紙の本
探偵が「一度やってみたい」こと
2001/01/04 00:33
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投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく、探偵が読みたい。大胆不敵な笑みを浮かべて颯爽と登場し、華麗に幕を引く、あの探偵が読みたい。恋い焦がれ、夢にまで見るような、かっこいい探偵が読みたい。蘭子と出会ってしまったのはそんなときだった。「ロシア館の謎」「密室のユリ」「劇薬」、という3本の短編集。
「ロシア館の謎」には参りました。
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バイカル湖近くの巨大な館が吹雪の中で一瞬にして消える「ロシア館の謎」
新築の高級マンションでおこる三重密室「密室のユリ」
パーティーの最中に起る毒殺事件「劇薬」
個人的には「バラの迷宮」の方がよかったかな?
ロマノフ王朝の歴史的背景を扱った「ロシア館の謎」もなかなか面白かったですが、アガサ・クリスティーの「ひらいたトランプ」と「エッジウェア卿の死」を彷彿とさせる「劇薬」が一番でしたね。容疑者は全員動機がある(というか被害者が死んでも誰も悲しまない)凶器の砒素がいつ何に混ぜられて飲まされたのか?てっきり白湯に混ぜてあったと思ったのですが・・・まさか根底から覆されるとは・・・・
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二階堂蘭子シリーズ
『ロシア館の謎』
シュペア老人が体験した事件。ロシア革命後混乱するロシアで消えた城の謎。
『密室のユリ』
密室で殺害された推理作家。口述筆記の中に隠された過去の殺人事件の秘密。恋人二人と警備員の前で明かされる真相。
『劇薬』
殺害を予告された男の死。コンクラント・ブリッジ中にヒ素を飲まされた毒殺事件。ブリッジの参加した容疑者たち。
2009年7月10日再読
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二階堂蘭子シリーズ。
蘭子シリーズでは御馴染みの人物、
シュペア老人が体験した事件を語る『ロシア館の謎』他二編を収録した、
蘭子シリーズ初の短編集。
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二階堂蘭子が活躍する短編が3つはいっている。長編とは印象が違う。派手さというか、猟奇的なところがあんまりない。その分、トリックの切れがよい。
石造りの立派な館が半日で消えてしまう「ロシア館の謎」がすごかった。だいたい、こういう建築物が消えてしまう話っていうのは、クイーンの「神の灯」の変形的なものが多くて、その見当で注意深く読んでいるとネタが見えてしまうものが多い。しかし、これは本気で消している。確かに、最後まで読んで、別の意味であっけにとられてしまった感じはあったけど。見事であった。
のこり二編は、まあこんなものかなって感じだった。「劇薬」は、ファイロ・ヴァンス風の心理操作をやったりするんだけど、「カナリヤ殺人事件」と同様、能書きほどいいとは思えない。どんでん返しはなかなか鮮やかなんだけどね。
やはり、面白いのは長編、というのが読み終わっての結論であった。
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図書館から借りました
推理小説。
作者については、大御所なので説明するまでもないかなー。
読みやすかった。ただ、古いので、犯人とかトリックがあんまりにもさっさとわかってしまうので……。
蘭子という天才と、その義兄(彼の名前はまんま作者)が事件を解決していく。
視点はほぼ、義兄。つまり、作者の名前のキャラクター。
探偵小説としてオーソドックスな、ホームズを記録するワトソンという伝統を踏襲。
ロシア館……は「まーた、彼女か」。と思ったら、変化球。でもやはり「まーた、この一族か」みたいな感じは否めませんね。推理系でこの生き残りを見ること、もう4回目かそこいら。
ネタバレですが。メルカトル~。コナン~。推理ではないけれど、たぶん、嘘だったと思うけれど、小川さんの短編でも見かけたねー。あとほかでも見たような気がするのだが、タイトルと作者が思い出せぬ~。。
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講談社は綾辻作品より有栖川作品より先に二階堂作品の新装版を出すべきだと思うのです…。この装丁は京極作品より怖いよ…手に取りにくいよ…。
内容は相変わらず抜群の安定感です。
表題作の「ユリ」より「劇薬」のほうがフーダニットとしては格段に読み応えがあって好き(*^^*)
それにしても蘭子が相変わらずハマらないなあ…何でだ~(・・;)
●ロシア館の謎…吹雪の中忽然と消失した館の謎。
●密室のユリ…密室状態のマンションの一室で発見された死体。
●劇薬…パーティーが開かれた衆人環視の中でホスト役の男が何者かに毒を盛られて殺害された。
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数ある推理小説の中に登場する、数ある名探偵の中で、私が最も敬愛する二階堂蘭子女史が大活躍するシリーズの作品集です。昭和40年代という時代設定が絶妙なのか、このシリーズのもつ独特な雰囲気に浸れるというのは、素敵な読書体験です。それぞれの作品に凝らされた趣向もさることながら、純粋に読み物として素敵な文章に触れるというのも大事なことだと改めて感じました。まだ読んだことのないという方には自信を持ってオススメできます。
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2013.12.5処分
時々イラっとするのは相変わらず。
吹雪の中に立つ館が忽然と消える「ロシア館の謎」。
密室状態の新築マンションで作家が殺される「密室のユリ」。
カードゲームのパーティーの最中、砒素中毒とみられる状態で主人が死亡する「劇薬」の3篇。
「密室のユリ」は漫画化されたものを以前読んだが、原作の方が穴が目立った。
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再読。蘭子シリーズ5作目。3編の短編集。
一番好きなのは「ロシア館の謎」ですね。
広大な屋敷消失トリックが本当にお見事です。
作品自体の雰囲気もとても好み。
後の2編はまあまあですかね。
コントラクトブリッジのルールのくだりは、毎度読み飛ばしてしまう。
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二階堂黎人が「いちばんよかったころ」のものだけに、完成度が高い。
こういうバリバリ本格推理小説って、僕にとってはほんと面白いね。
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巨大幽霊マンモス事件を読むために手に取った本作。どの短編もシリーズらしいおどろおどろしさがなくやや拍子抜け。
ロマネスク風の豪壮な城館が忽然と姿を消す【ロシア館の謎】は島田荘司ばりの大掛かりなトリックと幻想的なストーリーが面白い良作です。
若手推理小説家の絞殺体が三重の密室状態で発見される【密室のユリ】はトリックが古典的ですし、カセットテープの扱い方もいまいちです。
【劇薬】は途中で挿入されるコントラクト・ブリッジのルールがさっぱり理解できず。真相も味気なく不満が残ります。
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「ロシア館の謎」「密室のユリ」「劇薬」
3作のなかでは、「ロシア館の謎」が個人的に一番好き。
正直にいうと、詳細に描かれた人間模様が逆に邪魔をしてしまっている印象。どのようなどんでん返しがあるんだろうと思っていたところに期待の割にはと思ってしまいます。
トリック自体はどの作品も大きな驚きはないけれど、「ロシア館の謎」はトリックだけではない驚きの結末があったので、読み終わった後に満足感。
難しい話ではないので、推理小説の入り口としてもオススメの作品です。
蘭子の存在が薄いのは短編集だからでしょうか。
他の方が書いているように長編も読んでみたいです。
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ユリ迷宮
二階堂黎人4冊目となり、安心して読めます。
親しみもでてきました。
なんと二階堂蘭子ものの短編集でした。
「劇薬」はどんでん返し。
これまでのものとちょっと感じが違う感じでした。
私は長編が好きなのですが、短編にしては面白かったです。
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ロシア館の謎
立風書房「ミステリーの愉しみ5 奇想の復活」 1992年8月
密室のユリ
野性時代 1994年1月
劇薬
1 シャッフル(前書き)
2 ドロー(最初の挿話)
3 ディール(殺人予告状)
4 オークション(来客)
5 コール(夫と妻)
6 ビッド(ゲームの規則)
7 ダブル(容疑者の集い)
8 リダブル(毒殺)
9 コントラクト(事件証言の抜粋)
10 オープニング・リード(探偵登場)
11 エスタブリッシュ(推理)
12 フィネス(説明)
13 グランド・スラム(退場)
講談社「ユリ迷宮」 1995年4月