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脳外科の話
著者 著:神保実
混雑した電車にお客が乗ってくる。ところが、ある駅で大量のお客を一挙に乗せようとしたらどうなるだろう。おそらくパニック状態になるに違いない。…これがクモ膜下出血時の脳である...
脳外科の話
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脳外科の話 (ちくま新書)
商品説明
混雑した電車にお客が乗ってくる。ところが、ある駅で大量のお客を一挙に乗せようとしたらどうなるだろう。おそらくパニック状態になるに違いない。…これがクモ膜下出血時の脳である。ベテラン脳外科医ならではのユニークなたとえ話を駆使して脳血管障害が起こるメカニズムや脳の基本的な働きを解説する。
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紙の本
女には向かない職業
2003/03/25 13:36
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投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベテランの脳神経外科医による、「普通の人のための脳外科入門」。実は、少し前に出た本で、最近再読した。
脳外科で扱う病気や怪我、そのそれぞれについて、医師が患者に対して行う検査や手術の内容が要領よくまとめてある。ライターが介在して、聞き書きをまとめた、というような本ではなく、おそらく筆者が直接原稿を執筆されたのだろうと思われる(編集側からいえば、これだけの量の聞き書き原稿をご本人にチェックしてもらう手間を考えれば、書いてもらった方が話が早いし、内容もより正確で面白いはず)が、筆のたつ医師というのは、世の中に必要だ。ライターが取材して書くのでは、あれもこれもと欲張って、この原稿量にはまとまらない。逆に、専門家の正確を期した文章ならではの、一般読者には退屈な記述もかなりある。
だが、そのところどころに、人間くさい外科医の本音がぽろりぽろりと短いセンテンスで出てくる、そこが筆者の「味」になっていて面白い。ストレスの多い手術中は執刀医の血圧の変動も大きく、それが日常化しているため脳外科医は一般に短命であるとか、頭部外傷の後遺症については、気に病めば病むほど症状が症状を呼ぶところがあるから、「あきらめる」ことだ、そうしないと新しい世界が見えてこない、というくだりは、見聞を通して、たしかにその通りだと、かつて脳外科にお世話になった一人の患者としても思う。
読み物としてもっとも盛り上がるのは第三章「脳外科の手術」。難手術には技術よりも気力が大事、そして女性は脳外科医に向いているか、という話も出てくる。これは他の職業にも応用できそうな話題だ。後者については、単に元女性誌編集者として興味を持った。