電子書籍
色の秘密 色彩学入門
著者 野村順一
色彩学のバイブル的著書、文春文庫で再登場人はピンクで若返り白い部屋が美人を作る。赤は血圧を上げ不眠症には青が効く。商品学の草分け的存在の著者が解明した快適色彩生活。
色の秘密 色彩学入門
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色の秘密 色彩学入門 (文春文庫)
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紙の本
非科学的で根拠不明の持論を展開(*_*)
2022/12/19 11:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケンタウロス - この投稿者のレビュー一覧を見る
30年近く前の著作ですが「色彩学の代表的な本」との評価もあるようなので読んでみました。
普段何気なく接している「色」の性格や使い方、その効果について紹介しており、読み物としてはそれなりに楽しめました。特に、日本における詫び・寂びを色彩面から論究した部分など面白く読みました。
しかし、科学的・客観的な根拠のない主張も散見され、首を傾げたくなります。
例えば…「実験では、女性がピンクのブラウスを着て、ピンクのカーテンの部屋で生活するようにしたら…目のさめるような美人になったと報告されている」(P.62)とありますが、どこの誰がどんな実験をしてそんな結果を得たのでしょう?そこは明記されていません。
また「黒づくめのファッションを肌着で着ていると…しわが増えてしまう」(P.65)なんて記述も。その根拠として、もぎったトマトに黒布をかけておくと萎むからだ…とされていますが、動くことも意識もないトマトと人間を同列に扱うのは乱暴では…
他にも「白い部屋が美人をつくる」とか「蛍光灯の寝室では女子が多く生まれる」とか「緑を多用すると金持ちになる」とか…根拠や実証のない主張が次々と…
極め付けは最終章でしょうか。科学的根拠を示さず「人間の意識や無意識は、X線が透過できないほど濃密な固体も貫通する」とした上で「明らかに人間の意識の振動は…テレパシーとして数百kmを瞬間的に旅行する」なんて宣ってます。ここまで来るとオカルトですね!
プロフィールを拝見すると、著者はマーケティングや商学の専門家であり、科学者ではありません。なのに「科学者」を気取り「大学教授」の肩書きで確証のない自論を展開しておられます。
古い著作なので、現時点からの断罪は酷なようにも思いますが、読者に不正確な先入観を与えかねない部分が多々あり、問題だと感じました。
未だにこの著作に依拠して、不確かでいい加減な「色の効用」を唱える自称カラーコーディネーターやカラーコンサルタント、セラピストなどが存在することを考え合わせると、今となっては「罪深い本」とも言えそうです。