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素顔の色彩
著者 伊原恵
高校2年生の立花美咲(たちばな みさき)は、今時染めてもいない真っ黒な髪と、真面目な性格の女の子だ。父子家庭で育ったため、料理や家事が得意。優等生といえば聞こえはいいけれ...
素顔の色彩
商品説明
高校2年生の立花美咲(たちばな みさき)は、今時染めてもいない真っ黒な髪と、真面目な性格の女の子だ。
父子家庭で育ったため、料理や家事が得意。優等生といえば聞こえはいいけれど、冴えない見た目の地味な自分にコンプレックスを持っている。
さらに頼まれると断れない性格の彼女は、人と本音で話すのも苦手。周囲のクラスメイトたちとの間に溝を感じ、打ち解けることが出来ないでいた。
そんな美咲は、ある日失恋をする。
「地味な女は好みじゃないから」
そんな心無い言葉で唯一親しく話すことが出来た相手にこっぴどく振られ、大ショックを受けた美咲。放課後、夕焼けに染まった屋上でひとり声を殺して泣きながら、渡せなかった手作りのクッキーを捨ててしまおうとした時……上から声をかけられた。
「もったいねーよ。それ、捨てんならチョーダイ」
驚いて振り向くと……そこには派手な茶髪の男子生徒がいた。
夕日で真っ赤に染まった髪の色に圧倒され、泣き顔を見られた事に動揺する美咲。
だが腹をすかしていたらしい彼は、ビビり気味な彼女に構わずクッキーを平らげ、去って行く。
「ごちそーさん。……じゃーな、立花」
そう言い残して……。
彼は同じ学年の問題児、葛城大和(かつらぎ やまと)。
着崩した制服で派手な髪。人とつるまず授業もサボってばかり。学校内でも目立つ存在であり、美咲と最も縁遠いタイプの少年だった。
そんな人が、何故自分の名前を知っていたのだろう?疑問に思う美咲。
その後も偶然が重なり、人は自然と会話を重ねるようになる。
やがて大和の意外な家庭事情を知った美咲は、自分の家庭環境も打ち明ける。
ひょんなきっかけで知り合った彼に抱く、不思議な仲間意識。
見た目も性格も正反対だけれど、どこか似ている美咲と大和。
2人は同志のような恋のような、微妙な想いで惹かれ合っていく。
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