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奉納百景 神様にどうしても伝えたい願い
著者 小嶋独観
こんな祈願法、見たことない!!錆びたハサミ[縁結び]、女性の髪の毛[病気平癒]、釘を打った男根[浮気防止]、御神木に打ち付けた鎌[子宝祈願]……寺社に奉納される不思議な“...
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商品説明
こんな祈願法、見たことない!!錆びたハサミ[縁結び]、女性の髪の毛[病気平癒]、釘を打った男根[浮気防止]、御神木に打ち付けた鎌[子宝祈願]……寺社に奉納される不思議な“呪物”の真実。
目次
- <目次>
- 第1章 縁結びと縁切り
- 第2章 なんでも供養
- 第3章 病と奉納
- 第4章 生贄という作法
- 第5章 生と性 ~生命誕生の神秘と畏れ~
- 第6章 死者供養の諸相
- 第7章 あの世への想像力
- 第8章 意味の地平線を跳び越えた文字たち
- 第9章 稲荷信仰の裏側にあるもの
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紙の本
人生観、死生観まで考えさせられる。
2018/12/03 09:58
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投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
科学の時代といわれながら、「御朱印帳」を手に神社仏閣を訪れる人は多い。四国八十八か所巡りの全国版とでもいうべきか。
単なる、オタクの世界での御朱印集めだけではないものがあるのでは。
本書のページをめくりながら、人の願い、祈りは様々。
そして、それが、独自に存在していることに大きな驚きだった。表紙の写真からして、ご神木に鎌が撃ち込まれた物。誰が、どんな願いで、いつ、こんな風習になったのか。
哀れだったのは、食肉牛として飼育された牛の鼻輪が奉納されている写真。牛の生命をいただいて、人は生きている。欧米では「アニマルウェルフェア」といって、家畜をストレスなく、そして、無用な圧力をかけない。死に尊厳をという思想が広がっている。
しかし、日本では、さらに、それを上回る「奉納」という形での尊厳が続けられている。この山となす牛の鼻輪の写真は、世界に発信して良い。生き物の生命をいただくということ。それに対する感謝の念を抱いていること。これは、クジラ漁で生計をたててきた漁師たちが「クジラ塚」を立てて、慰霊するのと同じだ。
人間は死ねば、墓場へ行くと思うが、その墓石の墓場があることにも驚く。
物質的に、豊かに、欧米に追い付け追い越せで生きてきた近代の日本人。
しかし、人間は死ねば、自然に還る。死生観というものを振り返らせる一書でもある。文章、写真から、著者が何を読者に訴えているのかを感じ取れる。