紙の本
西川さんの表現の仕方が魅力的
2021/03/05 23:49
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投稿者:キブン - この投稿者のレビュー一覧を見る
西川美和さんの表現方法、言葉えらびが美しい。すばらしき世界の映画も観たが、この映画以外は西川さんのオリジナル作品でしたが、この本は、エッセイなので読みやすい。
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期待が高すぎなのかも。
原作の身分帳も読んだけど今ひとつピンとこなかった。
西川美和さんの作品は好きだけど、西川美和さんが好きなものが好き、とはならないものだな、と思った。
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西川美和監督の最新作「すばらしき世界」を制作する際のエピソードを中心にしたエッセイ。映画はもちろん大好きなんだけど監督の文章もファンなのでこうして読めて嬉しかった。
今回の映画は初めて小説原作ありきということもあり、小説から脚本へと昇華させていく過程での様々なエピソードや監督がどういうアプローチで臨んでいったのか細かく記録されていて一体どんな映画になっているのか非常に楽しみになった。また、おそらく見てから読んだとしても「これはあのシーンだな」とか「この人のことか」みたいな答え合わせもできるだろう。したがって、見てから読んでも、読んでから見てもどちらでも良いように個人的には感じた。
「ともだち」というエッセイでは、これまで長年付き添ったプロデューサーから新しいプロデューサーに乗り換えることが書かれているのだけど、それが本当に生々しい内容で読んでてドキドキした。新しい空気を入れなければ次の進化はないし、それに伴い失う安定もある中で、著者が苦渋の決断するところは華やかに見える映画作りはシビアな世界で他の仕事と変わらないのだなと感じた。筆力ということで言えば「異邦の人」が抜群。前作の「遠きにありて」では何度もウルルになったけど、今回は「異邦の人」でウルルだった。日本に来ている技能実習生の話なんだけど、彼らの過酷な環境が問題になっていることは念頭に置きつつ、その中でもたくましく生きている姿が取材含めて丁寧に書かれていて非常にオモシロかったし最後のくだりで泣いた。
公開前ということもあり映画に関する具体的な内容は少ないものの、著者が今回キャスティングした役所広司と仲野太賀の話は興味深くて、特に仲野太賀の話は語られているのを読んだり聞いたりしたことなかったので新鮮だった。
映画はコロナ前に撮影が終わっていたものの、編集作業などはコロナ禍の影響をもろに受けていたようで、その頃どういうことを考えていたか知ることができてオモシロく、これまで読んだコロナ禍における文章で一番刺さった文章を最後に引用しておく。何気ない描写でハッとさせる著者の提示する視点がとにかく好きだ。映画が楽しみでならない。
またスタジオの密室で、朝から晩まで膝と膝をつき合わせながら、人たちと仕事ができるときのことを思うと、それだけで胸が踊るような気持ちだ。私たちは、必ずその日を迎える。それまでは窓外の空に憧れながら、麺を茹でてはネギを刻み、タレをかけて食す日々だ。
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映画監督である著者の最新作『すばらしき世界』の制作過程が綴られたエッセイ集(ちなみに自分は映画を見てから読むのをオススメします)画面だけでは知り得ない俳優・役所広司の凄さや各スタッフの人柄などが結構オープンに書かれていて興味深い。個人的に著者の作家性は「嘘と本音」にあると思っているのだが、それは本書にも通じていると感じる。一方でかなりシビアな内部事情が書かれた『ともだち』は読んでいて胃がキリキリした…
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最新作『すばらしき世界』が公開中の西川美和監督のエッセイ集(+短篇小説)。メインになっているのは映画の製作発表前からクランクアップまでの期間に発表されたエッセイで、作品に対する様々な思い、スタッフや役者たちも含めた映画作りの裏話、コロナ禍での世界の変容などをユーモラスに綴っている。途中何度もニヤついたり吹き出してしまったので、他人の目のあるところで読まれる方は要注意。どう受け止めればいいか悩んだ映画の、理解への一助にもなった。
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すばらしき世界を観てすごく良かったのでラジオで紹介されていたこの本を読みたくなった。
西川監督の映画は何本か観ているけどこの本を読んですっかり西川美和という人を好きになった。
役所広司さん、中野太賀さんなどなど俳優陣の話も興味深かったけど、何より映画を作るって当たり前だけどこんなに大変なのかと今更ながら感じた。
これからは一本一本、映画に関わった人たちの思いを細かいところまでもっともっと感じながら観たい。
長く一緒に仕事していたスタッフさんとのやり取りも心に残った。スクリーンからはたくさんの人たちの熱い熱い思いが溢れているんだなぁ。
ちょこっと本木雅弘さんが出てきたけど、NHKのプロフェッショナルに出演した時を思い出した。
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映画のタネ(原作)に出会って、作り始めて、完成するまで。
たくさんの人と関わって、時には苦い想いもして、全てはよりよいものを届けるために。
映画のタイトルがなー!と思ったけど(多分これだと観に行かない)エッセイを読んだら観てみたくなる不思議。役所広司さん、八千草薫さん、仲野太賀さんという魅力ある人たち。気になる。
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『すばらしき世界』(2021) の西川美和監督によるエッセイ。この作品に込めた想いや、スタッフや役者を含めた製作の裏話、コロナ禍での映画界の変容を綴る。
様々な取材の詳細も書かれ、勉強になる部分も。役所広司さんや仲野太賀さんが本当に素晴らしい俳優であるということも改めて。
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“すばらしき世界”は本当にこれ以上ないような作品だったので、このエッセイを手に取りました。
一本の映画を撮るのって、こんなに大変なんだ
こんなたくさんの人が、魂と命を削って作っているんだ
それをこうして、僕たちは見せてもらっているんだ
このエッセイを読んだらもう、映画はフラットに見られなくなります。
見ながら、作り手の苦労に思いを馳せてしまうので。
そのくらい、生き生きとした実感に溢れたエッセイ集です。
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一本の映画を作るってこんなに大変で地味な作業の連続なのね。
たとえば一瞬しか映らない名刺かなにか証明書のようなものでさえ当時のその材質、色を再現させるよう美術スタッフがいたりとか(細かいことをいえばね)
でもこの本を読んで俄然、「身分帳」も読みたくなったし、「すばらしき世界」も観たくなった。
ベトナム人の3人はイメージに合う人がいなかったということでそのまま取材の時に出会った3人を使うことになったと。(そこも見どころ)
あと八千草薫が演る予定だった役所広司の母親役の名もなき女優さんもね。
巻末に載ってた短編小説、”蕎麦屋ケンちゃん失踪事件”
これも体重をぴたっと言い当てるのが得意で発達障害のケンちゃんがいいのよ。せつないけど。
映画監督でもあるけど小説家でもあるんだね。
永い言い訳も小説が先だったしね。
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図らずして「すばらしき世界」鑑賞後に図書館予約が来たので、監督のことばがより自分に入りやすかったです。これまで西川監督のオリジナル作品が好きで、今回は、ん?原作があるなんてどーいうことなんだろうと思っていましたが、その原作との出会いとか、映画化までの詳細が書かれていたので、原作があるからといって、当たり前だけどそのまんまってわけにはいかず、しかも時代背景をより現代にもってきたあたりが非常に興味深く、監督さすがやなーと思いました。本書の中では、鑑賞中もつい職業柄気になっちゃってた在留外国人役の子たちの話もあって、真相?を知ったらやっぱりぐっときてしまった。ラストの彼の話も◎!映画を観るまえに読んだ方は、観てからラストの短編だけでも再度読むことをオススメします♪って言われなくても読むか?!
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【いちぶん】
読み終えるのを待てず、「こんな面白いものが世の中に埋もれているのは、災難だ」。そう思った。
(p.15)
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先日、『素晴らしき世界』を観た。
一言でいうと、衝撃をうけた。
記憶の限りでは生まれて初めて映画のパンフレットを買い、この本も購入。
西川監督の映画に対する真っ直ぐな姿勢と飾らない物言い。自分が西川監督の映画を好きになる理由がわかった気がする。
映画をつくるというお仕事、尊いなぁ。
心をうつ映画に出逢えるということ、ありがたいなぁ。
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西川監督の著書を初めて読みました。文体が柔らかくてチャーミングなのに何処はかとなく漂う仄暗い感じ…。映画制作の舞台裏もとても面白かったです。映画の次回作も楽しみにしております。
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すばらしき世界を観てから読んで良かった
西川さんの文章を読むのは初めて(映画もすばらしき世界が初めて)
軽快でユーモラスで毒を少々な文がとても心地よかった
映画界の裏話のような
泣いたり笑ったり、ある映画監督を追った一つの映画を観ているようなそんな本
p59でスクリーンで嫉妬の炎で松たか子が燃えるところで大爆笑
言葉の壁か、燃える演出だと錯覚する観客とうろたえる監督
p79の刑務所の見学をしているところで、知人に対しての刑務所に少しでも入れてあげたいのところも爆笑
不謹慎なんだろうけど、確かに取材されていた旭川刑務所は設備が整っていて、栄養士さんがご飯を作ってくれて…と至れり尽くせりで私も羨ましくなってしまった
他の本で、静かな時間が今までなかったから自分について考える時間を得てしまい犯した罪について考えざる得ないことになって苦しむ受刑者の話を読んだので
罪に向き合うという意味では旭川刑務所は最適なのかもなとも思った
八千草さんにオファーしていたとは驚いた
観たかったな、八千草さんの役
西川監督が描いていたように、綺麗だけれどちゃんと歳を重ねているという表現はとてもしっくりきた
品位を保つための努力みたいなものが絶対あるはずなのに自然体で大好きな俳優さん
亡くなっていたのを忘れていたので改めて死と向き合うことになりとても悲しくなってしまった
なかなか死ねないことへの憂鬱、10代の頃からモヤモヤしていた思いを言語化するとこの言葉か!!!と衝撃だった
最終的に映画では演出を変えたのだなーとあの女性がそうなのかしら?ともう一度映画を観たくなった
俳優さんの小話がいちいち面白くて、映画のDVDが出たら観た後にまた読みたいと思う
本木さんがネチネチしているのは知らなかった笑
西川監督の他の映画も観賞しようと思う、まずはディア・ドクターから