紙の本
何だか変わった作品
2021/05/16 09:58
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投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中何度かリタイアしそうになりながらも、何とか最後まで読んでみた。
意味がわからないし、犯罪に関する場面もあまりにリアリティに欠けるし、犯人に関しては思わせ振りに記述しているが、全く意外性はないし…で、なぜ最後まで頑張って読んでしまったのだろう、と後悔。
タイトルから面白そうな予感がしたのだが、裏切られた。この内容で、なぜこのタイトル?
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精神を病んだそれぞれの登場人物が
現実か空想か分から無いエピソードから
ある精神病院へと導かれて行く過程が
複雑に絡み合いながら謎から謎へ
迷宮のように押し寄せてくる。
一つの罪が、もう一つの嘘となりそれらが
一本の線となった時全ての謎が解ける。
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ひとつひとつのエピソードは面白いのだが、全貌がわかるようなわからないような、4つの繋がりもわかるのだけれど、仕掛けが不可能すぎたり、偶発しすぎたりする気がした。
何かが少しずれていき、狂っていく。それが関わる人全員に伝播しているようで、ホラーのような怖さもあった。
なかなか人には薦めにくい。
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伊坂幸太郎氏の熱望により復刊。ということで、ワクワクしながら早速読んでみた。
うーん、難解。
気をたしかに持ち、集中しないことには理解できないかも。
それなりになるほど! と思える部分もあり面白く、続きが気になって最後まで一気に読んでしまったけれど。
これは、伏線回収のプロである伊坂幸太郎氏だからこそ、頭の中で複雑なストーリーがパズルのように収まって楽しめるということなのでは…。
もう一回読んでみるかな。
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もう一人の自分を見た主婦、自分を轢いたはずのダンプが突然消失した画家、自分はすでに死んでいると妻に告げられた葬儀屋、妻がいつの間にか別人にすり替わってしまった外科医。四人の妄想が複雑に絡み合い崩壊していく現実感。これはミステリとして成立するのだろうか?といかこれミステリ?と思い不安を抱いて読み進めていくと最後の最後で物語は本格ミステリとして解決される。何か清涼院流水を読んでいたはずなのに気づいたら森村誠一だったみたいな狐に化かされた感がある。結末はやや雑に感じられる部分があるけれど、この驚天動地なアイデアは素晴らしい。
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――
成立しているのが、狂気。
あるいはタイトルのとおり喜劇的になっていくのかと思って読みはじめて、ホラーサスペンスなんだなと納得しながら終盤に差し掛かったら、まさかの本格ミステリなのか? と思い直して、読み終えてみればつまりタイトルどおりだったんだな、とぞっとするこれは連城ミステリ。
さて。
生きていれば自然と、いろいろな掛け違いや勘違いを無意識に修正しながら暮らしているわけですが。
何かの拍子に、その勘違いから離れられなくなったら。
掛け違いを、正しい姿だと思い込んでしまったら。
そんなくだらない、と鼻で笑うところが、どんどん笑えなくなっていく。
気付いて助けの手を伸ばしても、その伸ばした手が虚ろで。自分の姿が自分で、滑稽に見えていた間は救われていたんだなと思わされたりも、する。
そうなってしまうともう、突き進んだ方が本人的にはハッピーだという考え方もあるけれど。まわりは大変だろうからちょっと首肯できないか…微妙。
映画『ペイチェック』で、テーブルから落ちるボトル? なんだっけペン? を受け止めて、「落ちることがわかっていれば、受け止めるだろう?」みたいなシーンがあったけれど(あれって原作でもあるの?)、
それを、解っていて落ちるのを眺めているようになったら?
修正しようとする意志がやんわりと失われてしまったら?
それはもう、狂――
手記はそこで途切れている。
結局笑える。☆3.8
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最後の最後まで、ファンタジーなのか本格ミステリなのか判断つかない感じ。登場人物多いし場面転換多いから最初の方はついていくのに必死。ただ序章の、何が本当なのか分からない感じはおもしろかった。
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葬儀屋の夫があっさりと自殺したり、犯人の予想以上に物事が上手く運んだり、荒削りな部分はあるが、全体としては物凄くハマった。
高橋の姪っ子の預言?は凄い。
彼をもっと掘り下げて欲しかった(特に幼少の頃)。
碧川は逆に要らない。
高橋と波島は旧知の関係でも良かったかな
※物語に複雑性、交錯性が増したかも
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混乱するぐらいに謎だらけの奇妙な事件が立て続けに起こり、連鎖し、繋がり出す。
全ての元凶はとある精神病院。
これどうなるの?
本当に解決するの?
と最後の最後まで目が離せない展開。
嫌でも夢中になってしまうミステリー。
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緻密に練られた構成が、ページをどんどん捲らせる。
精神を病んだ人が見る世界観を要素にしたことが、ある面「なんでもあり」感にもなるのが少し残念。
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この小説が何十年も前の作品だということがまずおもしろさの第一点だと思う。
精神患者たちの不可思議な物語を読み進めて行くと、あれこれ松本清張?京極さんだったっけ?思うような、物語が混戦を極めるのだが、終着点は見事に一点にまとまる。そのまとまり方がまた、松本清張とも、京極さんとも違う。連城さんならではの着地点。
これから『ラッシュライフ』が生まれたというのは、ちょっとわからないが、人生が交差する点では同じく、改めて読み直したくなった。
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これまた連城節炸裂で大満足。
不可解な経験をした複数の人物の視点で物語が進む。
その経験によってだんだん心が壊れていく者たち。
いったい、本当には何が起こっているのか。
読んでいるうちに、こちらまで謎に絡め取られていく。
そのせいで、そこにあるはずの事実を見えなくなっていく。
終盤、明らかになる事実にいくつものウロコが目から落ちていく快感。
様々なことに合理的な回答が用意されているカタルシス。
これだからミステリ読みはやめられない。
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2021/9/8読了。
精神疾患を題材としたミステリー。複数人の患者が出てきてそれぞれ多様な症状を見せるが、どこまでが妄想でどこまでが現実なのか、読んでいて分からなくなってくる。そしてこれらこちらまで狂ってしまいそう。良い意味で。
展開もよく、ミステリーならではの緊張感もあったが、トリック部分、運任せな部分が多いのが少し引っ掛かった。
それから賛否分かれる投げっぱなし系のオチ。
あまり好きではないが、今作は色々な人物が容疑者にされてはまた別の人物が…の連続なため、そこの無限ループ的な気味の悪い終わらせ方を狙ったのだとすれば良い状態だなと思う。
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自分が自分ではない、あるいは身近な人物が他人にすり替わっている、という考えに憑りつかれた4人がとある精神病院に集合し、程なくして失踪と殺人事件が起きるという、ひとつ間違えばバカミスと呼ばれかねない突飛な設定で、どこに連れて行かれるか分からない展開に読み始めは不安を覚えたのですが、読み終えてみたら全て納得しました。なるほど、伊坂さんが本作を好きというのはすごくよく分かります。
リアリティ云々で言ってしまうと正直無理があるとは思いますし、真犯人が誰かという点もミステリーを読み慣れている読者であれば恐らく薄々予想はつくので、そのあたりの驚きはそれほどでもないです。また本作で描かれている個人のアイデンティティをめぐるあれやこれやに関しても、精神に異常をきたしているという前提があるので個人的にはそこまで響きませんでした。
では本作の魅力はどこにあるかというと、雰囲気は似ているものの全く異なった方向を向いた複数の怪奇話を、最終的に全て論理的に纏め上げて解決に導いた点に尽きるでしょう。このアクロバティックな手腕は率直に見事だと思いました。初版が40年以上前なので当時これがどう評価されたのかはよく分からないのですが、文体の古さを気にしなければ現代でも十分楽しめます。ようやく連城さんの魅力の一端が垣間見える作品に出会うことができました。
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解説で有栖川有栖氏が書かれているように「爽快なカタルシスではない」というところが連城三紀彦作品の特徴で魅力なのかも
萎びた朝顔を「老人の小指のように」と形容するなど、多彩な比喩表現が素晴らしい