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相場の黄金ルール
著者 エド・カールソン(著)
本書はテクニカル・アナリストでコンサルタント業を営んでいるエド・カールソンが、かつて相場評論家として人気を博したジョージ・リンジーの相場観測手法を詳細に解説した“Geor...
相場の黄金ルール
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相場の黄金ルール 「3つのピークとドーム型の家」で天底と日柄を究める (ウィザードブックシリーズ)
商品説明
本書はテクニカル・アナリストでコンサルタント業を営んでいるエド・カールソンが、かつて相場評論家として人気を博したジョージ・リンジーの相場観測手法を詳細に解説した“GeorgeLindsayandTheArtofTechnicalAnalysis”の邦訳である。リンジーは30年以上にわたりニュースレターなどを通じて相場解説を行っていたが、最後まで本人の分析手法の詳細については明らかにすることなく、1987年にこの世を去った。しかしリンジーの手法には今もって価値があると考えたカールソンは、リンジーの死後20年以上たったあともさまざまな手段で資料を集め、研究を行った。カールソンがその集大成として、リンジーのテクニカル分析について平易な解説を試みたのが本書である。
さて、カールソンの目論見どおり本書の内容は極めて簡単であるし、ここで解説されていることは、伝統的なテクニカル分析の最終形のひとつと言っても良いトム・デマークの分析手法(デマークの手法はブルームバーグの公式テクニカル分析に採用されている)とかなり重なるものが見られる。このことからも分かるように、テクニカル分析を行う人にとって、リンジーの手法が不変的な価値を持つとカールソンが考えたことは的を射た考えだと言える。
さらに、デマークの手法の複雑さに比較すれば、相場の上げ下げの形状と日柄のカウントに限定されたリンジーの手法は単純明快で分かりやすく、個人投資家の方が取り組むにはリンジーの手法のほうが敷居が低い。洗練されてはいるが、多くの場合においてコンピューターの助けが必要になるデマークの手法と比べ、リンジーの手法は手作業で分析が可能だからだ。
ところで、一般に「技術」とは、その分野の体系的な知識を習得すれば、だれもが同じ結果を手にすることができるものを言う。もしだれでも等しく望むものを手にし、意図したものを再現することができなければ、「技術」とは言わないのである。したがって、技術体系は複雑であるよりも単純であるほうが良いし、背景の理論についてもつまびらかにされている必要がある。その意味では、いにしえのものが不変的な価値を持つということは、技術の世界では十分にあり得ることなのである。
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マーケット参加者の顔ぶれは変わっても。
2012/04/30 21:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーケットライダー - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去の相場を紐解いて、同じようなパターンを見いだす様は、物語としては面白い。
過ぎ去った出来事の分析においては、知識量と観察力がモノをいう。数学を使おうが物理学だろうが芸術的センスだろうが、凡人には思いも寄らない視点が妙な説得力を感じさせる。平たく言えば「もっともらしい理屈」ともいえるのだが。確率でいうところの「確からしさ」にどこか似ているのは気のせいか。
特にリアルタイムのチャートが手に入りにくく、しかも手書きのアナログ的時代において、見えないものに対する法則は神格化される。加えて手書きをしていると、そのリズムが身体を通して何かを感じさせるのは、人間のなせる技だ。
その過程で「黄金のルール」なるものを発見したと思い込んでも無理からぬことである。
しかし本書を読みすすんでいくと、たしかに類似性が現代にもあることがわかる。
問題は時間だ。どのくらいの時間でサイクルがめぐってくるのか。
目まぐるしくなったとされる今日の相場においても、そのサイクルが早まったわけではないことが悩ましいところだ。
「このタイミングモデルは、正しいキーデイトを探せるかどうかにすべてがかかっている」とジョージ・リンジーを引用しながらの「起点となる日」の検証の詳細は、大変興味深い。
今も昔も相場の本質は変わらないことを如実に感じさせられる一冊であった。