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電子書籍
[会社を休みましょう]殺人事件
著者 吉村 達也
「忙しい、忙しい」を連発して、いつも社内を右往左往。休みたいのに休むのが怖い「一生懸命サラリーマン」の森川昌。そんな彼の上司が殺された! そして変態殺人者と疑われた彼は、...
[会社を休みましょう]殺人事件
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〈会社を休みましょう〉殺人事件 (講談社文庫)
商品説明
「忙しい、忙しい」を連発して、いつも社内を右往左往。休みたいのに休むのが怖い「一生懸命サラリーマン」の森川昌。そんな彼の上司が殺された! そして変態殺人者と疑われた彼は、必死の推理で真犯人をあぶり出す。だが、後に残るは人間関係の気まずさと空虚な絶望。そして脱組織をめざした彼に、最後の悲劇が訪れる! 癒しと恐怖の三人称敬語体ミステリー。
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紙の本
心の健康のため、会社も学校も嫌なら休みましょう!
2004/07/16 19:06
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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろ考えさせられる本です。会社とは? 家庭とは? 夫婦とは? 会社で起きた殺人事件をきっかけに様々な問題が浮き彫りになってきます。東大卒のサラリーマン森川は学生結婚をしていて子供はいません。入社7年目にして営業部係長に昇進します。会社での上司との固執、妻との溝が、真面目に会社人間に徹して来た森川の心に重くのし掛かり出社拒否が芽生えてきます。そこへ上司の部長が会社で殺されます。犯人と社内で噂され自分で犯人を捜し当てますが、妻との仲は決定的なところまで進んでしまいます。そんな時、学生時代の友人に出会い小説を書こうと決心します。その小説とは? 森川が心から望んでいたことは何でしょうか? 胸の詰まるラストシーンへ。
思い当たる事ばかりで身につまされるのではないでしょうか。何故に会社人間になってしまったのか? 何故に妻との間に溝が出来てしまったのか? 森川と妻との会話の中から解答がおぼろげながら浮かんできます。心に素直に生きる事の難しさとともに困難でも素直に生きて行かなければならないと心に留めらずにはいられません。簡単な事なのですがね。私たちが日常的に当たり前のように使っている言葉や態度、行動が実は虚勢や自己愛や見栄や弁解の裏返しであったりするのではと鋭く説かれます。故に自分自身で自分を、家族を、最愛の理解者で有るべき妻でさえも縛ってしまうのです。小説内小説である「会社を休みましょう」にはそれから逃れて真に心に素直に生きて行こうとする主人公の心を描いて行きます。果たして救われるのか、救われるのは誰なのか、ページを閉じてからも想い巡らす事でしょう。