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なかないでストレイシープ めぐる聖夜と愛の家
ロンドンから少し離れた田園地帯にあるカントリーハウス、フェアベリー・マナー。若き女主人のセリアは、執事のロドニーを慕っている。けれども身分違いの恋は前途多難だ。クリスマス...
なかないでストレイシープ めぐる聖夜と愛の家
なかないでストレイシープ めぐる聖夜と愛の家 (コバルト文庫)
商品説明
ロンドンから少し離れた田園地帯にあるカントリーハウス、フェアベリー・マナー。若き女主人のセリアは、執事のロドニーを慕っている。けれども身分違いの恋は前途多難だ。クリスマスが近い冬のある日、外出していたロドニーから電報が届いた。それはどう読んでも別れを告げる内容で……? 真意がわからないセリアは、居合わせた子爵家のリーと一緒にロドニーがいる村へ向かったが!?
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紙の本
どこか懐かしくて嬉しくなる正統派少女小説
2005/05/10 04:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちょりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どことなく懐かしい感じが嬉しくなる少女小説。懐かしいといっても、時代背景的な面ではなく、まとっている雰囲気がどこか懐かしく感じる。
第一次世界大戦後の1920年代のイギリスが舞台。主人公はNYヤンキースとアイスクリームが大好きなアメリカ下町育ちの少女セリア。16歳。母親が他界し一人ぼっちになった彼女だったが、祖父がイギリスの貴族だということが明らかに。莫大な遺産の相続人になったセリアの、女主人としての、そして貴族社会での奮闘記。
派手さはないし、あっと驚く展開や、ぐいぐい力強く惹き込まれるという感じでもない。どちらかというと地味目で、昔懐かしい雰囲気をかもし出している正統派少女小説という感じだ。セリアと執事青年の恋愛小説でもあるはずなのに、甘さ控えめで、セリア自身の恋よりも、脇役たちの身辺問題の方が目立っている感が否めない。このシリーズ3巻目(最終巻)で、やっとやーっとセリアと執事の恋が動き始めたという感じなのに、これで終わりなんて実にもったいないと思ってしまう。
ティーンズ小説と呼ばれるものの中には、正直言って、この作品よりも胸躍らせるような小説は溢れるほどたくさんある。けれど、最近のティーンズ小説の多くは勢いに任せて飛ばし読みや乱読してしまうものが多いように感じる。なので少し月日が経つと、あれ?あの巻はどんな話だったけ?と思い出せないものも多
い。
そんな中でこの作品はなぜか乱読したくない、ゆっくり読みたいという気分にさせられるのだ。読み終えた時は、紅茶の一杯でも飲んでほっと一息ついた時の気分に似ている。そんなところが私はとても好きだ。現在のティーンズ世代には反対に新鮮で、自分も含め昔少女小説を読んで育った世代には懐かしく感じる作品かもしれない。
ラストはこの作品らしいなと思わずにっこり。腹八分目で終わったという感じで正直物足りなさもあるが、きっとこれでよかったんだと思う。
でもいつか続編が出ないかなと、あきらめきれず内心で悪あがきしている読者は私だけではなかろう。