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電子書籍
幽霊紳士/異常物語 柴田錬三郎ミステリ集
著者 柴田錬三郎
難事件を無事解決したと安堵する刑事や、完全犯罪をやり遂げたとほくそ笑む犯人の前に、「仕損じたね」と告げながら、全身がグレイ一色でつつまれた謎の男・幽霊紳士は現われる――異...
幽霊紳士/異常物語 柴田錬三郎ミステリ集
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幽霊紳士/異常物語 柴田錬三郎ミステリ集 (創元推理文庫)
商品説明
難事件を無事解決したと安堵する刑事や、完全犯罪をやり遂げたとほくそ笑む犯人の前に、「仕損じたね」と告げながら、全身がグレイ一色でつつまれた謎の男・幽霊紳士は現われる――異色の名探偵が謎を解き明かす、どんでん返しの趣向に満ちた全12話で構成される『幽霊紳士』。若き日のホームズの活躍を描くパスティーシュから、創作に悩むヒッチコックが体験したアパートでの冒険譚まで、世界を舞台にした奇妙な8編を収録する『異常物語』。時代小説の大家による、本格ミステリ連作集と長らく入手不可能だった奇想に満ちた短編集を、合本で贈る。
目次
- 幽霊紳士
- 第一話 女社長が心中した
- 第二話 老優が自殺した
- 第三話 女子学生が賭をした
- 第四話 不貞の妻が去った
- 第五話 毒薬は二個残った
- 第六話 カナリヤが犯人を捕えた
- 第七話 黒い白鳥が殺された
- 第八話 愛人は生きていた
- 第九話 人妻は薔薇を怖れた
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紙の本
うまくいったつもりだったのにしくじった人に贈りたい
2017/04/30 23:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は『幽霊紳士』と『異常物語』の二作品がまとまったお得な一冊。『幽霊~』のほうは、登場人物が引き継がれていく連作短編集が変化球のミステリでありながら、仕上がりは本格ミステリ。どのお話にも事件やそれらしきものが語られ、「なにかを解決した」と思っている人が登場します。事件を捜査した刑事、完全犯罪を企てた悪者など、やれやれと安心しきった人の前に、突如、出現して「仕損じたね」と口にするのが幽霊紳士です。かなり奇妙なこの探偵役は事件を鮮やかにひっくり返し、うまくいったと思っている人々を突き落とします。
どんでん返しを売りにしたミステリが流行りですが、連打、乱発されるのではなく、一発で鮮やかにひっくり返されるのですから、読者も気持ち良く「やられた」となるわけです。
すごいのはなにをどうひっくり返すのかがわからない作品も多いというところです。球の出所がわからない変化球が本格ミステリと言う狭いストライクゾーンに見事にズバッと決まるわけです。
特におススメは三話「女子学生が賭けをした」。『異常物語』では「生きていた独裁者」がお気に入りです。
よし、今月はギリギリだけど、なかなかうまいレビューが欠けたぞ、と思っている私のもとにも「仕損じたね」と幽霊紳士が現れるのかもしれませn。