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電子書籍
虚構の太陽
著者 著者:北野 慶
IT企業のエンジニア・トガニ・ジェイは、美しい妻とかわいい子供に囲まれ、平凡ながらも幸せな生活を送っていた。しかし、ジェイは、突如、この生活と世界がおかしいと思い始める。...
虚構の太陽
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虚構の太陽
商品説明
IT企業のエンジニア・トガニ・ジェイは、美しい妻とかわいい子供に囲まれ、平凡ながらも幸せな生活を送っていた。
しかし、ジェイは、突如、この生活と世界がおかしいと思い始める。
この世界に住む人間があまりに少ないこと。自分の生活圏が異常に狭いこと。
老人たちの死は日常的にあるのに、その死を埋める新たな誕生がないこと。
セックスに快楽以外の意味がないこと。
そして、8年前以前の記憶がないこと……そのことを妻や子供に問いただしても、「何が不思議なの? おかしいわよ」と首をかしげるばかり。
俺はおかしくなってしまったのか? 突然感じ始めた世界への違和感の真相を探るべく、ジェイは動き始めるが……。
問題作『亡国記』につづく、現代日本に問いかける衝撃の近未来リアルノベル!
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未来からの問いかけ
2018/08/20 19:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:doukan - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は企業の優秀なロボット研究員で、その家族と周辺の人々をめぐって話は進む。主人公が開発したアンドロイドが人間同様に活躍している時代を描く。だが、いわゆるSFというより、政治や社会の課題を考えようという問題提起に作者の主眼はあるようだ。政治的な小説と呼んでもいいかもしれない。
作品の中では、原発事故による放射能汚染や核兵器、革新的技術と倫理、独裁的な政治と市民の無関心、情報の管理・統制など、すでに現代の私たちの社会が抱えているさまざまな問題が登場してくる。未来ではどのように解決しているのか、いないのか、興味をひくところだろう。
長編だが、たくさんの問題を盛り込んでいるため、ストーリー展開はずいぶんと急いだ感があり、もっと掘り下げてほしいと感じさせる部分もあった。
ただ、作者の問いかけは全体を通して強く伝わってくる。東日本大震災とその後の政治、社会状況を踏まえると、こうした問題意識を持った文学作品がもっと数多く世に出され、多様な切り口で議論を引き起こしていってもいいはずだ、と思わせてくれた一冊だ。