紙の本
今にも降り出す空の黒さに似たざわざわした不安感が流れている
2009/02/07 00:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読書は風呂場で - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観ようと思っていたのに観そびれていたことを思い出して読んでみた。
映画と原作は別物と多くの人が言われているので映画もいつか観てみたい。
映画では、舞台は沖縄らしいが、真鶴と沖縄ではなんていうか、空の色が違うように思う。
全編を通して、降り出す寸前の黒い曇り空を見た時のようななんともいえない、さびしくて孤独な印象が胸にせまる。
人ひとりの存在なんて、大きな運命のそのうねりのなかでどれほどちっぽけなものだろう。
自分でもどうしようもできない環境や思わぬできごと、そしてどうにもおさえられない欲情というか業というか。
生きることって楽じゃない。
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分厚いわりにはアッという間に読み終えました。何もかもがたんたんとしたまま終わってしまった・・・って感じです。この続きが気になる。
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幼少の頃、自分を誘拐した女性に会いに行くなんて、とても設定が変わっている。
出てくる人達は、感情を表面に出さないがみな心の奥に何かを抱えて生きている。
そんな人達に好感が持てた、破天荒な美佳でさえ。
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主人公が気に入ってしまい、それだけで楽しめた。
短いわけでもないけれど、一気に読んでしまって、満足感もあった。
海のイメージが浮かんできそうな描写もよかったです。
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初っ端から熱く始まる描写に驚いたけど
昨日読み始めた時のアタシの気持ちと とても似ていて
スンナリと 面白く 最後まで愉しく読めた。
なんの伏線もなしに
「俺さ、赤ん坊のときにさらわれたことがあるんだ」のセリフには
ココで終りか。と些かガッカリきたけども
長い物語の中では たった1つの失点という事でノープロブレム。
あ!!美佳の部屋に携帯を落としていった理由も説明おかしいから失点2ポイント。
主人公は男の子で高校生で 全くアタシとは違うけど
親は金持ちでいい家に住んでいて 全くアタシの親とも違うけど
アタシの親に対する気持ちは 非常に全くといっていい程似ていた。
誰にでも理解できる暴力行為が行われていたら、
僕はどんなに救われただろう。
未成年の歳からずっとずっと思っていた気持ち。
そこから始まって 主人公の母が亡くなった後の気持ちも
多分その時にそう思うんだろう。と いつも思ってるアタシの気持ち。
とはいえ 死に顔を観ての言動も否めなかったりする。
全てお子様ランチな気持ち。
今まで誰にも晒した事のない自分の闇の部分を 全く知らない人が
全くアタシなんてお構いナシに書いた文字が
どれもこれもドンピシャで 自分と向き合うようだった。
向き合う=反省ではなく。確信。確信=愉快。
昨日この本に出会えて良かった。
アタシ一人だけが
こんな思いを抱えて生きているんじゃないと思えて良かった。
苛立ちの中で断片的に思う事を実行する前に読めて良かった。
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分厚かったけどすぐ読めたー。これも映画が先。そしてこれも映画のほうがよかっ・・・w映画で好きだったシーンがどんなふうに書かれてるか楽しみで読んだのに、全然なかった!!wカーネーションとか、チークとか、ビンタとか。あと愛子さんがあんまり魅力的に書かれてなかったのと、美佳に惚れる意味がわかんなすぎる。その心理はむずいです藤田さん!映画の美佳との関係のほうがわかるー。
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かって新生児のころに誘拐された過去を持つ男子高校生。実母の愛を受けずに育ち、自分を誘拐した女に会いにいこうとする。
アダルトチルドレンについて描いた小説を読みたくて、ミクシーで紹介されていたこの本を手にとってみました。
うまくできてはいるんですが、小説の限界を感じました。今ひとつリアリティがないんです。
あれだけお母さんに虐待されているにもかかわらず、自信もありバイトもそつなくこなし賢いはきはきとした主人公。普通、虐待されたらこんなになんないんじゃないかと疑問。誘拐した女との関係もすごくうまくいくし・・。つくりものっぽさを感じずにはいられません。高校生にしてはしっかりしすぎだし・・。
ただ健全な女性に惹かれず、美佳のような複雑な女性に恋していくさまはリアル。
「良き家庭、良き人間関係・・何事においても理想が先行しているから生身の人間のやることは全てうそくさく見えるのかもしれない。しかし現実というものを掴み取る術を教えられないまま育てば、ユートピアが頭の中で増殖してしまうのは仕方のないことではないか」という言葉は印象的でした。でもこれが高校生の洞察ってありえないし・・。
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実の親達とうまくいかない17歳・島本真人は、ちょっとしたことで今までつもりつもったものが爆発、父親の歯科医院で暴れた後、家を飛び出した。そして向かった先は、幼児の頃、自分を誘拐した女のところ。ずっと気になっていた、自分を誘拐した女。もしそのまま、その女が自分の母親になっていたらどうなっていただろうか?今の本当の母親と何が違うんだろうか?誘拐犯の女の居所をつきとめ、素性を隠してアルバイトとして雇ってもらい、住み込みで一緒に暮してみて真人が感じたこととは?
感想を書くのがものすごく難しい。真人の行動や思考も、理解できるようで理解できないようで。それでも、この誘拐犯の女とのやりとりには心温まるものを感じたり、真人が実親の元にいる時とはどんどん変わっていく様をただ単純に嬉しく思えたり。17歳という年齢にしては、酒やらタバコやらセックスやら、こんなに達観しているもの!?という感じがして疑問が残るが、不思議と嫌な気持ちにはならずに最後のページまで読みきった。親と子って難しいなぁ。
あと、248ページにこんな一文が。主人公がクラブで。
僕は、KinKi Kidsの『情熱』にしようか、
山崎まさよしの「Plastic Soul」にしようか迷った。
でも結局、歌うのはわらべ歌の『めだかの兄妹』なんだけど。
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◆あらすじ◆
会いに行こう、かつて僕を誘拐した女に!
生後三日で新生児室から連れ去られた過去を持つ十七歳の島本真人は、実母の愛を十分に受けずに育った。
父が経営する歯科医院の機材を壊して、現金を持ち出した真人は、神奈川県の真鶴を目指す。
そこには「誘拐犯」、黒江愛子が住んでいるのだ。
(『キッドナップ』改題)
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自分が赤ん坊の頃、一時、誘拐されていた主人公。
今の生活、家庭、自分に不満を覚え、「自分を誘拐した女に会ってみようか」と なんとなく、本当になんとなく 探し訪ねる。と まぁ そんな話。
ストーリー的には大した事ないと思うんですが、主人公の感情の描写がいいですねぇ。それでどんどん引き込まれちゃう。「女」の容姿、暮らし様などの設定も面白いし、主人公の友達らも なかなかいい味を出してる。
明るい内容じゃないのに重苦しさはない。
全体的にテンポがいいですね(^-^)
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借本。
著者の本はこれが初めて。
真人の目線で読むと、面白い。
途中で出てくる真人と対なす女の子が苦手だったけど、
後々でなるほどと唸ってしまった。
ただ、親目線で読むと、微妙な気分になるかもしれない。
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映画をさきに見てから原作読みました。記憶にないはずのことにずっとこだわる主人公。愛子の複雑な生き方など、深いなと。親子は血ではないんだな。
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ミステリーかと思って読みましたが、そういった謎解きではありませんでした。
生後3日で新生児室から連れ去られた過去を持つ17歳の主人公、真人が、その誘拐した女、愛子に会いに行く話し。
実の親とうまくいかず家を飛び出し、誘拐した女を探し出して、嘘をついて一緒に暮らす。そして、その地でいろんな人と知り合っていく。そんなストーリです。
とくに、ぐっと泣かせるシーンもなく、あれよあれよと読み進めることが出来ました。いつ、嘘がばれるのか。ばれたときの愛子と真人はどうなるのか?といったところが気になって読み進めていく感じです。
真人にも愛子にもどちらにも感情移入できず、読後感もスッキリしない作品となりました。
この手の作品は苦手かも(笑)
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いやぁなんていうか。
本のタイトルからすると異様にかけ離れた内容でしたね~~
っていうか、このタイトルちょっと意味不明。
もともとはキッドナップというタイトルだったそうで、読み終えてみるとなるほどそっちのほうがしっくりきます。
なんで替えちゃったのかな~~~??
おハナシは、裕福な高校生が、家庭に嫌気がさし家出し、過去に自分を誘拐した女に会いに行き、そこで生活を始めてしまうというもの。
ばれないようにウソをつきうまく住み込みのバイトに紛れ込んで、周りの人たちともうまく交流し、最後にはその周りのいやな人とのいざこざに巻き込まれてしまうんですが・・・。
その、ヒミツがばれるばれないあたりの部分がやはりおもしろかったです。
設定が主人公(映画では松雪泰子演じる女が主人公になってるみたいですけど)が高校生にしては、まあ下ネタのオンパレードで、いったい何の話なのか時々わからなくなりつつ読んでましたヽ(;´Д`)ノ
ことあるごとにそのシーンの描写がでてくるんですよね~~
それが、今どきの高校生ってものを描いてるのか(ありえない理由での女子高生の自殺とかでてくるし・・・)、単に主人公を表現しているのか、わからないんですが、それにしても多すぎました。もういいやんって思うほど。。。
しかも、子宮の記憶というからには、期待するじゃないですか!!
最後まで、そのどんでん返しはありませんでした・・・ ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!
それもちょっと尻切れトンボのような終わり方。
続編でもあるといいんですが。
それにしても、誘拐した女に松雪泰子はまったくイメージではありません。
どちらかというと、その友達のほうだったらまだありえるかな。。。
原作ではもっと普通の中年のおばちゃんっぽい感じで描かれてます。
映画の公式サイトを見る限り、そのスナックのママである友達とか、連れ子の美佳がでてこないのかな??っと思われるんですが、このママとか美佳とのかけあいがストーリーの中でけっこうおもしろかったりします。
でもまあ下ネタ多すぎるし、厳密に忠実には映画化しにくいちゃあしにくいストーリーかも。
きっと(まだ見てないので)幻想的な感じに仕上がってるのかな~~って思いました。
ロケ地も沖縄だし。
(実際は房総半島あたりだったかな)
いやでも、けっしてよくなかったわけではなく、けっこうおもしろかったですよ。
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こどもにとって母親とはどういう存在なのか。どのように接していたとしても母親は母親であって、かけがえのない寄るべき存在なのか?そうじゃないケースもきっとある、そのケースを赤ちゃんを誘拐して母親になろうとした当時の犯人に会いに行き、もしかしたらその犯人のこどもとして育っていったなら、もっと違った母親との関係になったんじゃないか?というストーリー展開で本書は進んでいく。
その犯人の女は、再婚して相手の連れ子との関係が最悪だったり、田舎町のよくわる閉鎖的な環境に身を置くなど複雑な関係があったり、主人公も家の金をもちだして家出するなど破天荒な背景設定であるが、紗に構えつつ、本気になれない青年の困った気持ちがあちこちに散りばめられており、飽きさせない展開であった。しかし自分の周囲にはこういう展開はないな...