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投稿者:yu - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙とタイトルと前作から何となく内容が想像できましたが、それをはるかに上回るぶっ飛んだ内容と理不尽さでした。まったくもって意味不明な世界観なのに有無を云わせずに物語に引き込まれてしまうのはすごいと思いました。
お気に入りは「ヘルメット・オブ・アイアン」。最初から最後まで夢を見ているかのような内容に頭を抱えてしまいそうでした。「杜子春」を読んでみたいと思います。
動物たちのまーまー
2020/11/22 23:37
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投稿者:ムギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のインパクトとタイトルに惹かれて購入。不思議な話ばかりの短編集。中身はないと言えばないんだけど…引き込まれるのは何なんだろう。読み終わりもなんだかふわふわしている。でも嫌いじゃない感じ。
ときおり登場する言葉遊びも好き。ユージーンは普通にスルーしてしまっていた。
表紙の絵は読むとどういうことか分かる。
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一條次郎の最新作。
解説にもある通り、『ストーリー=内容』と考えると、特に何も無い。というかあらすじだけを見ると余りにも単調である、とも言える。しかしこの単調な、『たったそれだけのこと』が、妙に面白くてふとした拍子に思い出してしまうのだ。テノリネコ、私も欲しいぞ。
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デビュー作の衝撃には良くも悪くも面食らったが、妙に惹きつけられる【引力】が備わっていた。短編集となる本作は殊更バラエティに富み、舞台はギャグとシュールが渦巻く荒唐無稽で支離滅裂な終末世界。そして、そこには鋭く冷たい風刺的観点が張り巡らされている。一見ノリと勢いで押し切る作風に見受けられるが、実際は高度なバランス感覚の元で成立している印象も。プールに棲み着き人語を操るラッコ、熊の着ぐるみを纏う探偵、零細工場で働くバンパイア、この三本が特に面白いが、無闇矢鱈に巨大化したり、殺し合いをするのは興醒めする次第…。
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あはははは、と笑う。笑ったすぐあとで真顔になる。「なんなんだこれは」
主に動物たちが出てくる7つの短編。どれも現実にはあり得ないことが起こり、なんだなんだ、なんなんだ、と翻弄されて、あははははと笑うしかない。だけど実は怖いのだ、その笑いの中身が。
と、書くとなんだか奥の深い物語のようなのだけど全然そんなことはなくて、あらすじを説明すると「ふーん。で?」と言いたくなる。のだけど知らない間に指の先に見えないくらい小さなとげが刺さっていた時のようなちくりとした痛みもあったりなかったり。
とにかく説明しにくい短編集なのだけど、面白いのでちょっと読んでみるといいと思う。
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“murmur”なんて英単語が存在することを知らなかったから、またまた、騙される人が多そうな嘘ついてと笑っていたら、私が無知なだけでした。そんなダジャレみたいな英単語をタイトルに持ってきて「まーまー」と書く、素敵すぎるセンス。
動物たちの“murmur”が聞こえてきそうで、ニヤけながらの読書。音に反応してデカくなっていく猫とか、環境汚染によって異形化した動物とか、見たこともない光景のはずなのになぜか想像できてしまうほど、文章がわかりやすい。かといって薄っぺらさを感じる文章ということはなく、想像の世界がどんどん膨らむのです。そのシュールさを今は笑っていられるけれど、もしかしたらそう遠くない将来、現実になるかもしれないなぁなんてちょっぴり恐ろしくもあり。
伊坂幸太郎が推しているだけあって、伊坂作品を好きな人ならば好みの範疇でしょう。この表紙のぬいぐるみがあればほしい。いや、やっぱりこんなん家に居ったら嫌かな。
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動物たちの行動、言動がいちいち面白い。人間を振り回す動物、振り回される人間。そのどちらにも滑稽さがある。存在しないはずの動物たちがそこに存在しているように生き生きとしていてただただ楽しめる。
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異色な動物たちが登場するシュールな世界の短編集。
ちょっと星新一を思い出させるようなSF的要素もある。
でも、いま読みたい感じではなかったかも。
読後少し疲れてしまった。
2020.12.28
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短編のほうが、わけの分からなさが短く済んで、わけわからないなりに、何となく覚えてはいられるので、面白かったです。
人物の容姿とか、性格とか、背景の描写とか、細かい設定がいろいろあって、パロディだとか気付く人は凄く面白いんじゃないかなと思います。読む人間のほうに、センスが必要みたいで、わたしだと、上っ面くらいしか楽しめてないんだろうなと思うような作品でした。
好きなのは、「ヘルメット・オブ・アイアン」。漢字読みを、外国語にしたり、音読み・訓読みで遊ぶってのはよくある手法ですが、この変換には、笑いました。四兄弟なのか(笑)。
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7つの短編からなる短編集。正直言って玉石混合。
冒頭の「テノリネコ」は最高に面白かったが、後の作品になるほどなんじゃそりゃ?みたいなお話だった。
ただ、この洗練され卓越したユーモアと、スピード感を失わない言葉、会話の妙、展開の意外性は、何物にも代えがたい魅力を持っているのは間違いない。まさに伊坂幸太郎を思い起させる。そしてベースにある世界観というか人生観は実に哲学的だ。作家に求められる力量の一つは創造力だと思うが、それについてはもう何も文句はない。
「テノリネコ」と「採って獲って盗りまくれ」が大好きです。
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印象に残っているのは
ネコビト×ピザ
ラッコ×ホタテ
熊×トウモロコシ
ワンちゃん×中華
ドラキュール×ドラキュラード
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『レプリカたちの夜』は安部公房と小山田浩子に似てたけど、本作は不条理さがカフカっぽいと思った。それぞれの短編の主人公みんな、不条理に翻弄されて何も解決しないまま振り出しに戻って途方にくれて終わる。「ヘルメット・オブ・アイアン」なんか、何を読まされているのか分からず読んでるこちらも途方にくれて面白かった。「アンラクギョ」が特に好み。ネコビトの話し方真似てみたりした。
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みるみるデカくなるテノリネコ、絶滅危惧種の乗った違法なピザ、工場で夜勤に勤しむ冴えないバンパイア...。
熱帯夜に見る悪夢みたいな内容の物語たち。
絶望なのか何望なのかもよく分からん余韻。
不思議で不条理な動物たちが脳みその片隅に住みついた可能性がある。
工場勤めやブラックバイトみたいな感じでまた登場人物に社会の歯車的な属性を意識させつつ
社会の仕組みから大きく外れた不思議な動物たちに振り回されるユーモアで不幸も不遇もなんだか可笑しい読み味に。
ラッコの話とかめっちゃ笑ってしまった。ホタテのおじさん...笑
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荒唐無稽、支離滅裂が心地よい。
思いがけず、声を出して笑ってしまう場面とか、全くわからなくなって前に戻ってよけい混乱させられたり。
『ベイシー伯爵のキラー入れ歯』を読みながら、なんかこの話は普通じゃんって思ってしまう自分の麻痺具合に驚く…
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表紙とタイトルと前作から何となく内容が想像できましたが、それをはるかに上回るぶっ飛んだ内容と理不尽さでした。まったくもって意味不明な世界観なのに有無を云わせずに物語に引き込まれてしまうのはすごいと思いました。
お気に入りは「ヘルメット・オブ・アイアン」。最初から最後まで夢を見ているかのような内容に頭を抱えてしまいそうでした。「杜子春」を読んでみたいと思います。