない。
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〜必需品でないもの扱うビジネス、とは〜
■概要
独創的な商品開発の舞台裏、“驚き”を生み出す仕組み、創業から受け継がれる哲学など、同社独自の「突き抜けた強さ」の秘密を解き明かす。製品広報や投資家向けIR以外、徹底した情報統制が敷かれ、関連書もわずかしかない中、岩田社長、宮本専務、山内相談役ほか経営トップらに直接取材を行い、これまで公にされてこなかった同社の経営の中身に迫った初の本。
■仕事に役立つ点
一番印象に残ったのは、娯楽品は無くても良い。
娯楽品は飽きられたら捨てられる。
その緊張感に常にさらされ、その結果、製品が社内が磨かれてきた、という点です。
中にあった例で印象的なのは、家電製品、必需品は困ったらマニュアルを読んでくれる。ゲームは操作がつまったらそこで捨てられる。説明書は読んでくれない、という一節でした。
確かに、ゲームやるのに説明書は読まないですねぇ。
また、そんな「捨てられる」緊張感の中で仕事してきた結果、ユーザビリティはつきつめて考えられていて、Wiiのテレビの選局(電子番組表)のインターフェースが、どの家電メーカーもなし得なかったほどの、圧倒的なクオリティを得ている、という点はさすがだな、と思いました。
うちが扱うサービスというのは、極論すればなくても良いものです。
その点をもっと意識した上で、サービスやクオリティの向上につとめる必要があるな、と思ったのでした。
わかりやすさとか、楽しさとか、驚きとか、そんな要素がもっと散りばめられても良いのではと思いますね。その点の緊張感はまだまだ足りませんね。
読まれない、読んでもらえない、を前提に資料を作成しましょう。
■余談
ゲームウォッチのドンキーコングにはまってました。
人生で始めて買ったゲームがファミコンの初代スーパーマリオでした。
本当に、本当に、本当にスーパーマリオが大好きです。
最近は、スーパーペーパーマリオ、マリオギャラクシー、とWiiで2作やりましたが、考え抜かれたアイデアとその創造性にはいつも脱帽と感動を覚えます。真にクリエイティブ、常に驚きと感動があります。本当にスゴイ。
マリオもゼルダも全て好き。任天堂大好きです。(はっせー)
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読みやすい。
「ビジネス書」の入門書として、大学1年生にすすめたいぐらい読みやすい。
ロクヨン→ゲームキューブとこけて、
ほとんどのゲームファンが「SEGAと同じことになりそう・・・」と諦めていたところからの復活。
その秘密が、ここに。
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任天堂の歴史、岩田聡、宮本茂、山内博、横井軍平らの経歴、などなど。いい本だった。「天命が来るまで人事をやり尽くせ」
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なぜ他社に比べて性能が低いDSとWiiが売れ続けているのか?
その疑問にわかりやすく答えてくれています。
かつてのニンテンドー64、ゲームキューブなど過去の負の資産を、正の資産へ変えていける水平展開思想
ゲームとは映像美や音楽の良さでなく、あくまで楽しみを追及するものであるものであることを大前提とする信念が任天堂を首位に返り咲かした要因かと思います。
読み終わったあとに、装丁のデザインがWiiに似ていることに気がつきました。
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100年に1度とも言われている不況の中、躍進を続けている任天堂のルーツをたどる作品です。
任天堂の経営者として評価の高い岩田さんや、ゲーム界のカリスマである「世界の宮本」さんなどのインタビューも折り込まれていたりして、非常に読み応えのある作品でした。
それにしても、あれほど戦略を緻密に練っているであろう「任天堂」という名前の由来が、最後は「運を天に任せる」という意味からきているなんて!すごく面白い。
あと、岩田さんの在籍していた「HAL研究所」もIBMの一歩先を行くということから名付けらたなんてすごくユニークですね。
創業時の独創性をしっかり引き継いでいく文化、これこそが任天堂の強みなのかもしれないですね。
下記が印象的な言葉です。
『いつも、これからゲームに引き込もう、という人を相手に作っているので、今、ゲームに熱中している人の意見は当てにならないことがある。』
『1つのテーマについて、長くしつこく考え続けることが大切で、考え続けていることの蓄積の量が、ヒットを生んでいる部分というのもあるんだなと、私は思っています。』
『プレッシャーなんて感じたってしんどいだけ。いかに楽しく仕事するかだけを考えています』
『本来、娯楽って枯れた技術を上手に使って人が驚けばいいわけです。別に最先端かどうかが問題ではなくて、人が驚くかどうかが問題なのだから』
『ソニーやマイクロソフト、あるいはアップルが敵なのではない。最も恐れるべき敵は、飽きであることを岩田は自覚している。自らが生んだ過去の驚きが、次なる敵となることを。』
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DS、Wii誕生の経緯を知ることができます。ただ、これまでの成功体験が未来を約束するものではなさそうです。これからの任天堂がどんな驚きをもたらしてくれるのかが楽しみではあります。図書館予約数は8(09/06/13現在)です。
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DBSのマーケの授業で使用。企業研究用。
この本を読んで驚いたポイント。
・任天堂は経営理念や行動指針を明文化していない。前社長山内氏いわく「企業理念という言葉は僕は嫌い」とのこと。
→ただ、共有されている価値観はある。
クレドや〜ウェイといったように流行のように自社の考えを明文化する時期があったが、任天堂を見ると、それがいかに愚かなことかよく分かる。経営理念は必ずしも明文化する必要はない。明文化せずとも、強烈に価値観を共有している組織は強い。手段ではなくあくまで目的が重要であるという事。
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wiiをイメージさせる装丁に目を引かれ、任天堂の社風に触れることのできる本が存在することに驚き、手にとった。
任天堂、それは私にとって偉大な企業であり、プライベートでは親しみやすいがビジネスでは遠い存在。
この本のなかでは、現社長の岩田氏、会長の山内氏、ゲームボーイの生みの親の横井氏、マリオの生みの親の宮本氏など、日本のゲーム産業の重鎮の方々が登場する。
情報統制の厳しい企業の経営面に触れることが出来たということで、とても意義深い本であると思う。
内容は、任天堂の歴史〜wii・DSで過去最高益を出すまで、今日の任天堂がいかにして出来たのかという話や、任天堂のスタンスの解説。
この本を読むと、修理サービスに出すと無償で新品が戻ってくるなどの任天堂の神話の謎は解ける。
娯楽品のマーケティングとは何かを徹底して追求している会社だと思う。
とにかく、不必要なものを生産して届けるので、ユーザーを飽きさせたら終りだということ。
ゲームは5秒で遊び方のわかるものでなければ、《クソゲー》として見向きもされない。
そのことは、一挙に何千億円もの赤字へとつながる。
ユーザーを拡大させるために必要なコンテンツは何か、サービスは何か。先を見て産み出すことができること。
これらのことは、『64』『ゲームキューブ』がハードを追いすぎて誰にも見向きもされなかったことの反省も大いに含まれている。
そんな時代も、『スーパーファミコン』『ゲームボーイ』での貯金があったので、失敗をしても次のDS・wiiの開発ができたこと。
ゲーム業界は潤沢なキャッシュがなければ次世代機の開発が出来ない、非常なハイリスクなビジネスであることが、任天堂のお金の使い方をみるとすごく良くわかる。
近頃、あるゲーム開発会社の開発責任者の方が開発ブログで泣き言をおっしゃっていた。
『業界内部でもユーザーからも評価が高く、すごくいいタイトルをいくつも提供してきた。なのに、どれも全然売れない。もうこの新作を買ってくれないと事業部が大変だ。お願いだからみんな買ってほしい』のような内容。
そのタイミングで任天堂の宮内氏のインタビュー記事をWebでみつけた。
ゆえに、このようなストイックなまでの姿勢を貫けるというわけだ。
その部分は、コンテンツ産業の一端にいる当社として、すごく参考になる。
米Appleとの比較もなされている。
その比較のなかで、私が一番興味を持ったデータは、米Appleとの業績変化のグラフがほぼ同じ線を描いていることだ。
お互い、失敗した時期も回復した時期もほぼ同じ。
変動要因を詳しく追うくだりは特になかったが、機会があれば比較検討してみるのもとても面白い。
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1つ前に読んだユニクロ本より遥かに
面白かった。
柳井・山内の両氏は日本を代表する、経営者でかつ
資産家であるが、社是・社訓の在り方など
笑白堂には任天堂の方がしっくりとくる。
現社長の岩田さんの考えも知ることができ
Goodな一冊。
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とても分かりやすい構成です。
しっかりとした取材に基づいた内容も濃く、素晴らしい本だと思います。
「母親に向けた」ゲームハードという考え方には目からうろこでした。
あと、表紙がWiiっぽくて好きだなあ(笑)。シンプルで分かりやすい、良いデザイン。
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WiiやDSなどのヒット作を立続けに出している任天堂の軌跡。
読み物としても相当面白いが、「枯れた技術の水平思考」など、即実務に活かせる視座なども勉強になる。良書。