紙の本
おもしろかった~!
2015/08/31 21:34
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投稿者:うおざ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の女の子が一人称で語る部分と、
探偵役の家庭教師が一人称で語る部分と、交互にでてきて、
女の子の「妄想」なのか、「現実」なのか、
探偵役も途中わからなくなっていく。
探偵役の家庭教師は、謎を暴くだけじゃなく、
女の子が現実をどう受け止めて、どう折り合いをつけたらいいのか、
どうしたら幸せになれるのか、一生懸命に考えてくれる。
そこが嬉しいなあ。
人間は弱かったり、傷つきやすかったり、
さらには他人や大事な人まで傷つけてしまうこともあるけれど、
でも、一方で、暖かくて、しなやかで、優しい。
自分や、自分を大事に思ってくれる人のために、
立ち上がる強さも持っているんだよね。
大人の事情がちょっと生々しいので、
これ、子ども向きにいいの? という人もいるかもしれないけど、
でも子どもってのはいつだって、
いやおうなく大人の事情に巻き込まれて生きるしかないんだよね。
だから、これは小学校高学年から大人まで、
読みたい人が読めばいいと思うな。
とういことで、学校図書館、小学校から高校までオススメです。
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空港で時間を潰すために、売店でしぶしぶ買ったのですが、
まったく盛り上がる事も無くさくっと読み終えました。
別の売店で「霧越邸殺人事件」を見つけたのが悔しかった。
もう少し早く出会えていたら、確実にそっちを買っていました。
分類としてはミステリーなようですが、
ミステリーと云うにはわくわく感が不足していたように感じました。
事の真相も結構強引でしたし。
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母子家庭の少女が語る、「パパはバンパイア」だという物語。大人目線では「そんなバカな」で切り捨てられそうだし、ミステリとしてはやや緩めな印象。でもそれと同時に、ほっこりとした優しさも感じられる作品。
微妙な年頃であるがゆえに、自分の想いと現実との折り合いをつけなければならない少女の気持ちが悲しい。けれど、これは現実に向き合う少女の成長物語でもあるのかな。
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<あらすじ>
母親と2人暮らしをしてる女子小学生・優希の家庭教師をすることになった男子大学生・歩実。
授業中でも気がついたら眠っちゃうことから父から眠り姫と呼ばれていた優希。
歩実は、優希から母には内緒にすることを約束に、パパが3年ぶりに会いに来てくれたことを聞く。
後日、優希の母にそれとなく家庭の事情を聞くと、優希の父は3年前交通事故で死亡したことを聞く。
3年前に死んだ父に優希が会っている?
もしかして近所で目撃されている変質者がパパとウソをついて優希に会っているのでは?
それともよく寝る優希の夢なのか?
歩実は優希にパパのことを詳しく聞くと、
サングラスにマフラーで顔を隠し黒いコートを着ていたが、パパに間違いないと。
しかもその容姿から優希は父はバンパイアなのだという。
優希のことが心配な歩実は、パパの存在を確かめることに・・・
機会を伺い歩実はパパと接触。サングラスとマフラーを取った顔は傷だらけだった・・・
<オチ>
パパは優希の本当の父親で、交通事故で死んだというのがウソだった。
父は事故で大きな傷跡が残る大手術で無事生還した。
しかしその事故で、その日父が浮気してたことが発覚。
母はそれに怒って父の存在を消し、優希にもそう教え込んでいた。
優希の睡眠障害はナルコレプシーという病気だった。
歩実は優希と優希の母にパパを会わせ親子関係を修復させた。
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小学五年生の女の子とその家庭教師の視点から描かれるちょっと不思議なミステリ。
ある時、三年振りにパパが会いに来てくれたと家庭教師は打ち明けられるも、後日その父親は亡くなっていると知ります。同じくして、彼女の通学路には不審者が現れるという噂が広がって…。
不審者が「パパ」に成り代わって出入りしている?それとも、彼女の幻想?
家庭教師は心配になり、調べていくのですが…。
タイトルの「眠り姫」は、小学五年生の女の子のことなんですけど、その設定と相まって、大人の視点から見ると、父親を亡くした子供が見る幻想、夢なのかなと考えてしまいがちです。
ただ、本作で面白いのは、その子供の視点でも描かれていること。
交互に繰り返すそれぞれの語り手の視点を読み進めて行くと、どうも幻想ではないんじゃないかと思えてくるわけです。そして最後には…ここから先は本編でどうぞ。
本作は「ミステリーランド」という児童向けの叢書に書かれたそうで、正直なところちょっぴり物足りない。特に文章量が。ただ、内容はシンプルで人が死ぬわけでもないですし、文章のテンポも良いので、児童のためのミステリ入門としては良いのかもしれません。
逆に大人の皆さんにお勧めかどうか、と尋ねられると少々迷います。数時間で読了してしまうので、内容と合わせて考えても高価かな、と。もちろん、無駄に長くされるのも遠慮したいところですけども。
下手な短編よりはずっと面白い、とさせてください。
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我孫子さん、こんな心温まるお話も書くんですね…。あっという間に読み切っちゃったから物足りないわ。せっかく個性的なキャラなんだし、美沙先生にもっと活躍してほしかった!!
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一緒に暮らせない父親がバンパイアだと信じる少女と、家庭教師との交流を描いた物語。謎は主に、父親は本当にバンパイアなのか、という点にありますが、ずっと影にかくれていた謎(というか問題)があり――それは問題であることすら匂わせず、そこにずっとあるのですが――その影にかくれた問題を解くことで、バンパイアの謎も解決されます。少女の成長を描いていますが、成長せざるを得なかったように思え、後味はあまりよくありませんでした。
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最後はみんなハッピーになる珍しい展開のミステリなんだけど、なんかそれが逆にスッキリしない。たぶん我孫子武丸にこういう物語を描いてほしくなかったんだろうなあ、と思う。あるいは主人公の少女には、もっと現実の生々しさ、悲劇性を味わってほしかった、という嗜虐的な期待も寄せていたかもしれない。多分我孫子武丸を知らない、あるいはいつもの我孫子武丸の小説を嫌悪するようなタイプの読者ならこの作品を楽しめるのかもしれない。
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三年前に死んでしまったはずのパパがバンパイアとなって会いに来てくれる。
少女の体験した不思議な出来事の謎を家庭教師が解きほぐす。
そして伝える。
パパの秘密、ママの想い、少女が縋り付いた妄想の正体。
家族のあるべき姿。
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わりと短めのお話。母と2人で暮らす小学5年生の女の子、その家庭教師の2人の視点から描かれる。軽い気持ちで読み始めたら、ぐいぐい読みたくなった。
2015/11/6
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母親とふたり暮らしの優希の元に家庭教師に行った歩実は、彼女からパパが3年振りに会いに来てくれたと告げられる。しかし優希の父親は交通事故により亡くなっているはずだった。しかも優希は父親がバンパイアだと思っているのだった。
元々「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」という惹句で刊行されたミステリーランドの1冊として出ています。そのためページ数は少なめで判り易く書かれてはいますが、我孫子武丸の持ち味が遺憾なく発揮されています。
優希と歩実ふたりの視点が章ごとに入れ替わることや、はじめに性別の取り違えがあったので、これは叙述トリックが仕掛けられているのか? と身構えて読みましたが、そのため別に仕掛けられていたことに気付かずに進んでしまうということになりました。児童書体裁では扱いにくいものでしょうが、そこが読者を子どもだけに想定しないミステリーランドの強みでしょうね。シリーズの他の作家もかなりなことをしていますが、ここでもその醍醐味があります。
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母親とふたり暮らしの小学5年生の相原優希。
彼女の家庭教師を引き継いだばかりの荻野歩実は、パパが3年ぶりに会いに来てくれたと打ち明けられる。
父親が一緒に暮らしていない理由を知らない歩実が前任の柚木美沙に尋ねると、そこには家族を襲った悲劇が……。
パパはバンパイアだという優希の思いとは?
(アマゾンより引用)
何て言うか、もう少し何かしらの展開があったら、もう少し面白かったのに、と思う。
やっぱりそうなんだって終わり方でイマイチだった。
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休日を利用して我孫子作品を続けて2冊読んじゃいました。
先に読んだ狼と兎のゲームで智樹と心澄望という小学5年生が主人公の作品を読み、あまりにも面白かった為、著者が同じ小学5年生を主人公にした本作もそのままの勢いで一気に読んでしまいました。
本作の主人公は小学5年生の相原優希ちゃん。
彼女は母親とふたりで暮らしています。
なぜふたりかと言うと、3年前に優希ちゃんの父親は交通事故で亡くなっていたから。
しかし、そんな事実は知らない家庭教師の荻野歩実。
本作は優希と歩実それぞれの視点で描かれながら、優希が歩実に打ち明けた「パパはバンパイア」という謎を解き明かす。
謎解きといえば、雰囲気の暗くて重いミステリを想像するが、本作には全くそういった要素は含まれない。
どちらかと言えば、小学5年生の女の子の心の中を読み解いていくと言う方が近い。
父親がバンパイアとなって帰ってきた。
なぜ優希がそう思っていたのか。
答えは読まずにはわからない。
説明
内容紹介
母親とふたり暮らしの小学5年生の相原優希。彼女の家庭教師を引き継いだばかりの荻野歩実は、パパが3年ぶりに会いに来てくれたと打ち明けられる。父親が一緒に暮らしていない理由を知らない歩実が前任の柚木美沙に尋ねると、そこには家族を襲った悲劇が……。パパはバンパイアだという優希の思いとは?(講談社文庫)
母親とふたり暮らしの小学5年生の相原優希。彼女の家庭教師を引き継いだばかりの荻野歩実は、パパが3年ぶりに会いに来てくれたと打ち明けられる。父親が一緒に暮らしていない理由を知らない歩実が前任の柚木美沙に尋ねると、そこには家族を襲った悲劇が……。パパはバンパイアだという優希の思いとは?
内容(「BOOK」データベースより)
母親とふたり暮らしの小学5年生の相原優希。彼女の家庭教師を引き継いだばかりの荻野歩実は、パパが3年ぶりに会いに来てくれたと打ち明けられる。父親が一緒に暮らしていない理由を知らない歩実が前任の柚木美沙に尋ねると、そこには家族を襲った悲劇が…。パパはバンパイアだという優希の思いとは?
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
我孫子/武丸
1962年兵庫県西宮市生まれ。京都大学文学部哲学科中退。’89年講談社ノベルス『8の殺人』で鮮烈デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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安心して読めた。
UNNATURALな展開へ行くかと思ったら、地に足ついた着地点でなるほど。
眠り姫も、母君もはご病気でしたのね。