紙の本
まったく合わない
2015/03/26 14:48
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
松岡圭祐さんは、万能鑑定士といいこれといい微塵も相入れない作家さんなんだよな。おそらくもう読まんと思う。
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このタイトルを見て、「おお!」となる映画ファンは多いのではないでしょうか。僕も一映画ファンとして思わず手に取ってしまった作品です。
ただ、肝心の内容はどこかボンヤリしていて盛り上がりがない感じ。着眼点は面白いのですが、全体的に味のないスルメを食べているようで、読後もモヤモヤした感じ残ります。
そもそも、青春小説とは何ぞやと考えると、「少年ないし少女が困難を乗り越えて大人への階段へをのぼっていく話」(あくまで大雑把に)ではないかと。まぁ、こう書くと凡庸なんですが、その成長過程は誰しも経験しているからこそ、青春小説や映画はみんなの大好物なわけですよ。しかし、この小説はその“成長”が書けていない。というか、圧倒的に薄い。
一応、田舎育ちの女の子が007誘致活動を通じて生き甲斐を見つけていく話、みたいな大筋はあるんですが、あれ、この主人公なんか生き甲斐的なもの見つけましたっけ?普通に田舎で、田舎の女性らしく、適当な旦那を見つけて、田舎で幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん。としか思えなかったんですが。
もっと、田舎の閉塞感とか、それによるコンプレックスとか、そういったものを全面に押し出すべきなんです。活発で明るい性格だから何でも乗り越えられるでは心に全く刺さらない。そういう性格の子でも思春期ならではの何らかの葛藤を抱え、それをがむしゃらに乗り越えていればこそ、読者の共感を得られるのだと思います。「夜のピクニック」や「ひゃくはち」や「風が強く吹いている」を研究した方がいいです(全部、自分が好きなだけ)。
あと、書き方が雑だなと思ったのは、ソニーやフレミング財団の外国人の方々。いやいや、いくらなんでもそんな頭悪くないでしょう。クライマックスのあんなバカみたいな描き方したらイギリス人に怒られますって。直島の人たちも純粋で人情味溢れる人々というより、ただの単純でおバカな田舎者としか思えなかったです。
と、まぁ書いているうちに思わず荒ぶってしまいました。
着眼点は面白いだけに、残念でした。
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難解な、原作小説付きの海外の映画誘致。複雑に絡み合う権利、権利また権利。
そこまでいかなくても、事前に丁寧に調べておけば分かっていた事だった高い高い条件や契約。
自分の住む地元を良くしたい、その情熱だけを胸に盲目的につき進む主人公や観光協会の人々。それにつけ込む詐欺。
実話をもとにした小説だそうです。
私は本当に、ベネッセの美術館くらいしか知らなかった。こんなことが起こっていたなんて。
でも最後の最後、現在のジェームズ・ボンド役のダニエルのサイン入りのポスターが届く、というところが物凄く、救われたあるいは報われた感じがしました。
松岡さんは初読み。分かりやすい文章ですね。
それにワンセンテンスが非常に短くて、私は最初どこかの新聞小説で出てたのかと思いました。書下ろしとのことで、なんか意外。
同じエピソードが『万能鑑定士Qの推理劇 II』にもあるとのこと。機会があれば『赤い刺青の男』も一緒に読んでみたいですね。
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松岡さん、9年ぶりの単行本新作…、
といぅことで、結構、期待して読みました…。
実話ベースの、
離島の高校生の青春小説の体となるでそぅが、
何よりもまず、題材がよかったと思います…。
ただ、実話ベースのためか、
物語も長期間となり、エピソードも多くなり、
事象が、坦々と紡がれていく形となったため、
物語を俯瞰してしまぃ、移入できなかった…。
例えば、
高校生にフォーカスした構成にしてみると、
辻村深月さんの「島とぼくらと」のよぅな、
teenの青春と挫折と成長を感じられたかも…。
一方で、
地方の、観光振興に係わるドタバタ劇的な、
ハートウォーミング・コメディーとすると、
有川浩さんの「県庁おもてなし課」のよぅに、
主人公は、大人にした方が、よかったかも…。
香川県の紹介ページの更新は、2010年なので、
最終盤の奇跡の部分が、創作になるのかな…?
だとすると、最近の様子はどぅなんだろぅ…?
繰り返しますが、題材がとてもよかったし、
007の歴史や、映画化の権利関係などなど、
ちょいとしたトレビアも興味深かったです。
小説としては、並みの評価かもしれませんが、
題材や興味の部分で、甘めの評価にしますね。
★★★★☆
【4/26追記】
『007/赤い刺青の男』を読んでみました。
本作品では、『007/赤い刺青の男』を、
若干、こけおどし気味に取り扱っている部分も
感じられますが…、いやいやどぅして、
見事な007でした…。(当たり前ですが…)
といぅか…、
松岡さんや、映画化のロケ地誘致に係わった方々は、
本当に、『007/赤い刺青の男』を読んだのだろぅか?
と疑ってしまぅくらぃの、好印象を持ちました…。
といぅことで…、
本作品の評価を、★1つ、下げさせて頂きました。
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なんて淋しいタイトルなんだろう、と思った。
“来なかった”ではなく“来ない”。
そう、ジェームズ・ボンドは“来ない”のだ。
今までも、そしてこれから先も。
「007」の新作小説『赤い刺青の男』の舞台として登場したことから、香川県直島が始めた映画誘致の活動の実話を元にした小説。
ベネッセの各施設が出来る前のプロローグから、ほんの数年前までの長い期間のお話だった。
以前から直島には行きたいなと思いながら、なかなか叶っていないのだけど、こんな活動があったことを知らなかった。
署名は八万人に及んだという。
どこまで実話か調べずに読んだけれど、「赤い刺青の男」記念館は実在するらしい。
「ボンドガールはうちや!」コンテスト(ミスコン)も実際に行われたらしい。
では、その後の出来事も、事実だった、のだろう、か。
熱に浮かされたような署名運動やイベントが盛況なほど、その後に判明した事実が痛い。
責任を擦り付け合う県側と島民たちの小競り合いも苦い。
ラストで主人公・遥香が「日常」を生きていく姿は前向きで地に足がついている。爽やかだと言ってもいいような情景。だけど、そこまで読んできた私には少しほろ苦さが残った。
直島に行きたくなり、「007」の映画を観たくなる(私はD.クレイグver.が好き)けれど、それ以上に小説『赤い刺青の男』が気になって気になって!
巨大な心臓のオブジェの陰からボンドを狙う刺客は・・・河童!
河童!!(思わず二度言う)
あああ読みたい誘惑にかられるっ!!!
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実話を元にした話し。映画好き、007好きには楽しめるかも…何か入っていけかった…
2014.5.5
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一昨年読んだ本だが、書きかけのレビューがPCに残っていたので。
初めて親同伴でなく映画を観に行ったのは高校一年の夏だった。
同じ野球部の友だちと二人だけでの映画鑑賞。
女の子と会うわけでもないのに、何故かちょっとだけ服装に気を使った。
映画館の入っているビルの一階にある本屋さんで待ち合わせ。
そこから、エレベーターで映画館のあるフロアに上がる。
生まれて初めて自分の意志で観に行った映画。
それが007シリーズ「死ぬのは奴らだ」だった。
期待に胸を膨らませているとスクリーンの幕が上がった。
南の島で奏でられる太鼓と祭りのざわめき。
鮮烈なオープニングだった。
ポール・マッカートニーとウイングスの華麗なテーマ曲。
ジェームズ・ボンドのファッションと仕草のカッコよさ。
ボンドガールの可憐でエロティックな美しさ。
それら全てが僕を虜にした。
新ジェームズ・ボンドである“ロジャー・ムーア”のお披露目となる
シリーズ第7作「死ぬのは奴らだ」。
それから僕は、007シリーズの新作が封切になる度、
欠かさず観に行くようになった。
本気で僕は007に憧れ、世界を股に掛けるスパイになりたいと思った。
それはその後、年と取って“いい大人”になっても変わらなかった。
今でも「007」や「ジェームズ・ボンド」と聞けば、興味が湧く。
だからこの作品のタイトルを知ったとき、読みたいと思った。
どうやらこれは実話らしい。
「赤い刺青の男」というタイトルの007映画は
これまで封切られてなかったので、知らなかったが。
中学生の遥香は自分の住んでいる“直島”に
007の映画のロケ誘致を進めようと、いろいろな策を考える。
遥香の母親が昔の007のボンドガールコンテストに応募していた、
という事実。
遥香は懸命に“直島”復興のために奮闘するが、結果は───。
007オタクの僕にとって実に面白い話だった。
巷では現在の“ダニエル・クレイグ”ジェームズ・ボンドの評価が高いようだが、
ジェームズ・ボンドとしては、真面目すぎるところがちょっと物足りない。
僕は、ウイットやユーモアに飛んだ粋な会話の応酬があったりする
“ロジャー・ムーア”や"ピアース・ブロスナン"時代の頃のほうが、
普通のアクション映画と違った魅力があり、好きだった。
昨年の暮れに、最新作「スペクター」が封切られたので観に行ったのだが、
途中で爆睡。
どんなストーリーだったのか、内容を殆ど覚えていない。
別につまらなくて寝てしまうわけではないのだ。
最近、映画を観に行くと何故か必ず途中で睡魔に襲われ寝てしまう。
さすがに、もう一度お金を払って同じ映画を観る気にはならず、
どんな映画だったのか、数カ月先のDVDレンタルまで待たねばならない。
その後に観に行った「スターウォーズ/フォースの覚醒」のときも同様。
何とか治さないと劇場で映画を観ることができなくなっ���しまう。
と悩んでいる僕なのであります。
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まったく知らなかった。直島で007の誘致活動が行なわれていたなんて~
実話に基づくお話しって事で、驚く限り。読み終わってすぐネットで調べまくったし(笑)
今1番行きたい場所、直島が舞台って事で、それだけでも満足だったけど、
全体的に面白かったな。文章も読みやすかったし。
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直島に「007」を!
ロケ誘致活動に加わった女子高生遥香。
島民の情熱はさまざまな困難を越え夢は実現させることはできるのか?
実話に基づく物語のためか松岡作品にしては地味な印象。
映画やドラマのロケ地に使ってもらって町おこしってのは一時多かったけれど
どこも実態はこんなモンだったのかな。
千里眼や鑑定士シリーズのようなエンターテイメント性を求めると肩透かしをくらうこの作品。
ある島を舞台にしたノンフィクションだと思って読むのが正解かも。
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アートの町としての直島にはとても興味がある。
その芸術性が整備される裏側で、こんな取り組みが進められていたことに驚きを感じる。
前半はちょっとしたドタバタ劇の様相だが、残り3分の1ほどになって一気に引き込まれて行った。
ほろ苦く、でもさわやかな読後感だった。
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香川県の直島で町おこしのために映画007のロケを誘致しようとする、島、役場、県、および直島育ちの女の子のお話。実話を基にしているらしいです。
はっぴエンドとはいえない終わり方がホントっぽい。007が何かを知らない人たちが、最初は疑心暗鬼になりながらでも手応えを感じるたびに本気になっていく様子がこっけいでちょっと物悲しい。
今も残る007MUSIUM ちょっと行ってみたい。
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実話に基づくフィクション。007のロケ地誘致活動に関わり、ふるさととの関係の作り方を学ぶ主人公を通して、安易な地域活性化に警鐘を鳴らす、といえば聞こえがよさそうな。ロケ地になれば、おしゃれな美容室ができるかも、という主人公は活動を通して少しずつ変わる。「わたしたちは学び、前へ進んでいく。ブランド化という突発的な特効薬に恵まれなくとも、日々わずかずつでも発展しつづける」
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実話に基づくフィクションとのこと。
舞台は過疎化に苦しんでいる、瀬戸内海の直島。
この島を舞台に、007の小説が書かれたので
島を映画のロケ地にしてもらおうと、香川県と直島町の誘致活動が始まりました。
ここで活動する女子高生中心で描いた物語。
しかし、タイトル「ジェームズ・ボンドは来ない」からして、
この島で映画撮影はなかったんだな、と思って読んでましたが
来なかった、という過去形ではなく、未来形ともとれる形。
それにしても、随分騙されたというか、遊ばれたもんだ、と思ってしまいました。
実話自体、盛り上がれない結果で、本作も盛り上がれない、
鑑定士Qとか特等添乗員αとか… 他のとは随分毛色の違った作品でした。
007に興味があったなら、もう少し楽しめたのかも知れません。
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思っていたより面白かった。
半分くらい読んで、グイグイと物語に引き込まれて行った。
一度は行ってみたくなった。
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「本書は実話に基づく」作品であるとのこと。
エンタティメントとして読むには面白かったが、実話に基づくとしたら切ない話だ。
もちろん登場人物周辺については膨らませてあり、そこが小説としての読みどころなんだと思うし、小説としての落としどころは「そうきたか」と思えるものだった。
それより、この当時の007シリーズに関する認知度の低さにも驚いた。