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父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について
著者 著者:瀬那 和章
たった一人の家族だった母親を病気で亡くした高校二年生の新田由奈。 母の葬式の日、そんな彼女の前に突然、父親を名乗るおっさんが現れた。しかも2人も!? 金髪でチンピラ風の...
父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について
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父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ケ月について (メディアワークス文庫)
商品説明
たった一人の家族だった母親を病気で亡くした高校二年生の新田由奈。
母の葬式の日、そんな彼女の前に突然、父親を名乗るおっさんが現れた。しかも2人も!?
金髪でチンピラ風の竜二と、眼鏡でエリート官僚風の秋生。「今さら父親なんて認めない!」と反発するが、一つ屋根の下で暮らすことになってしまい――。
不思議な共同生活が紡ぐ新しい家族のカタチ。その中で知った母の意外な一面と残された想い。
あたり前に近くにいる人が愛おしくなる、いびつでおかしな親子の物語。
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最後に爽やかな風を感じる話でした
2020/07/16 17:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イズ - この投稿者のレビュー一覧を見る
お母さんが、急に亡くなって現れた父親二人。
きっと自分がその立場だったら、もっと楽な方へ楽な方へと流されて色々決めてしまっただろうな〜と思いながら、主人公の選択を見ていました。
自分はその世代を遥か昔に過ぎてしまったからこそ、うまく両方とも利用しちゃえば良いのにとか、思うけど、でも、きっとちゃんと向き合ったからの今、なんだろうな〜とも思います。
読み終わった後、爽やかな感じです。この後の主人公も思い浮かぶようです。読んで良かったです。
紙の本
微笑ましくも感動させられる
2021/01/24 14:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:usa_0814 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆるシングルマザーの家に生まれた新田由奈は、たった一人の家族だった母を亡くすと高校二年生の身で寄る辺を失います。葬式の日に、彼女の前に現れたのは二人のおっさんで、生前の母から手紙を受け取ったという彼らは、自分が由奈の父親であると主張します。そんなものを受け入れられるわけもなく、反発する由奈ですが、生活費もなく保護者もない身で背に腹はかえられず、奇妙な三人の同居生活が始まることになりました。
唐突で強引な環境に放り込まれた主人公が、アクの強い「おっさん」二人に振り回されながらも、やがて家族になっていく様子が微笑ましくて随所で感動もさせられます。亡くなった母親はスナックで働いて享楽的でしたが多くの人に好かれていて、その娘である主人公は反動もあったのかキッチリ病と自認する潔癖ぶり。その彼女の前に現れたのが、金髪でチンピラ風の竜二と、メガネで弁理士をしている秋生のおっさん二人ですが、この環境で見せられるのが「父親が家にいたらそうなるの当たり前なの」というやりとりで、当たり前のことに笑わされて泣かされることで、家族というものを見せていく流れは見事だと思います。
そして楽しんで、感動したからこそ、ひっかかったところが二つ。由奈の「ありがとうという言葉を忘れられるくらいの信用が私にとっての家族の定義なのかもしれない。私とお母さんのあいだにはそれがあった」という言葉があって、むしろありがとうという言葉がなかったからこの子と母親はうまく行ってなかったのでは?と思わされたこと。特に彼女は友人にもありがとうという場面があるのですから、どうしても首を傾げてしまいます。
もう一つは、母親が手紙を送った男たちの、一人を由奈が拒絶したままになっているのはそれはそれでどうなんだろうと思ったこと。もちろん結末はそれでいいのですが、「お母さんは選べないくらい好きだったんだよ」という言葉も、全員に対して言ってあげるべきだったと思います。
主人公が騒動の渦中に放り込まれて、友人や大人たちに支えられて成長して、自分なりの結論を出して前に進むことができる。文句のない筋立てで、微笑ましくも感動させられる作品です。ひっかかった二つは単なる重箱の隅つつきです。だからこそ、ひっかかったという感想も正直に告白した上で、微笑ましくも感動させられた作品です。