紙の本
今の時代、必読の書
2013/09/07 07:27
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よこけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「憲法」「戦争」「日本人」などを考える時と思います。半藤さん、保坂さんらの著書は読んでおいたほうがいいと思います。
紙の本
歴史を知ることは,今を考える尺度になりました.
2016/01/31 15:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が一番苦手とする日本近代史.昭和史や幕末史が分厚いので,とりあえず薄い本から読んでみました.一般的にはこう思われているでしょ?という著者の語り掛けに「はあ,そうなんですか」と返してしまうダメ読者でしたが,著者が現在を憂うるに十分な状況証拠が揃っているなと思いました. アホな熱狂をしている場合じゃないですね.
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7、8月に必ず読む終戦もの。半藤さんのバランス感覚と資料に裏付けられた発言は、目から鱗のことがままある。今回もそんな一冊でした。
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3日で読了。読み易いが、聞き書きなので少々、内容がだぶりがちな印象。
石原莞爾と宮沢賢治が日蓮宗の拡大主義の産物だと言い切った所が秀逸だった。阿南と米内の確執も説得力があった。
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日本の一番長い日と平行して読む。色々な間違いが積み重なって悲劇が起こる。やはり民族としての経験不足もあるのか、極東の島国が気質を生むのか。日露戦争で少し負けておいた方が第二次大戦の悲劇はなかったかも。アジアを欧米の植民地から開放する、という大義はよいが、ミイラ取りがミイラになってはいかん。
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今、あの戦争について知っている人、知りたいと思っている人がどれほどいるだろうか?
日露戦争をはじめるときと太平洋戦争をはじめるときの違いがよくわかった
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「戦いに敗けた以上はキッパリと潔く軍をして有終の美をなさしめて、軍備を撤廃した上、今度は世界の輿論に吾こそ平和の先進国である位の誇りを以て対したい。(中略)世界は、猫額大の島国が剛健優雅な民族精神を以て、世界の平和に寄与することになったら、どんなにか驚くであろう。こんな美しい偉大な仕事はあるまい」
さて、問題です。
この発言の主は誰でしょうか?
今なら観念的平和主義などと揶揄される左翼思想の持ち主だと勘違いされるかもしれませんね。
正解は、何とあの満州事変の首謀者、石原莞爾元陸軍中将。
その石原が戦後、述べた決意です。
なんて私も偉そうに紹介していますが、本書を読んで初めて知りました。
なんとも胸がすくような言葉ではありませんか。
戦後の右翼なんて恐らく束になっても敵わない石原が、あのこっぴどい敗戦を経験して掲げた平和への決意。
それに比べて今の為政者が口にする「平和」の言葉のなんと軽いことよ。
この石原の言葉を知ることができただけでも、本書を読んだ甲斐があったというものです。
本書はベストセラー「昭和史」を著した半藤一利さんの「語りおろし『戦争史』」。
博覧強記の半藤さんが「あの戦争」について縦横に語り尽くして「え? そうなの?」「知らなかったぁ」などと感嘆に次ぐ感嘆で興奮のうちに読了しました。
私は本を読んで心を動かされる個所に出くわすと、そのページの下の隅っこを折る習慣があるのですが、ほとんどのページを折ってしまいました(笑)。
本当はすべてを紹介してこの興奮を少しでも分かち合いたいですが、私もこれで忙しい身なのでそうもいきません。
ただひとつだけ、どうしても紹介したい個所があります。
それは日本が太平洋戦争(大東亜戦争)への道を急ぎだす昭和15年9月の日独伊三国同盟の締結に際し、近衛文麿が昭和天皇に奏上した内容です。
「この三国同盟の目的はやがて日独伊ソの四国協定にまで拡大していき、結果的には日米戦争の防止になること、かつ同盟を締結しなければ日米戦争の危険はかえって大となること等々」
どうでしょうか?
最近、これに似た言葉を聞いた記憶はないでしょうか。
私は安倍首相が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した時の記者会見で、「日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」と発言したことがすぐに想起されたのです。
集団的自衛権が米国との同盟を強化することに主眼が置かれていることは論を俟ちません。
いつの時代も政治家は、「同盟の強化で戦争の可能性は小さくなる」と強弁するものらしいです。
敷衍すれば、「軍事力を高めることが平和を維持することにつながる」と言うこともできるでしょう(実際、こういう発言をしょっちゅう耳にしますね)。
そんなことは決してありません。
軍事力を高めれば、戦争をしたくなるのです。
これも本書を読んで知りましたが、米国は当初から確実に使用することを意図して原爆を作ったのではありません、原爆が完成したから使ったのです。
私は、このたびの閣議決定で集団的自衛権の行使が可能になったから、ただちに戦争���なるとは思いません。
ただ、「ノー・リターン・ポイント」に立ち至ったというのが、不案内な私の認識です。
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【歴史とは、一筋の流である。戦争史の決定版】日露戦争が変えたものから、特攻隊、戦艦大和、原子爆弾などあの戦争を通して見据える、日本人の本質とは。「昭和史」に続く決定版!
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『日本のいちばん長い日』の半藤一利氏が日露戦争から太平洋戦争までの歴史の流れを日本人の資質とともに解説したもの。『日本人のいちばん長い日』が素晴らしく質の高い本であったのと同様この本も読む価値のある本である。
「あの戦争」とは太平洋戦争のことだが、どう呼ぶかによってイデオロギーの問題が生じるからとの説明だが、「あの戦争」という呼び方がこの本にはふさわしいように思う。
本書では、日露戦争の「勝利」が、「あの戦争」への道筋に与えた影響は大きいと論じる。さらに、日露戦争とあの戦争における指導者の覚悟と責任感の違いが、状況をさらに悪いものにしたのだという。
最後に「新聞と日本人」として、長いあとがきを書いているのだが、世論形成においてマスコミが果たした役割についての考察は心に留めておくべきだと思う。後世からは、新聞によって民衆が踊らされたという印象があるが、事実はむしろその逆で、部数の確保のために民衆が求める記事を書いていたというのがより真相に近いようだと。このことは現代でもまったく変わっていない。新聞がテレビになっても、そしてWebになっても変わらないということは肝に銘じておくべきことだ。
以下に章立てを書いておく。そうしておく価値があるように思えるから。
第一章 幕末史と日本人
第二章 日露戦争と日本人
第三章 日露戦争後と日本人
第四章 統帥権と日本人
第五章 八紘一宇と日本人
第六章 鬼畜米英と日本人
第七章 戦艦大和と日本人
第八章 特攻隊と日本人
第九章 原子爆弾と日本人
第十章 八月十五日と日本人
第十一章 昭和天皇と日本人
新聞と日本人 - 長い「あとがき」として
自らを歴史探偵と任じ、当時書かれた文書や当人へのインタビューを元に何が起きたのかを再構成をしていく。著者は戦後あまり時間が経っていない時期に雑誌記者としてインタビューをしているので、そこで聞いた言葉をもとにした語りには説得力がある。自身で行ったインタビューや多くの一次資料に当たっているので信頼感が持てる。現代は、より多くの記録された情報で溢れている。フーコーがそうやったように、また著者もそうしたように、未来の誰かがよりテクニカルに洗練された形で「文書」を掘り起こしてこの時代がどのような時代であったのかを語ることになるのだろうなと思う。ぜひともそういったものを読んでみたい。
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このところずっと読み続けている形となる昭和史モノ。
前回の『日本のいちばん長い日』の流れで半藤一利氏の描く近代日本の姿を主に日露戦争時から第二次世界大戦の終戦までを時系列的に述べたモノである。
ただの通史ではなく、それぞれの歴史の転機における主導層の動き、考えと世論、新聞、大衆の動き、考えを合わせ、当時の『日本人』というものが情勢をどう捉え、どういう思想を元に、どういう行動をなしたのかということが非常にわかりやすく整理された本である。
話が変わるがボクはあとがきが好きである。
なので、中身の読書に入る前にあとがきから読み進めてしまうケースが多い。
中にはネタバレのようなあとがきもあるが、本書に対する作者の思いというモノがあとがきには書かれているケースが多いので、本全体の雰囲気を最初に捉えておくためにも、はじめにあとがきから読んでおいたほうが、ボクは後々の読書をしやすいのである。
本書のあとがきではいきなりきな臭い話から始まっている。
書名である『あの戦争と日本人』。
なぜ、書名で『あの戦争』という言葉を使ったのか、使わざるを得なかったのか?ということから本書のあとがきは始まっている。
その理由の中にも自虐史観だのなんだのとボクらが学校で習ってきた『太平洋戦争』という言葉に対する、保守反動的な圧力が働くのだという。
日本ていつのまにこのような息苦しさを感じる国になったのだろうか?
いちいち、作者に反論を寄せるのも大変だろうに...。
それもこれも特に『昭和』という時代についてはまともに歴史を教えてこなかったが故だと思う。
また、あとがきの中に『非連続』という言葉が綴られている。
最初にあとがきを読んだときにはサッパリ意味がわからなかったが、本書を読了する中でこの『非連続』が意味することがよく理解できた。
幕末から明治となり近代日本の夜明けを歴史の授業として習っていく中で、幕末以降の近代日本は明治・大正・昭和と繋がっているという感覚はないだろか?
ボクは本書を読むまで繋げて理解していたのだ。
薩長が中心となって明治政府を作り上げ、廃藩置県・富国強兵により天皇を中心とした中央集権的な近代国家として発展を遂げてきた。
日清・日露・第一次世界大戦により国際的な列強の一角に肩を並べるに至り、世界の利権配分争いにより旧列強(英・米・仏)と新列強(独・伊・日)による第二次世界大戦が引き起こされ、新列強の三国の降伏により終戦。日本はアメリカによる占領政策下で象徴天皇制に基づく立憲君主制で再スタートを切る。
といった、バカみたいに略しすぎだが明治・大正・昭和(戦前・戦中)までは幕末の薩長の体制を中心として、脈々と繋がってきたという理解なのである。
それが全くの誤解であるというか、そもそも教えられてこなかったことに驚きだ。
教えてこなかったのだからある意味当然なのだが、昭和の戦前・戦中までの話が今ひとつ理解できなかった要因に『統帥権』『天皇機関説』というモノがある。
これまでこの二つのキーワードが出てくるとボクはもぉ〜お手上げだったのだ。
大日本帝国憲法なるモノを掲げる立憲君主制国家でありながら、なぜ内閣は軍隊の暴走を止められなかったのか?
統帥権干犯とか言われて軍部に脅されても、内閣には陸相も海相もいるわけだし。天皇自らが作戦を指揮するわけじゃないんだから、参謀本部・軍令部といったって無茶できんでしょ?
また、天皇機関説がけしからんっ!といってもそもそも、内閣も軍隊も天皇は『玉』としか考えてないでしょ?幕末に倒幕の象徴として担ぎ上げた時代から??
どの組織でも『天皇』という位であれば今上天皇でなくても代わりの『玉』がいればいいんでしょ?
そしたら、昔から天皇は『象徴』でしかないじゃないすか。
天皇機関説のナニが悪いの???
とボクの灰色の脳味噌はこの二つのキーワードが理解不能でなにが問題なのかすら解らなかったのである。
それが、本書を読んだことによりすっきりした。よくよくよぉ〜やく理解できたのである。
やはりキモは『統帥権』なる謎の権利なのだ。
しかも、この統帥権なるモノは山県有朋の発明により、大日本帝国憲法が作る前から成立していたと。
要は内閣という行政府が出来る前から軍事に関することは天皇直轄の幕僚組織としてすでに
独立した機関として成立していたと。
とすると当然、遅れて成立した憲法なんぞにこの幕僚組織を定義する条項などないに等しいのである。
国の舵取りを司る行政府のコントロールが一切及ばない外側に日本の軍は存在した。
『政府の前に軍が存在している。』終戦を迎えるまでの日本はそんな国だったということである。
また、この憲法以前に統帥権の独立ということが天皇機関説のミソでもあるのだ。
天皇機関説は『象徴』は象徴であれど、憲法下において天皇を位置づけ、ようは『統帥権の独立を憲法下に再定義する』ということであり、だからこそ陸軍を中心に統帥権干犯を問題視して大騒ぎになったということらしい。
なるほど、『統帥権』という謎の言葉の意味が効能を理解することによりわかりづらい昭和史というモノが見えやすくなった。
また、このある意味制限があって無いようなモノである『統帥権』を魔法の杖のように軍が遣い出すことにより、明治以降粛々と成長を続けてきた近代日本と、明治の成果のみを観て生きてきた次の昭和世代に非連続な歴史が垣間見られるということも本書を通して読むと実によく理解できる。
昭和史が苦手な人はまずこの本から読むべきだと思う。
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語り口調で分かりやすく日本人と戦争との関わり合いを述べている。内容としては行ったりきたり、いろいろ話が飛ぶもののどれも興味深く、知らない内容も多かった。後半にいくにつれ内容的にも重く、しかし大事なことへとつながった。最後に、「あの戦争」と述べている理由も分かって納得。これをベースに『日本の一番長い夏』の再読に挑むつもり。
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8月の課題図書…と言い続けて、年レベルで時間が経ってしまった…。
読み出したらあっという間なんだけどね!
この人の本はとっても読みやすいので。
テーマごとに「あの戦争」を振り返るという内容。
相変わらずはっとさせられる文章がいっぱい。
惜しむらくは私の中で当時の情勢が順序立って記憶できていないので、個々のエピソードを面白く読んでも、それを自分の口で系統立てて話せないんだよねえ。
ど、努力が、必要であります!
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著者の見識の広さとバランス感覚の良さにより、なぜ明らかに勝てない相手と戦わざるを得なかった太平洋戦争へ向かっていった道筋を教えてくれる。
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全国民が読むべき。てか、これを教科書に教えるべきじゃないか。我々はもっともっと、あの戦争のことを学ぶべきだと思う。半藤さんの冷静に事実を見つめる目と人間、国への愛情が本当に素晴らしい。
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先の戦争を肌で知っているこういう人はじきにこの世からいなくなってしまうんだな。非常に惜しい。
戦争を文字や伝聞でしか知らない2世、3世の政治家ばかりになった日本の行く末は実に暗い。いまや日露戦争で薄氷の勝利をした後のような世相に見える。
それと、あとがきの内容は納得。マスコミと言う名の暴力機関が国を誤らせてゆく。しかもそれはすべて金のためだ。