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マプチェの女
過酷な過去を生き延びた一族の血を受け継ぎながら、村を離れて都会で生きる、部族の女性ジャナ。だが彼女はとある殺人事件に巻き込まれてしまい……フランス本国で注目の作家による、...
マプチェの女
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マプチェの女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
商品説明
過酷な過去を生き延びた一族の血を受け継ぎながら、村を離れて都会で生きる、部族の女性ジャナ。だが彼女はとある殺人事件に巻き込まれてしまい……フランス本国で注目の作家による、鮮烈なミステリ。
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紙の本
骨太ドラマに魅せられた
2016/03/31 12:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よしおくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに骨太なミステリーを読ませてもらった。現代アルゼンチンの闇は深く、苛烈だった。社会、政治的な背景や時代性を背景にしたり、内容に取り込むと、ミステリーは普遍性を獲得し、重厚で良質な緊迫感をはらむ、優れた作品となる。
思えば、ハリー・ボッシュ・シリーズも初期の作品は、米国社会に大きな傷跡を残したベトナム戦争を背負っていた。だからこそ、あれだけのものになったのだ。
「マプチェの女」で唯一、気にあるところがあるとすれば、ジャナを主人公に据えた作者の選択だ。ジャナは実に魅力的な登場人物だが、ジャナとその友人のLGBTたちを描くことで、作品からきりきりと苛むような緊迫感を少し削ぐ結果となったのではないか。あるいは、それが作者の意図したことなのかもしれないが。個人的にはジャナを登場させず、ルベンのみを主人公として書いたなら、どんな作品になったのか、とても気になる。
いずれにしろ、近年では出色の作品であった。