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電子書籍
安楽椅子探偵アーチー
著者 松尾由美 (著)
骨董屋で寝息を立てるアンティークの安楽椅子に心惹かれた小学生・及川衛。自らの誕生日プレゼントとして購入し、店先から及川家にやってきたこの椅子には、不思議な力があった。なん...
安楽椅子探偵アーチー
安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)
商品説明
骨董屋で寝息を立てるアンティークの安楽椅子に心惹かれた小学生・及川衛。自らの誕生日プレゼントとして購入し、店先から及川家にやってきたこの椅子には、不思議な力があった。なんと、人の言葉を話せるのだ。しかも、シャーロック・ホームズばりの推理を働かせ、見事に事件を紐解いていく。衛が通う小学校で起こった不思議な事件、駅で靴の片方を脱ぎ捨てていった男の謎、外人墓地で不可解な行動をする女性の真実など、ユーモラスで鮮やかな謎解き。「アーチー」と名づけられた正真正銘の安楽椅子探偵と衛の交流を描いた連作集。
目次
- 第一話 首無し宇宙人の謎
- 第二話 クリスマスの靴の謎
- 第三話 外人墓地幽霊事件
- 第四話 緑のひじ掛け椅子の謎
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紙の本
これぞ本当の安楽椅子探偵
2005/10/13 00:02
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前に上海の租界でイギリス人のために作られた安楽椅子を、小学生・及川衛が買う。骨董屋の店先で衛が見初めたこの椅子、何といびきをかくし、口をきく!?
しかもこの椅子、名探偵でもあったのだ。
今まで様々な「安楽椅子探偵」を見て来たけれど、なるほど、これはどう見ても文句のつけようがない、本物だ。「居ながらにして謎を解く」安楽椅子探偵の特徴にしても、本当に動けないのだから、それしか推理方法がない。人間と違って、物には寿命も国境もない。いろんな人を見ているから、観察眼は鋭い。パーカー・パイン氏みたいに、人間カタログ、人間の行動パターンについての知識を持ってる。これが彼の探偵としての強み。だけど、できない事ももちろんある。
自ら証言を取る事は困難で、故に容疑者の表情を確かめる事もできない。自ら物的証拠を集める事も、アリバイ確認のための実験もできない。じゃあ自らが駄目だからといって、主人公や関係者を新聞記者や刑事にして、「彼」のデメリットをカバーすればどうか。でも、それはズルイし、制約がなくなったら他の探偵ものと何ら変わりない。今回、あえて探偵とコミュニケーションできるのが、ごく普通の小学生という設定にしたのは、他との差別化を明確にするためだろう。ただ、子供が関わるとなると、限られた場所と時間でしか動けないし、容疑者に対しても大人のやるような事情聴取は無理だ。そのため、「首なし宇宙人の謎」ならば、あまり感じないが、大人が関わってくる「クリスマスの靴の謎」「外人墓地幽霊の謎」では、事件の真相への矛先がちと緩い。でもまぁ、メインの聞き手が
子供ならば、あまりどろどろした大人の内容を持ってきても興ざめか。ひらいたかこさんの挿絵が、クールな作品のテイストによく似合う。
『子供の頃、名探偵が出てくるお話が好きで、どうしようもなく惹かれるのは特徴的な外見や困った習慣、うるさい口癖などを持つ奇人変人の名探偵』という著者のお気に入り作品は、山田風太郎氏の『明治断頭台』だとか。なるほど、こんな彼女から奇想天外未来都市「バルーンタウン」が生まれたのか。
電子書籍
斬新
2015/03/19 09:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もも - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分は安楽椅子ものが好きなんだなーと思って調べてたら出会った作品。
まさに安楽椅子探偵。
むしろ椅子!!!
設定だけで他の安楽椅子ものとは差がついてる。
安楽椅子に事件を伝えるのが子供ってのも、
軽めの事件を持ってくるわけだからいいね。
椅子の性格も子供とよくあってる。
全体的に優しめ。
椅子が喋る突飛な設定なのにあまり違和感を感じない作品。